◇出てくるひと(順不同・敬称略)
イルボン(gallery yolcha車掌/詩演家):以下、車掌
小鳩ケンタ(詩人):以下、鳩
森綾花(画家/イラストレーター):以下、森
福永祐美(イベントオーガナイザー):以下、福
むらなかゆかり(絵描き):以下、む
城下浩伺(画家):以下、城
◇◆◇◆◇
【2014年2月の相席】
2014年2月8~11日、yolcha恒例のバレンタイン喫茶「路地裏ショコラ党」が開催された。
車掌:森ちゃんはちっちゃい物の中にちっちゃい物を挿入するのが好きな人なの?
森:好きっていうか…ちっさい物の方がお金がかからないじゃないですか。
車掌:そういう理由なの!?原材料費を抑えるために?
森:そうですね、今のところ…
車掌、鳩:絵もちっちゃいもんねー
森:お金がないので…コストを抑えるためです。あれ(漆喰で塗り固めた自作ミニキャンバスに木炭で描いた作品 ※以下の写真参照)額もいらないしそのままで飾れるから。
車掌:じゃ今後売れてったらおっきくなってくの?(笑)
森:今ちょっとおっきいの作ってます。
鳩:あ、ちょっと売れて来たなってゆう。
車掌:前情報聞いとくとわかり易いよね(笑)
福:じゃこっちもキャパシティおっきくするわ。展示面積とか増やすわ頑張って(笑)
車掌:(作品が)おっきくなっていったらもううちではやってくれないですね。ふふふ。
(作品:森綾花 -gallery yolcha企画「素材をめぐるぼうけん」2013.8.1~6 サルンポヮク内ミカリギャラリー)
(中略)
車掌:今回、「恋文チョコシュー」の中のフレーズはどうやって選んだの?何種類あるの?
森:…
車掌:こんなこと言うとアレだけど、(森が)愛だの恋だの必死で探してる姿を想像すると、ポッてなるんだけど(笑)
森:そんな時間はなかったです!パソコンで…検索して。
鳩:この食べ物の中に、言葉が入ってるんですか?
森:シューの中に。
車掌:恋文が。
鳩:どういうこと?このチョコシューの中に紙が入ってるってこと?食べたらどうなるの?
森:取り出せて中に紙が入っているってわかるようにしてあるので。
鳩:え?たこ焼きにエビが飛び出してる感じ?エビたこ焼きってゆう…
車掌:それを見たことがないので何とも言えないけど(笑)
森:見たことないですけどそんな感じだと思います(笑)
(中略)
車掌:(恋文のフレーズは)どういう検索の仕方をしたの今回?
森:とりあえず「恋文」で調べて。ベートーベンとか夏目漱石とか…その辺は結構出て来たので。
鳩:恋文って最近書かないですよね。
森:手紙を書く習慣がないですから。
車掌:書いたことあります小鳩さん?
鳩:高校の時とか彼女とかとずっとそういうやり取りしませんでした?
車掌:しませんよそんなん!(怒)
鳩:そうですか?交換日記もしたし…一時期長距離恋愛もやったので。僕も彼女も同じ高校に居たんですけど、僕は大学で大阪に来て彼女は京都の芸大系に行ったので。ずうっとこう手紙のすごいやり取りを。
車掌:それが今の小鳩さんの基礎を築いてるわけですね(笑)うらやましいなぁ…浩伺さんなんかは書かないでしょ?(笑)
城:僕ねでもね、交換日記したことありますよ!
車掌:あああ、それは失礼しました!(笑)
城:四人で。
森:え?友達同士で?
鳩:男女比は?
城:2:2です!
全員:(混乱)「え!ちょっとどういうこと??」「入り乱れてる感じ?」「関係性は?」
車掌:それ、ダブルデートじゃないですか!(笑)
城:はい、ダブルデートみたいな感じです!ふたりでやるのはちょっと恥ずかしいから四人でってゆう感じです。
鳩:でも、その中にひとりは好きな人がいるわけでしょう?
城:ええ、いますいますはい。
鳩:ややこしくない?その子にはそれを言いたいけど…
城:いや、言えないんです中学生やから好きとかはあんまり。その日起こった事とかを書きつつ自分のことわかってほしいみたいな…
車掌:それ発端はどういう感じで始まったんですか?
城:女の子に言われたんですよ、その好きな子に。
福:それはお互いに好きだという感情の交換はもう始まった前提なんですか?
