客=客

第27期(2016年6月-7月)

XL_428CC168EE8143E4AC6A37E3B88D73C3

二年ほど前、この様な投稿をフェイスブックでさせて頂いたところ、こんな小物の文章を心暖かい4000人弱の皆々様がシェアしてくださいました。

Link

同業に関わらず共感して頂けた方が多かったようで、本当にありがたいお話です。

以下、転載

\\\\\\\\\\\\\\\\\

『飲食店のキャンセルについて』

珍しく少し真面目な話をします

これはおそらく「飲食店あるある」なのですが、できれば同業以外の方々にこそ多く知っていていただきたいことです。

本日、ご予約いただいていたお客様が一組ご来店されませんでした。
予約の時間が過ぎ、何度かお電話をしたのですが、コール音はあるものの留守番電話になることもなく、ついにコンタクトを取ることができませんでした。

何か事故や事件などトラブルに巻き込まれていた可能性もありますし、この方をやり玉に挙げてどうこうということではありません。

しかしながら、世間的に飲食店のキャンセルについてはずいぶんと軽く考えられていると思うことも事実です。

そもそも食事は仕事よりもプライベート間で行われることが多いからでしょうか?
しかしながら、お客様はプライベートかもしれませんが、我々は仕事です。

例えば、皆様も自分の仕事に置き換えて想像みてください。

クライアントとの契約を締結後、準備を進めた状態、或いは納品できるまで準備が済んだ状態・・・
納期直前、或いは納期後の場合も・・・ひどい時には連絡すらなくそれらの契約を一方的に破棄されたとしたらどうでしょう?

全く同じだとまでは言いませんが、それに近いことが飲食店では日常的に起きています。

以前テレビ番組で「女性にモテるためのテクニック」として、「あらかじめ複数の店を予約しておき、当日その場で女性の希望に合わせたお店に行く」といった内容のことが紹介されたらしいです。

自分が直接観たわけではないのですが、もしこれが本当だとしたら非常に嘆かわしい・・・それを堂々と放送するテレビも、そんな男性が女性に好まれる事態も

お店によりけりですが、少なくとも当店は学生のアルバイトばかりで運営するチェーン展開された居酒屋さんではありません。(誤解しないで頂きたいのはこういったお店や会社、またはアルバイトをバカにしているわけではありません)
自分も含めた一人一人のスタッフがプロフェッショナルとして誇りを持って仕事・・・ご来店いただいたお客様と向き合っています。

この事実、せめて皆様の頭の片隅にとどめておいていただければ・・・と願います。

個人的には、物質的にもメンタル的にも何もサービスせずにお代を頂くのは気が引けるので取り入れていませんが、「キャンセル料」というシステムがあるお店にもそれなりに理由があるのです。

大量集客の可能な店はかすり傷ですむかもしれませんが、我々のような個人経営で規模の小さなお店は大けがになりかねません。

これらのことは必ずしも「飲食店」に限った話ではないと思います
何かしらの「予約」や「約束」があるトコロには往々にして当てはまるのではないでしょうか?

「絶対にキャンセルをするな」とは言いません。
避けられない急なトラブルや、体調不良などもやむに已まれぬ事情も多々あるでしょう・・・

ただ、その裏でプロとして、そして生活を築くために真剣に
向き合っている人間が存在することをご理解ください。

もちろんご理解いただき気を使っていただける方々はたくさんいらっしゃいます。
わずかな一部の人かとは思いますが存在するのは確かなため、つまらない内容だったかとは思いますが、お許しいただければと思います。

連絡なしで来ない方はもちろん、予約時間が過ぎてからキャンセルの連絡をしてくる方、キャンセルの連絡を当然のように・・・あるいはやたらと偉そうにしてくる方がいなくなることを心より願っています。

いつもながら長文、失礼いたしました。

駄文ながらここまで読んでいただき時点で既に恐縮ですが、もし共感していただける方がいれば、より多くの方に知っていただきたいと思いますので、傲慢なお願いではありますがシェアしていただければ・・・と思います。

