意味のあることを書きすぎてつかれた。
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おばあちゃーん、チョーウケル昔話して〜
こどもたちが椅子の肘掛けに詰め寄る。
掛ける者こそ替わりすれ、椅子はこの光景をすでに知っている
「おまえもハタチを超えて大人になった今、ウケる昔話をしてあげようね、この秋の夜に」
ぺっけれ、ぺっけれ
ほうほう
これは朝鮮の昔ばなし…
このばばあが娘時分に
百済に行ったあとで土地のことを調べて知った話だよ
昔々、まだ虎が煙草を吸っていたときのこと (*1)
あるところに優しい弟と、ひねくれた兄がおった。
弟は薪を取りに行った際に、かくかくしかじかあって
トケビ(韓国のいたずら妖怪*2)から魔法の砧(きぬた*3)を手に入れた。
とんとこ叩くとなんでも現れる砧のためにすっかり家は富み栄え、
この魔法の砧のことを聞いた兄は飛んできて
自分もこれを手に入れまいと、弟と同じように出かけていったが
トケビの群れにすっかりばれてしまい、さんざんいたぶられた。
ところが
それが、こともあろうにトケビのいたずらで
兄の方はちんこがめちゃくちゃ長うなって帰ってきた。
とはいえ、不幸というのは完成しないものだから、
やがて兄もそのちんこに見合ったまんまんの女とねんごろになり、幸せに暮らした。
2人は山に出かけ、男は山を上り木々を叩いて獣を駆り立て
女は山すそで足をひらげてまっているありさまであった。
やがて子どもが生まれ、その子も十分に大きくなった。
子供の婚礼の日には、おおいに雨が降り
川が溢れて男はちんこで橋をかけ、祝賀の客たちも無事に川を渡り、事なきを得たという
またあるとき、
家で女が「うんうんお腹が痛い」と言うので
男はまんまんの中に入ってみた。
すると、老人が草鞋を編んでいたそうだ。
ぺっけれぺっけれ
ほうほうな
(*1)昔々、まだ虎が煙草を吸っていたときのこと : 朝鮮の昔話の冒頭の定形句。今は禁煙しているのかどうかは不明
(*2)トケビ:色々なバージョンがある。↓の絵参考
(*3)砧(きぬた、昔のアイロンを充てるための板)
ぺっけれぺっけれほうほう:勝手に入れた。根拠などない。
あと、こっちは先月お会いした、尼崎のヤバイ女の子を思い出して描いた。
ぜったいに祟る。ラブリーに。
みなさま、たのしい秋を。
参考:トケビ妖怪考(歴博ブックレット)
韓国を知るQ&A115