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当番ノート 第13期
微熱が続く中、とりとめの無い事を考え、思う。 何をいったいとりとめも無く考え、思う? そこにはやはり何も無い、なーだである。 無の響きだけが頭と体をこだまする、そんな状態でも手は動き続ける。 なんて事は無くやっぱり寝てしまう微熱の今日。
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当番ノート 第13期
静岡Freakyshow牧野俊太です。 今月はやけに忙しくて先週、先々週と更新をサボりました。 運営の方、ごめんなさい。 2回サボって気付いたらもう最後の更新でした。あいや~! 最後なのでちょっとだけ真面目に書きます。 僕はいわゆる「ライブハウス」と呼ばれる空間で働いています。 ライブが無い日は適当にBAR営業をやっています。 ヒマながらも、夜な夜な奇人・変人がやって来ます。 奇人・変人は皆やさし…
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当番ノート 第13期
俺はロシア人だ。つまり、明日がどうなるか分からない、価値観が災厄なやり方で3回も変わった国の人間だ。今日あなたが元気で散歩してるとしても、明日は路地裏のゴミ同然になっているかも。今日はお金持ち、明日はホームレス。全てのために戦うことを余儀無くされている。バスに乗ることさえ社会戦だ。人の視線を常に気にしないといけない国、理由なき笑顔はアホの証拠とされてしまう国だ。女性がナンパに慣れていて、何か面白い…
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当番ノート 第13期
「海の水はどこで生まれる?」 広い理科室。班ごとに座った丸椅子と大きな実験用の机越しに、教壇を見やる。今からマジックでも披露するかのように手を合わせ腕まくりをした先生がそう言った。 おのおの生徒は答えを口にする。川の上流、雨、海の底。 低いゆったりした声で先生は答える。 「全部違う。生まれない!」 きょとん。 質問の意図も答えもわからずざわつく生徒を前に、説明がはじまる。 水のもとになる原子の総量…
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当番ノート 第13期
描くことは耕すことに似ている。わたしの脳の中の畑。翻って、読むことは、体を使って歩くことに似ているかもしれない。だれかの作った庭園。道のカーブ、植物の配置、木立の陰、遠くに見える四阿へ期待を馳せながら歩く。迷子になることは、新しい地図を作ること。同じところへ行くつもりで、ちがう道へ出てしまうこともある。設計ミスによって、見えているのに、噴水に辿り着けないこともあるだろう。 そぞろ歩くのに、最短…
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当番ノート 第13期
photoは「光の」 graph は「かかれた(もの)」 「つまりー、光によって描かれたもの、が写真ー、なんだよね。」 写真やカメラの小難しい説明の中から、これだけは突き抜けて聞こえてきた。 ぼーっと聞きながら、私が考えていたのは 言葉あそびのようなこと。 「ひかりによって」って、太陽なんかの「光」を指すのはもちろんだけれど。 自分の写真にかっちりとその言葉をはめるには、少し足りないような。 教科…
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当番ノート 第13期
もう一度くらいは、どこか異国に住みたいと思い続けて早八年。 気持ちは盛り上がったり、下がったりとめぐるめぐる。 外国人になる大変さよりも、気楽さの方ばかり思い出すのは それなりに時間が過ぎたって事なんだろうか。 制作する事により、ここではない何処かへ向かう気分は存分に味わえるけれど 違う空気の中から何処かへ向かうのも楽しいんだよな〜 Dust of Eden
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当番ノート 第13期
雨が降るといつだって、単純なわたしは洗い流してもらったと思う。 アスファルトに成された水の道とたまり場が、こんな凹凸があったのよと両手を広げるよう。 でも今日はその声に応えることもなく、のろのろと歩みをすすめた。 目の前の信号が赤。 横断歩道を前にどこを見ても灰色のビル街の隙間立ち止まる、濡れ鼠。 ぼんやりしていると、たん、と、 透明ビニールの傘越しに女性がわたしを追い越していくのを見る。 わたし…
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当番ノート 第13期
