長期滞在者
先々月のこの欄で、篠山への自転車行の話の最後に、日没直後の山裾の道の藍色の景色が夢幻的で美しかった、という話を書いた。太陽が上にあるうちは空は青いが、日が傾いて太陽光線の入射する角度が低くなってくると、長く通過する空気中で青い光が拡散してしまい茜色の空になる(レイリー散乱*という理屈らしい)。そして日が没した後はその茜色が消えてまた濃紺の空になる。世の写真好きは夕方の青から茜への色の変移をマジック…
長期滞在者
長期滞在で毎月書くぞと言いながら初っ端からスケジュールを崩してしまった。 なんだか本当にアトピーの状態が良くなくて、日々の生活がかゆみや痛みに支配されてしまっている。夜中に自分の肌をかいてしまって、朝起きてそのことに気づく。アトピーの人にはよくあることだが、寝ている時、無自覚のうちに自分の身体をかいてしまう。朝起きてシーツに血がついていたり、身体の肌がめくれているのを見るのは、一日の始まりとしてあ…
Do farmers in the dark
またもや展示のお知らせですみません。11月1日から31日まで、四谷三丁目にあるバー、アートスナック番狂せにて絵を展示しています。もし良かったらよろしくお願いします!詳細↓ 木澤洋一作品展 漠然形態 <会期>11月1日(火)〜11月30日(水)まで <時間>月曜〜金曜 12:00〜24:00(土日祝定休) ★飲食店のためワンオーダーお願いします★ <場所>アートス…
長期滞在者
黒部湖から立山への登山を経て、早くまた山に身を置きたいという願望が強くなる一方、「今シーズン既に山に行けた」という達成感にも似た安堵感を覚えて先月末は少し気持ちがダレてしまった。 一方で、今月は私の会社が属する業界で最も大きい展示会が開催されるため、それに向けた準備でバタバタと過ごしていた。 関東での展示会といえば、幕張や有明で開催されることが多いが、今回は会場がパシフィコ横浜であり、自宅から近い…
長期滞在者
写真集や雑誌で、横位置写真が見開き全面に配置されたページが好きだ。中央に綴じ目がきて写真が分断される上、綴じしろ分の情報が欠損するという欠点があるのだが、それでもなお写真を一番大きく扱えるという魅力には代えがたい。中央の綴じ部分は海溝のように深く写真を引きずり込み、分断の先に続くらしい暗黒が写真に無限の底知れなさを付与する(かもしれない)。特に真ん中に人物など主要被写体が置かれているような写真の場…
長期滞在者
贅沢な想いかもしれないが、年に一度は、空気の薄さを感じる標高の山に登りたい。 昨年は北岳に登ったが、運良く今年も仲間に誘われて、そんな山に行けることになった。 今年目指す立山は、20年近く前に中学生の頃の登山合宿で一度登ったことがあった。 その時は神戸から富山までどうやって移動したのだろう。バスだったのか。 まだ恐怖心もあまり芽生えてなかったからか、当時は標高が高いところでも怖さを感じずに登った。…
長期滞在者
自宅から60km離れた山間の市(丹波篠山)で出張仕事があった。同じ兵庫県内なのに公共交通機関では連絡が悪く時間のかかる場所で、どうせ時間がかかるのならば自転車で行くのが良いのではないか?電車とバスを乗り継ぐ2時間半より、自転車の4時間の方が楽しいに決まってる。そうです、私は自転車バカ。片道60kmはちょうどよい距離に思える。撮影仕事ではないので重い機材も要らないし。 初めての場所なので下調べをする…
Do farmers in the dark
今回もまた展示のお知らせすみません。9/5から10/1まで、新中野のgallery café NICCOにて絵を展示しています。 おおよそ8月に展示した絵を展示していて、8月にタイミングが合わなかった方はもし良かったら。前回から少し枚数は少なくなりますが、ボールペンの絵を30枚ほどとカラーの絵を15枚ほど展示しています。日ごとにお店が変わるシェアキッチンで、毎日営業時間が違うのでスケジュールを確認…
長期滞在者
色々と書きたいなと思うことはあるのだけれど、いざキーボードを前にすると、書きたいと思っていたことが手からこぼれ落ちていくような気持ちになる。たくさん書きたいことがあったはずなのだが、頭がまとまらない。 以前に書いていた時期は、二十代後半になってようやく働き始めたばかりの頃で、長く過ごした横浜や東京都内の空気から離れてまた千葉に戻った頃だった。それまでの環境と職場の環境とのギャップに戸惑いながら過ご…
長期滞在者
日々の生活で自分に課しているルールは特に何もない。 日々決まった時間に起きるわけでもなく、朝食に決まったものを食べるわけでもなく、同じ時間に排便をするわけでもなく、煙草は1日3本までというわけでもない。 ただ、唯一自分の中で決めていることとしては、夜にコーヒーを飲まないということだろうか。 コーヒーを夜に飲むと、眠れなくなってしまう。(若さのせいか、鈍感だったからか、中学や高校の頃は、母親が夜コー…
長期滞在者
「写真」は伝達手段としては非常に効率の悪い代物で、むしろ「伝わらなさ」そのものの比喩としての機能の方が上かもしれない。もちろん悲観的に言ってるのではなくて、「伝わる」という言葉の安売りに辟易しているからで、伝わらなさを考える契機として写真があって良いのでは、と思ったのだった。 写真というのはもともと言葉とは伝達される情報の種類や方法違うものだから、言葉では掬いきれないものも放り出す。それは言葉なん…
長期滞在者
仕事でお世話になっているスポーツチームの試合を見に、岐阜に来た。 岐阜駅に降り立つのは数年ぶりで、前回は仲の良い先輩夫婦の結婚式の二次会に参加するために訪れた。その時は岐阜駅の周辺しか歩くことが出来なかったが、今回は試合会場となるスタジアムが長良川沿いにあることから、駅から少し離れたゲストハウスに泊まることにした。 駅に着いて北口のバス停からバスに乗り、20分ほど走って長良川沿いに着く。 川に沿っ…