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2F/当番ノート

適材適所

当番ノート 第28期

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はじめまして。
韓国生活で日々感じること、考えさせられることを綴っていこうかと思います。

自分は韓国で美容師をして4年目を迎えている。
この3年ちょいでいろんな大変なことがあったでしょ?とか、どうして韓国で美容師をしているの?など
良く聞かれるがまたちょくちょく機会があれば書いていこうと思う。
今回は最近感じたことを文字にして整理してみることにした。

今の自分のお客さんの割合は日本人50%、韓国人50%となっている。
50%の日本人のうち20パーセントぐらいは駐在している男性である。
その方の中に任期を終えても日本に戻らず他の国へとまた移動していく方達も少なくはない。
韓国以外のアジアに行った事がない自分にはそのような方達の話を聞くのはすごく刺激的で楽しいのだ。

そんなお客様の中に以前インドネシアのジャカルタにいて韓国に来られた駐在のJさんがいる。
昨日、Jさんをカットしながら聞かせてくれた内容が忙しくてばたばたしてた1日の中ですごく頭の中に残っている。
その内容とは、秋葉原から火のついたAKB48のジャカルタ版 「JKT48」の話だった。
Jさんの後輩がそのJKT48の1人と結婚式をするから行きたいけど出張で行けなくなるかもと言う話しから
始まり、Jさんが駐在してるときにJKT48が活動し始め、何かのきっかけで見にいったら娯楽のない
ジャカルタではすごく楽しくて会社の人やジャカルタ駐在の日本の方も多く通いはまっていたと言う話を聞いた。
自分はアイドルなどにはまったく興味がないのでまったく知らなかったが
JKT48にも仲川遥香という日本人がいたと言うことを聞いて驚いた!

彼女はAKB時代に参加した総選挙では、20位、24位、44位と上位でも下位でもない中堅的なポジションだったが
JKT48への移籍は自ら志願して、結果的にJKT48では中心的な活躍を果たした。
今ではジャカルタでも超人気の芸能人みたいで、JKT48も引退して今後もジャカルタで活動していくと発表もされてる
みたいだ。

この話を聞いた時に自分が最近思っている事とリンクしてすごく印象に残った。

韓国で日本人美容師は求められている。韓国だけでなく世界で求められていると思う。
求められてるところに行くほうがその人の価値を高められる。

日本の美容師さんはほんとに練習もたくさんするし勉強もたくさんする。
だけど給料は高くはない!!休みもほぼない!!

はっきり思うのは、ちゃんとアシスタントの時に頑張ってスタイリストになった人なら
スタイリストになりたてでも世界に行けば通用すると思う。
給料ももらえるし、待遇も良い。その時にもし海外でやると言う決意をして出て行ければ勝ち組だと思う。

この考えとJKT48の仲川遥香との事がリンクして 「適材適所」 ということが思い浮かんだ。
自分の語彙力ではこれ以上の単語はうかんでこないが仲川遥香のことを日本では人気がないから
逃げたとか、ジャカルタなら売れて当たり前とか批判的な事を言う人もいると思うけど
需要のあるところへ行き、自分の価値を高められるのは物凄くすごいと思う!
日本人美容師も世界にもっと出て欲しいと思ってた時だったので
より自分の頭の中での考えがまとまった気がした。
日本を出て、外から見る日本、日本の美容はもったいない所が多いと思うこの頃である。。

tomo

tomo

沖縄(高校まで)→福井(自動車部品を作る)→福岡(美容専門学校)
→大阪(美容師)→韓国(maruni hair 店長 ) 
1986年生まれ
大阪で美容師をしていつの間にか韓国で雇われ店長をすることに
言葉もわからないところからどうにかやってきて今を楽しもうと模索してます。

Reviewed by
大見謝 将伍

"日本を出て、外から見る日本、日本の美容はもったいない所が多い"

JKT48仲川遥香から考える、日本人美容師の価値とは。「もったいない」は、広く多くを知るから出てくる言葉なのかもしれない。生きづらさ、働きづらさも、視点(市場)を変えてみれば、和らぐこともある。

「自分がいけない」と抱え込むことは日本人はわりと得意で、その危機感がより自分を高めようとするから、職人(気質な人)が多い国なのかもなぁ。ただ、自分をあえて変えずに、環境を変えてみることで価値を高めるというのも一つのやり方であり、一つの生き方とも言える。

もちろん、外的要因に偏って、環境のせいだけするのは良くはなくて、内的要因である自分と向き合うことも大切で、その絶妙なバランスを保てることがプロフェッショナルなのだろうとも思える。

さて、「インバウンド」という声が聞こえることが最近では増えたが、日本から「アウトバウンド」できるものも多いはずだ。それは文化だけでなく、技術しかりで。日本の美容師の技術がどのように、韓国で活きているのか。その生の声を、2ヶ月間、この連載で知ることができそうだ。

沖縄を出て、福岡、大阪、そして、韓国へ。海外で美容師として働くひとりの職業人であり、兄である彼の言葉に耳を傾け、その声をわずかばかりでも増幅・拡声できれば弟としてはさいわいである。

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