アップルパイの魔女なんて題名を付けたのは、母親が長く栄養士をしていて、お菓子作りも得意だったからです。ジャムやホットケーキの類のおやつ作りから始まって、まだ物珍しいガスオーブンが、わが家へ来た日のことを覚えています。母の顔も、飛びきり輝いていました。 どんなにそのオーブンの活躍したことでしょう。アイシング・クッキーにキャロットケーキ、マドレーヌ、アップルパイ。それから、どっしりとしたフルー…
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当番ノート 第13期
これから先、「私」と「今まで撮ってきた写真」にできることがあるとしたら、 2つ、挙げることができるだろう。 今日はそのうちの1つを。 ◯ 「良いことも、悪いことも忘れちゃうからなあ。」 一緒に行ったところ、話したこと、思い出を、すぐ忘れる。 だから、いつだって写真だけが頼りなのだと 忘れっぽいあのこが言っていた。 思い返せば、私が写すとりとめもない景色に、 価値のようなものを与えてくれた人がいると…
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当番ノート 第13期
今週はずっと大きな紙に描いていた。 何度も重ねて描くため、結局ぐちゃぐちゃな色になり 形も定まらない。 行き着く先はダメだこりゃ、失敗だ。 なので次に移るかと思えばそうではなく 一日置いてまた同じものを続けていくのである。 行き着く先はぐちゃぐちゃなままであり ダメだこりゃ、なのであるが時間は常に優しく 作品を整えていっとくれると、盲目的に信じているわけである。 子どものディスクール
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当番ノート 第13期
鼻が嗅ぐ香りになるかのように、 耳が聴くメロディーになるかのように、 ほっぺたが優しくくすぐる風になるかのように、 舌が味わう甘さになるかのように、 若き少女が惚れた少年の中に溶け込むかのように、 金が美のためジュエリーになるかのように、 絵具が風景になるかのように、 目線が鏡に写る目線とあうかのように、 心が何を感じていも心は心のままであるでしょう。
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当番ノート 第13期
* * * * * いつのまにか扉が丁重にたたかれている。 これっぽちもまとまらない考え事を書いて捨て描いて捨てして、一週間たちました。 洗い立ての犬みたいに身震いを。 春がくる。 __________ ご案内をひとつ。 3月の18から30東京町田で、4月の2から7名古屋栄で、 旅に出た少年の絵を展示します。 18と29、30は町田に、6と7は名古屋に、それぞれ在廊しています。 ここでおみせしたも…
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当番ノート 第13期
妄想ラッパ ひとりぼっちの原っぱで吹く きょうも 妄想ラッパ ぽっかりと 空いた 胸の中心には ドウドウどうと 涼やかな 風が滑り込んでくる ひとりぼっちの原っぱは うまれて初めて 鼻から水を吸った日のように ざわざわと ぐちゃぐちゃと 心もとない足下に立たんとして ブワブワぶわと 妄想ラッパを 響かせる ひとりぼっちの原っぱに吹く あし…
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当番ノート 第13期
母の財布には、祖母の証明写真が入っている。 なんてことのない、4cm✕3cmの緊張気味な祖母の写真。 「なんでその写真なの?」 なんて声をかけたこともあったけれど、 それは野暮な言葉だったかもなあ、と今は思う。 ◯ 去年の秋、久々に母の故郷に足を運んだ。 そこは日本から8時間ほど飛行機に乗ったところにある。 年中真夏の熱い国。 祖母が亡くなるまでは毎年、夏は祖母の家が私の家で 日本で働く父に代わり…
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当番ノート 第13期
日常の些細な事に目を向けて日々色々と書いていこうと思ったのだが、些細な事に特に目を向けていない事に気づく。 それでは日々何を見て過ごしているのか? 何も見ていないのである。 意識して外を見ない限り、些細な出来事どころか重大な出来事にも気づかず、日々が流れて行ってしまう。 意識をせずに生きて行くなんて不可能だと思っていたが、気づけば習慣と言う動力のみにたより生きている。 習慣とは恐ろしいものである。…
