長期滞在者
東京に戻ってきて、すぐに熊本で地震が起きた。それから、気持ちが落ち着かない。自分の心の中にある断層がずれているような、足元が落ち着かない感じ。ぐらぐら、ぐらぐら。落ち着きどころが見つからない。実際、ずっとめまいがするような、船酔いの感覚が続いている。外の世界はこんなに綺麗なのに、こころの中は不安でいっぱいだ。 熊本の地震が起きる、ほんのすこし前に東京が震源の地震が起きたとき、心臓が口から飛び出して…
当番ノート 第26期
あたりまえに大切にしてた日常がある。 たからさがし。では、繰り返す日々でも、そこにしかない”たから”や誰かの大切なものを見つけて、繋げて、活動してきた。 どこに行っても、感動するものはたくさんあって でも、だからこそ、私たちの始まりの場所、熊本の良さは何度も実感してきた。 大好きで、心地よくて、キラキラしてる、わたしたちの大切な場所。 熊本地震から2週間がたった。 2週間よ…
長期滞在者
もう何度目かもわからない睡眠を終え、私は目を覚まします。しかし、そこは、見慣れたいつもの場所ではありません。窓の外からは犬と猿の吠える声がして、リアカーから溢れるばかりに積まれた豆や果物を売る物売りの口上がそれに重なる。身体は鈍く反応し、重心はちぐはぐで、バサバサ煩い巨大な扇風機が、私のことなどおかまいないしに部屋にたまった熱風をかき混ぜている。そのようにして、異郷の地で朝が始まります。 いまだ朦…
当番ノート 第26期
人が溢れているからだろうか、東京では喜劇に出くわすことが多い。 新宿、渋谷、池袋、上野、北千住、高田馬場、中野、新橋、高円寺。 人工と自然、ビルと横丁、先端と古典、除菌と汚物、宝石と石ころ、人間と鼠。 いろんなものが隣り合わせになった、ごった煮の街。 こうした街で暮らしていると、「いったいあれはなんだったのだろう」と思う光景に出くわすことがある。 唖然とするよりも前に、笑わずにはいら…
当番ノート 第26期
早いもので、もう4回目になりました。クラブ主催のイベント、Kendama Fest! Japan X SGも3日後です。 12月にはインドに1か月行っていました。北インドはこの時期、結構寒いんですね。ショールを買って着ていましたが、シンガポールにいると感じ得ない「外に居て寒い」という感覚を久しぶりに味わいました。タージマハルでけん玉を没収されそうになりましたが、中で遊ばないから頼むと懇願して何とか…
当番ノート 第26期
高校1年生のとき。ドイツのインディ・レーベルから出たコンピレーションの日本盤が、なぜか地元の山野楽器に入荷され、何気なく試聴してその場で電流が走った。自分が聴きたかったのはこういう音楽だ!と感激し、その日本盤を出しているレーベルに感想文を送った。その後、いろいろな縁が巡ってそのレーベルオーナーと電話で話す機会が訪れた。当時の自分はもっと色々な音楽を聞きたかったので、インディ系の音楽を扱っているレコ…
長期滞在者
この部屋の居心地が良くて、帰ってきてしまった。 当番ノート、第24期として、2015年12月から2016年1月にアパートメントに滞在した。 その日々は、私にとって、これまでの自分の生き方を振り返る大切な時間となった。 そして、数多くの新しい出会いが生まれた。 私はそれが本当に嬉しくて。 あなたともっともっと、好きな音楽の話をしていたい。 私は心の底から願ったんだ。 絶え間なく流れ続ける毎日の中で、…
当番ノート 第26期
誰もいなくなったカーテンの無いへや 踏まれて茶色くなった木蓮の花びら ひとりぼっちの白鳥 部屋のすみで干乾びたみつばち もう使われることのない椅子と机 公園で捨てられたうさぎのぬいぐるみ 孵ることのなかったちいさな卵 割れた蜂蜜の瓶 送らなかった手紙 読まれなかったことば 捨てられて散らばったチューリップの花束 冷めてしまった野菜スープ 夢の中で撮った写真 森に残された動物の真っ白な骨 人が訪れる…
当番ノート 第26期
たからさがし。の私たちの 一番のアイデンティティは「笑顔」だと自負している。(笑) つぼが浅くて、ちょっとしたことでも笑える私たち。 2人でいれば、周りに飽きられるレベルで、 ずーっと笑ってる。 (ちなみに上の写真は、スマイルフォトグラファーの友達に 笑い過ぎて上手く撮れない!!って言われた時の写真) そういえば、たからさがし。を始める前も 周りに2人の雰囲気って似てるよねっていわれることが多かっ…
当番ノート 第26期
信じ難い悲劇が起こるなら、 信じ難い奇跡の一つくらい。 何の褒美か。 冬の凍えるような満月の夜。 ある国のトップに、月からお告げが。 月「たった一つだけなら叶えてやりますよ、沈む前に決めてもらえるなら」 トップは、真冬の空のもと街中を歩いていた若者を5人呼び集め、月からのお告げを伝えた。 トップ「お告げを国民に公表しては争いの火種になる。わしには決められな…
当番ノート 第26期
こんにちは、松尾です。 シンガポールにいると、本当に季節感を感じないものです。日本のFacebookの友達が投稿した紅葉の写真に殊更に秋を感じてしまった11月です。 12月のある日、道路を歩いていると、反対側でスコールが降り始めているのが見えました。対岸の雨!30秒後、スコールがこちら側にも襲いかかってきました。天気の変化を1メートル単位で感じられるとは思いませんでした。 その日食べた、炒果条はペ…
長期滞在者
時間というものについて、いろいろ考えるようになった。 現在という一点があり、それは常に先につらなる未来の時間を食いつぶしながら進行していく。 過去は進んだ航路から置き去られて後ろへ消えていく。 ・・・と、つい歴史年表のような直線的な時間進行をイメージしてしまうが、もしかしたら過去は一直線に過去になるのではなく、過ぎた途端に散らばって拡散してしまうのかもしれず、現時点からどれくらい過去か、というスケ…