城:だってでもね、中学生の男の子ってもう(恋愛とかは)全然でしょ。
鳩:もう全然です。
城:女の子は「りぼん」とか「ちゃお」で勉強してるじゃないですか。
全員:(笑)
城:「ドラゴンボール」とか「キン肉マン」じゃわかんないんですよね!
車掌:それもそうですよね。恋愛って何かから学ぶもんだから、男、それ不利ですよね。
城:もう全然どうしていいかわかんないってゆう。ふたりだけになると、何もできなかったですねやっぱり。でも女の子は何かこう(サインを)出してるんですけど、その時どうしていいかわかんないってゆう。
客A:(横から割りこんで)「りぼん」と「ちゃお」は教科書にならないですよ…
全員:(笑)
城:え?あれ恋愛の話でしょ?基本?
客A:漫画の中でやってることを実際にやったらストーカーになるから…
全員:(笑)
(中略)
城:中学生の時とかにふたりだけで逢ったりすると、女の子はちょっと人気のないとこに行ったりするじゃないですか。なんでそんな楽しくなさそうな所へ行くのか。こっちは「ドラゴンボール」と「キン肉マン」の下積みしかないからわからない…
全員:(笑)
鳩:基本、そういうこと仕掛けるのは全部女の子発信の方が多い気がするんですよね。男ってしそうで絶対しないけど、女の子ってしなさそうでいっぱいするよね。
(中略)
鳩:それ(交換日記)はどれくらいの期間続いたんですか?
城:半年くらいで結局終わってしまった気がする。
車掌:いや半年続いたらすごいと思うなぁ。え、四人で?
城:四人のなかで回して。
福:それは日替わりなんですか?
城:中学校の中で渡すので、書いてるのに恥ずかしいから渡せなかったみたいな感じで、回ってくるのが一週間とか二週間遅れになって自然にフェイドアウトして…
鳩:(車掌へ)え、逆に全然してないですか?小学校の時も?
車掌:僕すっごい奥手で。僕、幼稚園のときが一番積極的やって。お泊り会みたいなのがあって、好きな子に対してはすごい好きって言ってて。で、お泊り会の時って親も来るでしょ。(好きな子の)お母さん呼んで「好きなんで今日一緒に寝ていい?」って。
全員:(笑)
車掌:お母さんも苦笑いで「あ、そうなの」みたいな(笑)
城:OK出たんですか?
車掌:OK出て。出たものの僕すぐ眠くなってすぐ寝て(笑)
全員:(笑)
車掌:その積極性はどこ行ったんやろと思ってね!
(中略)
…その後、むらなかゆかりと森綾花の馴れ初めの話題…
(ふたりはライヴペインティングで共演している)
む:鉄板焼きパーティーをしてて。彼女(森)の鉄板焼き奉行?何ていうんですかね?
福:焼きそばの捌き方。芸術的だった。
む:そう、焼きそばの捌き方に惚れてしまって。
福:ソースとかね、きれいにカーッと混ぜてちょっと芸術的だなぁってゆうシチュエーションがあって。片手でね細かいんです。
む:データ処理をカチカチカチってしてるような感じで。
全員:(笑)
鳩:マウスをクリックしてゆくような感じ?(笑)
む:(絵を)描いてるのと同じ感じやって。
車掌:無駄な動きがないのかな。
福:で、出来上がりとかはソースとかもムラがなく完璧で。
む:そこで(森を)好きやなって思ったんですよ。
鳩:それって恋じゃないですか。
む:フォーリンラヴですね。
車掌:今の話と繋がるかわからんのだけどね、先日久しぶりにテレビのドラマを見て。「最高の離婚」。ある夫婦が出てくるんだけど、その夫の方がひどい女たらしでね。その妻の方に横恋慕してる別の男がいるんだけどね。その男がなんであんなひどい夫と一緒になったのかと問い詰めるんです。で、奥さんの方が答えるんですけど、その理由が面白くてね。道を聞いたときに書いてくれた地図がすごく上手くてすぐに恋に落ちたと。あ、そういうことなのかなっていう…
む:え?
車掌:なんか人間がこう動物的に惹かれるっていうか、この人は優れているって感じる瞬間に…
む:それって動物的に惹かれてるんですか?
車掌:え、そうじゃない?
鳩:…
車掌:(鳩へ)地図書くの上手そうですね?(笑)
鳩:…
全員:(笑)
車掌:何で固まってるんですか!(笑)
鳩:広がらなさそうな話、黙っといたら流れるかなと思って(笑)
車掌:(助けを求めるように)浩伺さーん!浩伺さんは女性のどういうとこに惹かれますか?