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当番ノート 第13期
今週も引き続きノダフルタへのインタビューをお届けする。 前回の「音楽で伝えたいことは?」という質問を受け… ノダ:まあなんつーか、僕が今まで影響を受けてきたアーティスト達。それはジョンレノンであったり、 甲本ヒロトだったり、糸井重里だったり、麻美ゆまだったり… それぞれに共通している事でもあるんですが、 とにかく税金をしっかり払って、よく食べよく笑い(歯も磨き!…
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当番ノート 第13期
プライドが大きくなる時は、このベッドを思い出す。 インドへ行くとき、良く泊まる部屋のベッドです。発達しているインドでは素晴らしいホテルいっぱい出来ていますが、 僕は今でもインド行く度に一人のおばあちゃんが経営してる古いホテルで泊まってます。 とにかく、このベッドは最高です。 一日目は寝れないんです。固いし、動くと音するし、掛け布団もないし、 朝に起きると「あ〜ぁ、やっぱちゃんとしたホテルで泊まろう…
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当番ノート 第13期
形から入る。を、 長いこと馬鹿にしていたような気がする。 そのくせ実際は、道具や服装からはいる。 雰囲気が大事だと言って買った靴で足を痛める。 絵を描くとき必ずつけるエプロンを、いつのまにかつけていないと落ち着かない。 ひとの話なら、正直どんな入り方をしていようがなんでもいいのだけど。 どんな格好でドアを開けたかを説明されてもなあと、思ったり。 入り口で引き返したことなんて山ほど、ノックしてみたい…
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当番ノート 第13期
いつ頃からか、腐女子というものが流行っていまして、脳内で、少年同士の友情に目眩く恋愛を吹き替えて楽しむものだそうです。 わたしは、近所に住んでいた年の離れたお姉さんの影響で、竹宮恵子や萩尾望都に慣れ親しんでいましたが、たぶん腐女子ではない。橋本治による、自分の立ち位置がないものに執着するのは「好きは嫌いのレース」であり、隠したい何かが膨大なのだという説に分かったような気でいました。わた…
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当番ノート 第13期
その日の出来事を日記に残しておくような感覚。 楽しかったことや嬉しかったことは、 思いついただけたっぷりと。 見た景色や好きなもの、美味しかったもの、 きれいだなあ、かわいいなあ、 と思ったものも、たっぷりと残す。 悲しかったことや辛かったことは、 その日の気分で残すか残さないか決める。 けれど悲しい思い出というのは、 楽しい思い出よりもしつこく記憶にこびりついてしまう質なので まあわざわざ残す必…
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当番ノート 第13期
いつもテーマーの事を考えている。 いったい何がテーマーなのか?どうしてこのテーマなのか? もはや、テーマの事を考えるのがテーマになってしまっていて悲しい。 生と死やら、社会やら、自然やら、歴史やら テーマになりそうな事柄は,ゴロゴロ転がっているのにな〜 結局テーマは見つからず それでも動く 手に涙 いつかはきっとうまくいく
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当番ノート 第13期
先日、待望のミニアルバムをリリースした静岡市を中心に活躍するロックバンド、アドバルーン。 今回はそれを記念して、アドバルーンからボーカル&ギター担当のノダフルタ(身長2m)と、 シンセサイザー担当の教授(前科1犯)を招いて対談形式でお送りしようと思う。 少々堅苦しい雰囲気になってしまったが、彼らの音楽に傾ける情熱が伝われば、と願う。 俊太:今日はわざわざありがとう!え~っと… 今回の趣…
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当番ノート 第13期
日本の日の丸は太陽を表しているようだが、 俺にはイザナミの血に見える。 処女が初めて男とベッドをシェアしたときの血に、ね。 わびさびの国って、そういうことだと俺は思う。 ————– 俺が男になったのは大学1年生の時だ。14〜15才の時かな。ロシア人にしては結構遅い方。 当時、俺は心理カウンセラー/占い師のイライダという女性のアシスタントを…
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当番ノート 第13期
