自分手当

第40期(2018年8月-9月)

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あまり胸を張って言えることではないけれど、生きているだけで褒められたいと思って生きている。

朝起きること、ご飯を食べること。花の水をかえて、枯れたら新しい花を買ってくる。またご飯を食べ、皿を洗い、片付ける。部屋を掃除する。お風呂に入り、そして眠る。

穏やかな毎日を過ごすのに、あまりにもたくさんの物事をやり遂げて、積み重ねていかなければいけない。それはやっぱり、褒められるべきなんじゃないかな、と思う。

暗闇が怖くなくなったのはいつからだろう。1人でも電車に乗れるようになり、ご飯屋さんに入れるようになり、怯えることなく眠りにつけるようになったのはいつだっただろう。

そんな何気ない成功をくぐり抜けて、今日も生きている。

ある時から、悲しいことがあると、自分に何か贈るようになった。こっそり「不幸手当」と呼んで、どうしようもないことが起こると、私は私を喜ばせる。

欲しいものができたとき、「次に何か悲しいことがあったら買おう」と思う。嬉しいことがあった時、それはそれだけで幸せだから、わざわざ何か贈ることはしない。

片方に悲しみが乗った天秤の、バランスを保つようなものを、反対側に贈り物として乗せる。そんな気持ち。

生きてるだけで、すごいね。なんてなかなか言ってもらえないから、私が私に言うのだ。毎日よく生きてる。なかなかできることじゃないぞ!と。

もし何か、悲しいことがあったなら、次の贈り物はもう決めている。

そうすれば、悲しみも少しだけ、楽しみになるような気がするのだ。