//////////////////

以上、全文転載(無修正)

DSC07340

「リスク回避は自らの責任で行うべき」とか、
「ドタキャンは自らの力不足」など、
別の角度からのごもっともなご意見もあり、少なからずその通りだと思う部分もありますが、基本的には今も変わらぬ想いです。

主旨はあくまで「人と人との間で交わした約束」についてです。

既存の人間関係さえ複雑で様々対応がある中、たった一度すれ違うだけの飲食店のことまで気を使ってられないという事情があるケースもわからなくはありません。

しかし、折角であれば少しでも尊重し合える関係性を保ち、少しずつ少しずつでも、サービスの享受者と提供者が共に気持ち良く過ごせ、双方嫌な想いをすることの無い社会になるに越したことは無いと思います。

知らなかっただけ、気が付かなかっただけという方が減ってもらえればいいなぁ・・・と。

DSCN1481

さて、飲食業という特定多数の方々と向き合う仕事を日々していると、人間という生き物は実に十人十色だなと思わされます。

キャンセルの仕方云々に関わらず、どうしてもある一定数、感じのよくない方や横柄な方、「客」であることをはき違えている方がいらっしゃいます。

そういった方々に対しては、我々も仕事ですからお値段分最低限の料理やワインは提供しますが、それ以上のホスピタリティーを提供しようという気分にはどうしてもなかなかなりません。

逆に、感じのいいお客様や、的確に気をつかってくれる方、お店と共に気分良くなれ、高めあえるお客様に関してはお値段以上の満足感を感じてもらいたくなりますし、金額には表れないサービスや心遣いをしたくなるものです。

どんな職種であれ、良い商品、良いサービスを欲するのであればよい客であること・・・本当にこの一言に尽きると思います。

・・・とここまで書いて自分の身を振り返るとどうでしょうか?

普段は自分が提供する側であるためか、食事に行くとき、買い物に行くときなどは自然と気を遣えているような気がします。

自分が普段携わっているフィールドに近しいところでは問題ないでしょうが、心配なのは自分が無知な世界で無意識にとった言動の中に、相手に不快感を与えるようなことがないかどうかということ・・・

それぞれの業界的な都合やルール・・・これらを知らず知らずに踏みにじってないかがふと怖くなることがあります。

先のキャンセルの件も、我々の想いを知らなかっただけ、気が付かなかっただけでつい・・・という方もいらっしゃるかと思います。

自分自身がそのようなことを減らすため、がなくすためにも、日々見聞を広め、想像力を養う必要があるなと切に感じます。

image

さて、プライベートだけでなく仕事においても自分が客である一面もあることを忘れるわけにはいきません。

迎えるお客様の方が圧倒的に多いため忘れがちですが、例えば飲食店である我々も食材業者や農家さん、酒屋さんをはじめ、機材屋さんからごみの収集業者さんに至るまでは、すべてこちらが客である立場になります。

実際のところ、この問題・・・いいお客さんである飲食店(の担当者)ってあまり多くないと思うのです。

相手の都合を全く考えないクレーム
容赦ない値切り交渉
成果(購入額)に見合わぬ多大な要求
文句は伝えても感謝や評価は伝えない・・・などなど

もちろん足元を見られてもいけませんし、必要なクレームもあるでしょう。

常に八方美人でいるわけにもいきませんし、取捨選択も必要ではありますが、
何はともあれ常に真摯的でありたいものですね。

常々、意識して気をつけたいものです。

・・・と、いうことを業者の営業さんの愚痴を聞きながら思いました。
「あそこのシェフは・・・」なんて陰口、他所で言われたくないですし(笑)

人(お客さん)に嫌なことをされないためには、まずは自分自身が他人に嫌なことをしないこと。
自分自身が気分良くなりたいからには、相手に気分良くなってもらうことですね。