母と大叔母の家を訪ねる。 お味噌汁のいいにおい。 日が暮れる。 自転車の漕ぎ出し。あ、ライトつけなくちゃ。 ここいらの電線、こんなにぎざぎざだったっけ? 気をつけて道渡ってよ。母が後ろから。いくつの子やねん。 危ない。車きてるよ。 がらがらがらと音。小さなこどもが遊んでいる。 こんばんは。こんばんは。 小さな村の細い道へ入って、年明けにいつも訪ねる神社の一本前で曲がる。 大きな古い家の勝手口を開け…
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当番ノート 第13期
先週書いた話に、うちの実家家族を絡めるのもあれですが、ちょっと生々しい話をします。 三つ年の離れた妹は、娘ふたりがやっと小学生ではなくなりました。ちょうど一息ついたところで、頻繁に掛かってきた電話が静かになりました。 わたしには、妹の愚痴と、子育てを手伝っている実家の母のそれ、両方を聴き続ける役がありました。母は仕事を持っていて、妹は病気にもなったので、ずるずる仕方なくです。愚痴のステレ…
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当番ノート 第13期
それは湯気だ。 熱を帯びた時間は姿を変えて、湯気になる。 熱ければ熱いほどたっぷりとそれは湧く。 視界をぼんやりとさせ、はっきりとは見えなくなる。 なんとなく、別世界に連れて来られた気分になる。 つくることは、その湯気をぐるぐる巻き取って1つものに見せること。 何かしらのストーリーを連想させること。フィクションでも、ノンフィクションでも。 自分や誰かの、目や肌や心にすーっと染みこませることができた…
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当番ノート 第13期
朝日が差し込み始めたので、さあ寝ようと思ったが、ふと思い直して洗濯機を回し始めた。 干すまでは寝たくないので太陽を盗んだ男を見始める。 そのままちゃらちゃらとペンを走らせ始めると、眠いのもあって意外に興が乗ってくるものである。 そのまま月に囚われた男に流れたあたりで眠さにペンが負け始め、知らない間に知らない所に線が引かれてしまう。 こりゃだめだとなり寝るのである。 結局、洗濯物も干されずに眠るので…
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当番ノート 第13期
フぅ~~~。。。(長い溜息&放屁) いったいこの国はどうなっているんだ? 震災後の原発を巡るいざこざは一向に解決の兆しを見せない。 政治も政治家も狂っている。上がる消費税。苦しくなる一方の生活。 若者の就職なんて、ある訳がない。 こんな国にいったい誰がしたっていうんだ? こんなときに俺たちロックバンドに何が出来る? 「音楽で世界を変えることは出来ない。」 ああ、確かにお前の言うとおりかもしれないね…
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当番ノート 第13期
愛とは常に無防備でいること、と俺は思う。 自分を守ることをしないまま、 不安と痛みと幸せを同程度に 受け入れること。 そして傷つく時には思いっきり痛みを感じ、 不安になった時には思いっきり暗闇に落ち、 幸せな時には振り向くことなく光の方へ飛び、 そしてお互いの中に永遠に落ちてゆく。 なんとなくそんな感じ?なぜなら俺は一度もそういうことを体験したことない。 だからこれはきっと… 本当の愛…
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当番ノート 第13期
本を読むこどもだった。 小学校の最初の三年間の放課後を、学童保育に通ってすごした。 その前を保育所で過ごしたわたしにとっては、息苦しくもわかりやすい共同の生活。 授業が終わるとまっすぐ。学校の敷地内、隅の隅に立てられたプレハブ小屋に向かう。 体育館の隣に立てられた建物は、通っていない子たちを寄せ付けない見えない線があって、 いいなあと友人たちが帰りながらつぶやくのを聞いたこともある。 靴を脱ぎ入る…
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当番ノート 第13期
去年、You Tube で偶然見つけた、坂本美雨さんと矢野顕子さんの親子対談。美雨さんは、去年の秋に出た矢野さんのCDを紹介したくなって、パーソナリティをしているラジオ番組に呼んだそうです。その中で、矢野さんは、キャラが厳しいお父さん風になって、美雨さんは、偉大な音楽の先輩を前にドキマギしている様子でした。先般、亡くなった忌野清志郎さんの曲を読み直すというか、その良さを矢野さんによって再発見しよ…
