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2F/当番ノート

いるだけ稼いでのんびり暮らすために必要なこと

当番ノート 第21期

今週は急に具体の話。

僕はいる分しか稼がないできた。
それはたいてい数万円で、
それを聞くとみんなびっくりするが、それでもう10年くらいやってきた。

7年ほど前に緑のふるさと協力隊という制度に参加させていただいた。
ふるさと協力隊は、地球緑化センターというNPOが運営している、まちの若者をむらに派遣するプログラムだ。
国や大きな機関が中に入っていないので、とにかく人の体温が感じられる経営をしていて、
つまりはびんぼうくさくて、だからか中の人は想いがあってみんな真面目で、それがすごく好きだった。

緑のふるさと協力隊で福井県池田町に派遣されていたとき、生活費として支給されたのは5万円で、
それまで人間はいくら稼ぐべきか考えていたので、すごく参考になった。
むらでは、支給金額以外のお金を絶対に受け取ってはいけない。
せいいっぱい汗をかくと、農家さんからは現物支給で食べ物をいただいた。
頑張れば頑張るほどおかずが増えていくシンプルな仕組みだった。
池田町の方には、本当にたくさんお世話になり、いい汗をいくらでもかける幸せな日々だった。
その5万円のお金ですら、使うことはほとんどなかった。

そこでわかったのは、こうやってかく汗は本当に心地いいということ。
生きていくのにお金は必要だけど、男ひとりが暮らすのに必要な額はそんなに多くないということ。

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学生のときは、バイトで2ヶ月働いて、
そのお金で5ヶ月食べていくというサイクルで生活していた。
そうすると3ヶ月はじっくり本を読んだり勉強したりすることが出来る。
生活のコストを下げるために、大学のある世田谷に1万8千円のボロアパートを借りた。
それでも、働くタイミングを逃すと飢えてしまうので、
お金のことはすごくシビアに考えてきたつもりだ。

反面、いくらいるかわからないけど、不安だから稼げるだけ稼ぐというのは、
なんと言うか、下括弧の設定がゆるいというか、かえって金銭感覚にルーズなんじゃないかと思う。
将来が不安なのはよくわかるんだけど、ちょっと考えるとわかるけど、解消するには際限なくお金がかかる。

不安はとてもコストがかかる。
だから、
まず暮らすのに必要なだけ稼ぐ。
そうするとたくさん時間が出来るので、
不安をできるだけ最小化する努力をする。

たくさん学んで認識を磨いたり、
いざとなったら助け合える関係を、
できれば依存し合わないで共存できる関係を一つ一つ紡いでいく。
そんなことに時間を割く。

この生き方はちょっと煩わしくて面倒くさくもあるけど、
たくさんの人と関係を作ることが出来るので楽しい。
競争じゃないので自分のペースで出来るし、パイを奪い合うこともない。

そんな生き方をしようと思ったら、
まず無料で、人の為に何かで汗をかいてみるのがいいと思う。
あとは、それをしている間に次が見えてくるので、後はどうやったらそれを継続できるかだけを考える。

僕は青空市をやっているんだけど、それはまず都市と農村の不均衡があると感じたからだった。
ちょっと具体的に話すと、農家が東京にものを売りにいくときに、多くのマーケットの出店料はすごく高い。
農家は生産コストや輸送費、販売の人件費、在庫のリスクも含めて全部かぶるのに、その上でたくさんの出店料を支払う。
かっこ良い、「農家のために」というマーケットがそうなっていなくて悲しくなったし、
都会に暮らす人間としてお世話になっている農家さんに申し訳なくなった。

それで、ファーマーズマーケットのイベントを墨田区でするようになった。
学生時代に始まって、ボランタリーベースで2年くらいやった。

今は出店料が売上の10%の青空市としてそれが継続している。
もちろん経営は大変で、トントンになるまで長い長い時間がかかったけど、
農家や事務局スタッフだけでなく、地元の消費者も含めた本当にたくさんの人といい汗をかくことが出来た。

その過程で大事な仲間がたくさん出来た。
それは本当に幸せなことだと思う。

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後はもし、これから好きな女の子が出来て、
わーっ、めっちゃ結婚したい! この人と子供を一緒に育てたい!
と思ったときなんだけど、それはそのとき考えればいいと思う。

お前ぬるすぎるよ!
という人もたくさんいると思うけど、

半分以上の人が結婚しない社会で、
会社が平均7年でつぶれてしまう社会だと、
こういう人生のつまみ調整をする人が増えていくと思う。

僕は会社で勤めることや真面目に働くことを否定しているのではなくて、(というか僕は土日も毎日働いているのだけど、)
それをまず無料で汗かいてしまうのも面白いし、けっこうやっていけるよ、って話なんです。

不条理にくみしないのは可能だし、悲惨じゃないですよってこと。
腑に落ちることを積み上げて生きていきたいよね。

僕もまだまだ研究中で、だから皆さんの意見や考えを聞かせていただけるとありがたいです。
それは直接会ったときでもいいし、僕にテレパシー以外のなにかでメッセージを送っていただいてもいいです。
あっ、宗教やセミナーをお勧めすることはないので、ご安心ください。

すごく長くなっちゃった。
ここまで読んでくださってありがとうございます。
また火曜日に手紙を書きますね。

松浦伸也

松浦伸也

すみだ青空市ヤッチャバの運営をしています。
シェアハウスの運営をしています。
研ぎ屋をしています。
売れない芸人を目指しています。

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