やっとお休み。

長期滞在者

やっと7月が終わってくれた。
夏休みが短く感じていた子供の頃には絶対に吐けなかった言葉だ。
お仕事をこなさなければならないような、
ある社会的役割を得てしまったからこそ、
こういう疲れたおっさん的言葉が出てくるわけだが、
だからと言って自分がすごく大人になったのかというと
まあ、そんな気はしない。

昨日も、ちょっと気分の悪いことがあってむしゃくしゃしてたので、
それを理由に新しいスマホを買って、一日中いぢり倒していた。
そんなおもちゃ一つあれば機嫌も直ってというか、
むしゃくしゃしてたこともすっかり忘れてしまえるところなんか
まさにまだまだ子供である。

あ、いや、こんな書き方をすると、何か気晴し的なことがあっても
それはそれ、これはこれ、って感じで気分の悪い出来事を
ずっと忘れられない、根に持つA型タイプが大人な人なのだと
暗にほのめかしているようにも思えるかもしれないが、
それは気のせいである。(おれA型だし。)

ちなみに、新しく買ったスマホはノキア(Microsoft)製である。
OSはウィンドウズ。むっちゃマイナー。
使えるアプリ、むっちゃ少なー。
しかしアンドロイドはなんか嫌いだし、
iPhoneは高すぎだしメジャーすぎ。
Microsoftに買収されたとはいえ、ノキアは元々フィンランド製。
半分フィンランド人の子供二人のとーちゃんとしては、
どうしても贔屓目に見てしまうのは如何ともし難い。
ノキアのスマホは以前からカメラの性能が良いので知られていて、
あとはまあ、デザインが好みってのもあって、
ルミア930というのを大枚叩いて買ったのだった。
(といってもiPhoneの半額くらいの値段だけど。)
試しに撮ってみてるけど、スマホとしてはまあ良く写るん方なんじゃないだろうか。
(も少しシャープに写って欲しいんだけど。)
WP_20150802_17_17_38_Pro

カメラといえば、こんなことがあった。
4週間くらい前、かなり無茶な締め切りの注文をこなした後で
ぶっ倒れて1週間ほど寝込んだ直後のこと、
久しぶりにブリュッセルの蚤の市を病み上がりでぼーっとしながら歩いていると、
足元になんだか見たことのある形の黒い物体が。
私のゴーストが囁いたので手に取ってみると、
Pentaxと銘が入っていて、しかもなんだか妙に綺麗で状態が良い。
そしてそこにはなんと「LX」というモデル名が刻印してある。
(このときおれの頭の中でロジコマが(沢城みゆきの声で)「なんですとぉぉぉ!」と叫んだ。ちなみに今季の攻殻機動隊で草薙素子の声をやっているのは坂本真綾である。いい。)
LXはペンタックスの銀塩一眼レフでは最高機種。
ショボいキャノンのフラッシュが付いていたのをもぎ取って、
すぐさま店のおっちゃんに値段を問いただす。
(が、このとき、あからさまに欲しくてたまらないという態度は見せてはならない。)

「それ、50ユーロ。」
「え〜、これ古そうだよ。しかもレンズもないじゃん。」
「いくらなら買う?」
「う〜ん、こういうのもう持ってるんだけどなぁ〜、
でも、20ユーロならかってもいいかなぁ〜。」
「25ユーロでどうだ?」
「え〜、20ユーロにしとこうよ。」
「いやいや、25ユーロでもいい値段だろ。」
「う〜ん…… まあ、しょうがない。それでいいよ。」

このカメラが中古でも400ユーロくらいはするシロモノだということは
わかった上でのこの交渉である。ちょーらっきー。
そして、このLXのおかげですっかり風邪が治ってしまったのは言うまでもない。
(因みにこの翌日には同じ蚤の市でミノルタのオートコードという
二眼レフカメラの状態の良いを見つけたのだが、
それは350ユーロという値段が付いていたので、断念した。)

自分がカメラ好きなのはなんでだろう、と時々考えたりするのだが、
要は道具好きなのだろうと思う。
マクルーハンじゃないけど、道具は身体機能を拡張するわけで、
その身体が拡張するエクステンションな感じが好きなのだろうと思う。
それで思い出すのは、仮面ライダーV3に出てきたライダーマンである。
ライダーマンは右腕にいろんな道具を装着できるのだけど、
子供の頃、それが羨ましくて仕方なかった。
実は、ついこの間、日本からやってきた陶芸家の石井直人さん
道具について色々教えてもらっていたときに
そんなことをふと思い出したのだが、
粘土を成形するとき、目指す形によってあれこれ道具を変えるから、
それとライダーマンがリンクしたのだった。
が、しかし、陶芸家はみんなライダーマンなのである、
なんてことは石井さんには、とても言えなかったのだけど。

そういえば、その石井さんが日本からお土産を持ってきてくれた。
井筒俊彦訳の『コーラン』。
これは以前から読みたくて、Kindleで読み始めようかと思っていた矢先だったので、
とてもありがたいお土産だった。
まだ目次を眺めたところだが、じっくり読み進めようと思う。
石井さんも井筒本は好きらしく、ついに井筒俊彦全集を集め始めたらしい。
羨ましくって仕方がない。
ちなみにいつか網野善彦全集も欲しい。

さてさて、やっと7月が終わってくれたところで、
二週間の休暇である。
久しぶりに写真と読書と映画鑑賞の日々を送る予定。