城:自分と全然違う人がいいですね。前付き合ってた子が自分と似てる子だったんですよ。僕が好きなものは彼女も好き、彼女が好きなものは僕も好きって感じやったんですけど、ふたりで問題に突き当たるとふたりとも対応できずに共倒れするっていうか。なるべく逆でないとやれないですね。
鳩:例えば自分が社会性がないとすれば、向こうが社会性があるとかそういうことですね。
車掌:こちらの家(城の夫婦)のこと言ってるみたいですね(笑)
鳩:いやいやいやいや(笑)例えばって言ってるでしょ例えばね(笑)
城:何かこう同じものを好きになりたくないんですなるべく。ふたりとも好きな作家さんの絵を観に行っても、好きな作品は違うものであってほしい。このバンドはふたりとも好きやけど、好きな曲は別であってほしいとか…あまり離れてるとまたしんどいと思うんですけどね。完全に否定されたりすると。でもね、わたしの前ではそのバンドの曲絶対流さんといてってゆうのがあるにはあるんですよ(笑)
鳩:例えば?(笑)
城:ピーズとか嫌いなんですよ。
車掌:奥さんが(ピーズを)嫌いな理由は何なんですか?
城:何かヤンキーっぽいのがあんまり好きじゃないみたいで。あと、ピーズの例ではないんですけど、笑えないのはあんまり好きじゃないみたいなんですよ。
鳩:例えば?
城:バンドで言ったらドアーズ駄目なんですよ。
車掌、鳩:笑えない(笑)
城:笑うとジム・モリソン怒りそうみたいな感じで。
車掌、鳩:(笑)
城:笑ってくれていいよって人が好きみたいですね。例えばフレディ・マーキュリーって笑いたかったら笑ってくれていいよって感じで存在してるじゃないですか?
鳩:そうは思ってないと思うけど(笑)
城:ちょっとシリアスな感じになってくると疲れるって言われますね。一時期、デヴィッド・ボウイとかもちょっと嫌やって言われてましたね。
車掌:それはナルシストが嫌なんじゃないですか?
城:そうかもしれないですね。
車掌:たぶんフレディ・マーキュリーが一番ナルシストやと思いますけどね(笑)
鳩:いざ一番誰が激怒するかっていうとフレディ・マーキュリーかもしれへんけどね(笑)
車掌:(鳩へ)奥さんは一緒のタイプですか?
鳩:そうなんよねぇ。見事に一緒のタイプで一緒につぶれるってタイプよねぇ。
車掌:つぶれてるんですか?(笑)
鳩:イェース、イェース、イェース。ま、うちの話はこれくらいやけどね(笑)
車掌:一緒っぽいですもんね(笑)それはやっぱりふたりでカヒミ・カリィ聴いて?(笑)
鳩:え?カヒミ・カリィキャラなん僕?
車掌:そうですよ(笑)
鳩:え?そうなん?パブリックイメージがだんだんわからなくなってきてる(笑)
(中略)
車掌:まぁそういうことでね、皆さんいいバレンタインをお迎えください。
鳩:僕もう今年一つもらっちゃった。すっごいうれしい。嫁じゃない人に。
車掌:やっぱ渋谷系は違うなぁ(笑)
む:こういう方を渋谷系って言うんですか?
車掌:そうそうこういう方をね(笑)
鳩:いやいやいやちょっとそれ書くのはやめて(笑)
福:(鳩の服装を見て)え、でも(その)ダッフルコートとかね。これでボーダー着てた日には。で、メガネでね。
鳩:イルボンさんは何系なんですか?
車掌:僕、何系なんですかね?わからないんですよ自分では。
城:イルボンさん、イルボン系ですよね。
車掌:系統は自分で作れよと。渋谷系って言われたくなかったら(笑)
全員:(笑)
鳩:それ大批判やん(笑)僕は無個性でいたいんですよ。城下さんはおしゃれだからね。
城:おしゃれじゃないですよ。僕、通販とかで買いますからね。
車掌:この前オネエ系のモフモフの着てはってね(笑)
全員:(笑)
城:いやあれめっちゃあったかいんですよ!(否定)
鳩:あれオネエ系っていきなり言っちゃっていいの?(笑)
車掌:自分で言ってはったんで(笑)
城:言われるんですよ、オネエ系、オネエ系って。まぁその服も通販ですけどね。
全員:(笑)
鳩:城下さんはすごいクールな作家さんやねんからあんまりこんな話ベラベラ流したらあかんよ!
車掌:パブリックイメージが(笑)
鳩:怒られるよその筋の人から(笑)
文責/イルボン