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当番ノート 第13期
モノクロの写真は現実の色から少し離れられるところが面白い。 シャッター1つで、黒い粒粒の集まり に変身。 色の情報量が減った分、見る人はそれを補おうと新しい色をつけようとする。 もちろん無意識の間に。 撮った自分だけが知る元々の色を目にすることができない人たちは、 それぞれの胸の中で思い思いの色を塗ることができる。 現実の風景と近い色で塗ってくれる時もあれば、 撮影者からは想像もできないような色に…
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当番ノート 第13期
雪のつもり具合に愕然とする日々ですが、白い紙に描き始める時も、同じくその白さに愕然とする日々が続いています。 白い紙は何かしら描かなくても、それ自体ですでに存在が成り立っている。 線を引いた瞬間、やっちまったな〜と思うとともに白にはまり込み身動きが取れなくなる。 ほぼなにも意図を持たずに描いていると、特にそう思う事が多い。 それでも黙々と描き進めて行くと、ある時点から目的とするべき表面が白を覆って…
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当番ノート 第13期
ボンテージルックで失礼します。牧野俊太です。 ご近所のライブハウス「騒弦」の店長であり、このアパートメントでも連載を務めていたノダフルタ(身長4m)。 彼がボーカル&ダンスを担当しているロックバンド、アドバルーンが先日ミニアルバム「エイティーン」をリリースしました。(拍手!) そこで今回はその「エイティーン」の全曲レビューをしてみたいと思います。 まずは1曲目、タイトルトラックでもある「エイティー…
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当番ノート 第13期
愛する人について書こうと思ったが、段階が必要みたい。愛することから書かないと。 しかし、自分の中には「写真」というものが大きすぎて、 どこから書いたらいいのか分からん。 色々悩んだあげく、一番素直な話をしようと思った。 きっとそれが一番面白い話だろうから。 例えば、俺がずっとあなたの手や目の動きをみているとしよう。「気まずい」は普通のリアクションよ。 例えば、俺がずっとあなたの裸を眺めている。いろ…
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当番ノート 第13期
ぱたぱたと音を立て、走りよって腕をとる。 大人と遊ぶことをよく知っている。 ペンギン!と声をあげてわたしの靴に足を置き、 ブランコに乗る身軽さで身体を預ける。 思わずぺたんと、彼女を抱えてペンギン歩き。 * 大人と呼ばれるひとびとと話し続けていると、 こどもと呼ばれるひとびとの、間合いの近さに驚かされる。 あるいはそこにある、突然に自分に向けられる一種の信頼に驚かされる。 このこは、わたしが大事に…
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当番ノート 第13期
2月なので、チョコレートの話を少し。色気づいて(中学か高校辺りに)、気になる相手にバレンタインにチョコレートを贈るのは、ママゴトみたいなものかもしれません。しかし、女の子らしい女の子はその辺りの演出が上手いと言えますし、なにより度胸があります。わたし自身は、度胸がない上にケチだったと思い返されるけれど、その女の子は、買った商品を手作りだと偽って(チョコブランドも少なく手作りが流行っていた)気になる…
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当番ノート 第13期
こだわりというものが少ない私でも、 時にどうしようもなく興味の湧くものを発見してしまったりする。 手の届く範囲に置いてしまったら最後、 きらきらと輝くお面をそっとはずして、衣を脱がせる。わりと強引に。 その下にある、薄く何層にも重なった皮を一枚ずつ剥いでいく。 本当はどんな姿をしているのか、 どんな形をしている?何種類くらいの形を持っている? 匂いはどうか、味はどうだろうか、手触りはどんなものか、…
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当番ノート 第13期
物を作る時はすぐに集中できる。 気がつくと周りの景色や音が消え、目の前の制作物と自分だけの世界ができている。 体が疲れ、手が動かなくなるまで制作が続く。 なんて事に憧れながら、相変わらずのながら制作である。 いつか集中して制作に没頭し、気がついたら何十時間経っていたなんて経験したいものである。 復讐 運命の訪問者
