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3F/長期滞在者&more

家日記 2019年4月

長期滞在者

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幼い頃、よく親戚と集まって賑やかに過ごした。大人たちはお酒を飲み、子どもたちはボードゲームをしていた。

色々なことがあって、今後の人生で親戚同士が集まることはもうないだろうという状況になったのだけれど、この家に誰かが来るとそのことを寂しいなんて微塵も思わなくなる。

4月1日(月)
元号発表の日。発表されたね、と純君と言い合う。正直な話、元号改定は手続きに則って決められるものだし、今まで問題だったことがチャラになるわけでもないので、あまりお祭り騒ぎな気持ちになれない。良い元号だなと思うけれど。

4月2日(火)
久しぶりに絹江ちゃんとお喋りできた。低温調理器で作ったハムを食べてもらったら喜んでくれて、とても嬉しい。お互いの恋愛のこと、共通の知人の婚活状況などについて話す。絹江ちゃんは物事を鋭く分析したり考察するのが得意なので話が面白い。ブログをもっと書いてくれたらいいんだけどな・・・とここでつぶやいてみる。

4月3日(水)
調子が良くないと純君が言う。症状を聞いていると、数年前にうつになった私と近いので心配になりあれこれアドバイスをする。相撲を観よう、美味しいものを食べようと楽しいことをあれこれ計画する。

4月4日(木)
桜が長く咲いている気がする。帰宅すると、今井くんに遭遇。お互い歯を磨きながら喋る。ろくに言葉が交わせないのになんとなくわかるものだ。

4月5日(金)
過労気味の純君に調子を聞いたところ、なんとか大丈夫そうとのこと。昨日も早く寝るなど対策をとっていたらしい。睡眠は本当に大切だと思う・・・。

4月6日(土)
純君は高尾山まで行ってきたとのこと。調子が悪いときに軽く身体を動かすのは良いと思うのだけれど、高尾山・・・登山初心者の私にはなかなかハードな運動のように思える。登山って、ちょっと怖いと思う。疲れた、もうやめた!と思っても、降りるまで頑張らなければならないから。気合が必要だ。

4月7日(日)
友人が合気道の奉納演武をやるというので、純君とふたりで神田明神まで出かけて鑑賞。帰宅すると、今井くんが近所のパン屋でフレンチトーストを買ってきてくれた。嬉しい・・・。噛み締めながら食べた。昴君は胃が冷えてしまったらしく床に臥せている。

4月8日(月)
絹江ちゃんが帰宅。寒いな・・・と言いながらお風呂場へ向かっていった。確かに冷える。明後日は寒波が来るらしい。

4月9日(火)
本日の純くんの夕食は「おいしいカレー」。商品名である。たまたま、昴君もいなばのカレーの缶詰を食べようとしていた。私といえば、昨日作った豚汁をぱくぱく食べていた。いろんな匂いが居間で混じり合う。

4月10日(水)
恐ろしく寒い日。この家のこたつは暖かくなると布団をクリーニングに出してしまうのだけれど、まだ活躍してもらわなければならない・・・。

4月11日(木)
今井くんが作っているバス・電車の路線図マップを英語化するにあたって言語チェックを依頼され、ちょっぱやでやる。来月売るとのこと。

4月12日(金)
1日だけ実家へ。どうも私は実家に帰る期間が短い。こちらの家のほうが、家という感じがする。

4月13日(土)
今日は昴君は家族旅行、今井くんは旅行、絹江ちゃんは夫の家・・・ということで家が大変静か。隣の部屋から純君が咳をしているのが聞こえる。風邪だろうか。

4月14日(日)
久しぶりに朝起きて夜に眠る生活リズムになったせいか昴君はぐったりしている。最近、夜型体質の人が朝方になろうとするのは良くないという記事も読んだし、無理をしないほうがいいのだろう。純君はもしかしたら花粉症かもしれないとのこと。花粉との戦いは、まだまだ続く。

4月15日(月)
純君が鞄選びに悩んでいるとのこと。私のリュック選びにはかなり苦労したので、色々と相談に乗る。私が持っているノースフェイスのリュックを試しに背負ってもらったり。すると、最近はTUMIが女の子向けのリュックを出してるよと絹江ちゃんが教えてくれた。私も純君もTUMIはシックなイメージしかなかったので驚き。そしてさすが絹江ちゃん、ぬかりなくURLも後で送ってくれた。

