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心にも皮膚は備わっている?

はてなを浮かべる

hatena1-2
どこにも定着できないのか?
   
   
 
hatena1
なにを選ぶかと同じくらい なにを拒否するかにかかっている?
   
   
 
hatena5-2
面どころか点でしか触れていないのを知ってた?
   
   
     
hatena4
言葉を排水できている?
   
   
     
hatena1a
毎晩きちんと培養されている?
   
   
   
hatena4-2
保護される理由がほしいの?
   
   
   
hatena2-3
いつまでも凶暴でいられるかな?
   
   
   
hatena5
鈍角の人格がよろこばれる?
   
   
   
hatena3-3
心にも皮膚は備わっている?
   
   
   
hatena3
床のシミに僕は閃くことができてる?
   
   
   
hatena2-2
かたちを成せなかった言葉の相手を忘れがち?
   
   
   
hatena6
また今年も一年 僕を見張っててくれる?
   
   
  
   
   
   
   
   
   
あけましておめでとうございます。
今年もはてなを続けていけたらと思います。よろしくお願いします。

つづきのはてな

わかばやしまりあ

わかばやしまりあ

描いたり食べたり生きたりしている

Reviewed by
さかいかさ

「師匠、おおっきな日めくりカレンダーですね」
「ほんとに大きいの〜。雲まで届きそうじゃ」
今日は大晦日。北の砂漠にどかんと立つ巨大な日めくりカレンダー。沢山の人々がライト片手に集まって、新年がやってくるのを今か今かと待っている。
トマト師匠と弟子のタイポもライトをカレンダーに向けながら、人混みの中で白い息を吐く。
「師匠、今年もいろんなところに行きましたね」
「そうじゃの、いろいろ行ったの〜。来年もいろいろ行こうかの」
「あ、師匠、ホットキャンディーの屋台が来てますよ。ボク、ソーダキャンデーほしいです」
「しょうがないの。ちょいと寒いし、もらおうかの」
「やった、やった〜」

「あったかくて甘いですね〜」
「おいしいの〜。甘いの〜。甘いっていいの〜」

「ところで師匠、今年もあとどれぐらいですかね?」
「お、もうあと15分ぐらいしかないぞ」
「じゃ、そろそろ出始めますかね?」
「出る人は、出るじゃろ。たぶんワシらもあと5分もしたら出るんじゃないかの」
プシュー、パーン。プシュー、パーン。
人混みの中から花火が上がった。美しい黄色い火花が夜空を照らした。
「あ、師匠、あっちの方で、もう出始めましたよ」
「よしよし、ワシらもライトを空に向けるんじゃ」
「わかってますよ。出てこい、出てこい」
プシュー、パーン。パン、パーン。
プシュー、パーン。パン、パーン。
プシュー、パーン。パン、パーン。
ほうぼうから花火が上がりだした。人々が手に持ったライトから次々と閃光が発射され、弾ける。
「師匠、キレイですね〜」
「キレイじゃの〜。ってワシらのまだ出んようじゃが、、、」
「出ませんね〜」
それから5分経っても10分経っても、トマト師匠と弟子のタイポのライトは沈黙したままだった。今年もあと残り数分。
「タイポよ、ワシらそんなに正直だったかの」
「おかしいですよ、師匠。ボクなんて今年一年、たいぶ師匠に我慢してたはずなのに」
「失礼じゃのタイポ!ワシだって、タイポにどれだけの言葉を飲んだことか。出ろ、出ろ、パーっと出ろ。花火よ出ろ出ろ」
さてさて、一年最後の出し尽くし。我慢して口にできなかった言葉、ぐっとこらえて出来なかったこと、相手を思って諦めたこと。出し惜しんだ様々なことが、今、花火となって人々のライトから出ていく。今年の我慢をすべて吐き出してしまえ。花火となって、美しく飛び散れ。
プシュー、パーン。
パン、パーン。パン、パーン。
5
プシュー、パーン。パン、パーン
4
パーン。パーン。パーン。パーン。パーン。
3
パーン。パーン。パーン。パーン。パーン。パーン。
2
パーン。パーン。パーン。パーン。パーン。パーン。パーン。パーン。パーン。パーン。パーン。
1
パーン。パーン。パーン。パーン。パーン。パーン。パーン。パーン。パーン。パーン。パーン。パーン。パーン。パーン。パーン。パーン。パーン。パーン。
数えきれないほどの花火が夜空に上がった。見上げた空、端から端まで全部花火だ。
「出ろ〜出ろ〜、ワシの花火出ろ〜!って出ない〜!!」
「ボクのも、ボクのも、出ろ、出な〜〜い!」
その時、ビリビリ、ビリビリ、ビリビリビリビリビリビリ〜!!!!!
日めくりカレンダーが、勢いよく破れ、空高く31日が吹き飛んでいった。
そして、新しい1日がやってきた。誰にとっても新しい、ピカピカの1日だ。

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