君がぼくのことを、一番好きだった瞬間に
それはたぶん、ぼくの予想では2年くらい前だと思うけど
もしいま、10秒だけ
あの時の君がぼくの前に現れたとしたら
ぼくは、なにをするだろう
なにか言うだろうか
休みの日、雨。
起きたらもう昼前で
寒いしベッドから出れないでいるぼくは
ぼんやりとそんなことを考えています
休みの日の、頭の悪いすごしかた
君と住んでいた部屋
いま、ぱっ、て。
2年前のあの子が、
スウェット姿で寝ている髪の毛ぼさぼさのぼくの横に現れたら
寝返りうったら、隣であの子がこっち見てたら
きっとなにも言えないだろうなあ
好き?
ってただ二文字の質問したら
好き
って言ってくれる
そんなのほんとに、いつか見た夢みたいにしか思えないし
でも急に気がついた
いま、2年前の君が現れたところで
ぼくは、いまのぼくなんだよなあ
君が好きだった2年前のぼくは
いまのぼくとは違うから、
いまぼくの隣に2年前の君がきても
なんとも思わないだろうな
髪型も少しちがうし
タバコもやめたし
洋服の趣味もすこし変えた
なにより、君にフラれたあと
前よりもっとつまんない人になった
あー、明日は会社かー
午後になったら、あっという間に夜がやってくる
いま舞ってるホコリたちが見えなくなったら、
もう「仕事いきたくないよー」のことしか考えられなくなる
キーマカレーでもつくろうと思って
昨日のうちに食材を買っておいたけど、
なんかつくるの面倒になった
昨日はあんなにやる気だったのにな
むしゃくしゃしてるし、
せっかく買った挽肉も、
塩胡椒で炒めて
それで発泡酒のもうかな
牛と豚が7:3くらいだっけな?
君と僕が7:3くらいだっけな?
そーゆーことじゃないんだよ
実際はもちろん0:10なわけだし。
もうどっちがどっちだか判別できなくなるくらいにぐちゃぐちゃにしてやる
そしたら、ずいぶん楽になるしー
こねてこねて
そうだハンバーグつくればいいじゃん
埃舞う、まともに掃除する人のいなくなった部屋で