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当番ノート 第13期
ふぅ~~~~~。。。。(長い溜息&放屁) マスター、マティーニ貰っていい?うん、そうそう。オリーブ抜きね。 今日はね、ちょっと愚痴っちゃうかもしんまい。堪忍してね。 ライブハウスで働くって、楽じゃない。 小さい頃からのね、夢だったんだ。音楽に関わる仕事をする。 裏方でもいい。ロックバンドを縁の下で支える素敵なお店のスタッフになる。 一応、夢は叶った… って言えるのかな? でもね、なんだ…
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当番ノート 第13期
月が卵のように割れて、真っ暗な夜を垂らす。 風は野良犬、街中にウロウロ。 冬がやっと東京に訪れた、喉は常に痛い。 「今の自分を愛するため、過去の自分を受け入れる」あなたがいう。 今日は嘘つき。 悲しみしかない過去の自分をどうやって受け入れたらいい? 人は過去を綴じ込み、無かったふりをし、それを「受け入れた」と名付ける。 なぜしっかりと向き合わないのだろう? 「後ろをみてはいけない。けど向かう先を確…
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当番ノート 第13期
三分、 と聞いて思い出すのは、カップラーメン、ウルトラマン、ムスカの台詞、 それから某調味料の料理番組である3分クッキング。 ある冬の日、 なんとはなしについていたテレビ画面に映ったのはなんだか時間のかかりそうな煮込み料理だった。 大丈夫なのそれ、あと二分ちょっとで完成するのとひやひやしていたら、 「これを三時間煮込んだものがこちらです」でーん! という効果音はなかったにせよ、助手と思しき女性が台…
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当番ノート 第13期
アパートメントへは、カマウチヒデキさんのご紹介でやって来ました。実は、本人には、まだお会いしたことがありません。けれども、彼の写真展は見に行きました(彼の友達にはお会いしました)。また、わたしがおんさに参加していたとき、やはりお目にかかれなかったのですが作品を見に来ていただきました。ネット社会なんだな~と思います。 むかし、ほんの10年ぐらい前は、ひとに会わずにその人に会うという感覚はありませ…
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当番ノート 第13期
人間が見る世界はちょっとだけ何かが欠けている、と思う。 人間のからだはとても賢いから、その瞬間に必要のないものを勝手に省略してしまう。 確かに目に入った それ を 「この動作には必要がないからねえ」と、見なかったことにしてしまう。 見たい見たいと、意識していても、なかなか目にすることができない。 けれど、省略されてしまうそれは、カメラの目を借りることでフィルムに焼きつくことがある。 それもほとんど…
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当番ノート 第13期
黙々と、 木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか を読みながら色々と描いていました。 本の内容とは全く関係無い、絵となりました。
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当番ノート 第13期
アパートメントをご覧の皆様、はじめまして。 静岡市は両替町にある「Freakyshow」というライブバーの店長を務める牧野俊太という者です。スニッカーズ片手に失礼します。 プライベートではherpianoというバンドでへっぽこドラムを担当しています。最近はheylomeというバンドでもなんちゃってドラムを叩いてます。 同じく両替町のご近所ライブハウス騒弦の店長、ノダフルタ(身長3m)からの紹介で、…
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当番ノート 第13期
僕のアパートメントにトカゲが住み始めた。 月が出る頃に、トカゲが少女になる。 眠りについた頃に、うっすらと聞こえる。 静かに布団に入ってきた彼女が、僕の親指を口に入れ、音を立てずに舐めている。 朝になる。洗面所の鏡に写っている自分をみつめながら昨夜の夢を確かめる。 白い和紙に落ちた墨の粒のような、真っ黒な彼女の瞳が浮かぶ。 「夢、これはきっと夢だ」顔を洗いながら口にするが、僕は自分の親指の異変に気…