4月16日(火)
貧血気味になってしまい、昴君にお弁当を買ってきてもらった。昴君はほっともっとに行ったことがなかったらしく、今日はじめて幕の内弁当を食べて「思ってたより美味しい」と満足した様子。

4月17日(水)
とうとう今井くんが帰宅。居間からカレーの匂いがする。

4月18日(木)
居間にダンボール箱が並ぶ。何事かと思いきや、どうやら今井くんが今後仕事で使うものが届いた様子。どう考えても今井くんの部屋には入りそうもない。彼の部屋は私と張り合うくらい本が山積みで、寝るスペースを侵食する勢いなのだ。彼の部屋を見るたび地震がきたときのことを想像して怖くなる。

4月19日(金)
近所のさゆりちゃんが、今井くんの仕事の手伝いに来訪。つくづく思うのだけれど徒歩圏内に友人がいるというのは本当に良いものです。さゆりちゃんは謝礼としてカレーを食べさせてもらった様子。

4月20日(土)
夜、思い立ってクミンシードがたっぷり入ったクッキーを焼いた。今井くんのいびきがすごい。私の部屋まで聞こえてくる(私の部屋は今井くんの部屋の真上にある)。よほど疲れているのだろう。

4月21日(日)
クミンシードクッキーが好評なので嬉しい。今日は本当は家を開く予定の日だったのだけれど、ゲストの予定が次々と急変更してしまい、結局静かな日曜日となった。こういう日もある。

4月22日(月)
絹江ちゃんが帰宅後、長生きお味噌汁というものを作っていた。ブレンダーで細かくした玉ねぎ、白味噌、リンゴ酢などの調味料と合わせて凍らせ、必要なときにお湯で割って飲むのだそうだ。うーん、絶対身体に良い。

4月23日(火)
誰かが買ってきたお弁当が居間に置かれたままだ。きっと純君だと思うのだけれど、眠ってしまったのだろうか。

4月24日(水)
昨日のお弁当はやはり純君ので、食べる元気もなく眠ってしまったらしい。私も今日は過労気味で具合が悪く、仕事をはやめに切り上げてデルフィニウムという青い花とカステラを買って帰った。カステラは夜、みんなで食べた。素朴な味がしみる。

4月25日(木)
昴君がめずらしくダンボール類を居間に設置。どうやら近所に持っていた作業用事務所を引き払うらしく、最近は肉体労働が多いらしい。 

4月26日(金)
昼、今井くんに来客。賑やかなうえにお土産を置いていってくれた。

4月27日(土)
今井くんが薄着で帰宅。今日は薄手のコートを羽織っても寒いくらいだったのに、そんな格好ででかけてたの!?と声をかけている間に温かいこたつに滑り込む。こたつがあってよかった。

4月28日(日)
燻製の準備をするためにいそいそとスーパーへ。今回はホッケの干物を燻製してみることに。全部で9人分の食事を考えるのは楽しいけれど、果たしてみんなをお腹いっぱいにさせられるだろうか。

4月29日(月)
祝日。絹江ちゃんが旦那を連れてきて、近所のさゆりちゃん夫妻も加わってみんなで燻製をした。ホッケの干物は大正解。私が低温調理器で作ったハムも香りがきちんとついた。絹江ちゃんの旦那さんは優しそうで、しかも大学時代からの知り合いということでふたりとも和やかな雰囲気。よかった。

4月30日(火)
燻製の匂いが家に残る。純君が夜、元号改定の特番をテレビで見ていた。昴君は山手線一周路上ツアーをバンドメンバーとやっていたらしい。東京駅だけ、警察に止められたとのこと(やっぱり・・・)。かなり疲れたらしく、ぐったりした様子。

浅井 真理子

浅井 真理子

もの書き。
エッセイを書いています。

Reviewed by
黒井 岬

家のみんなが寒さや忙しさに参ったりしていて、家の中でお見舞いや手助けができるのはそれでも素敵だな、と思う。今年の桜は確かに長く咲いていた。(みんな、という言い方は馴れ馴れしいのだけれど、家日記を読んでいたら最近は馴染みの人たちのように思えてきました、一方的に。)

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