ひとはいつもすれちがう。
瞬きの間に、すれちがう。
ことばは待ち合わせ場所だ。
絶対の目的地なんかじゃない。
重なり合うことなんてない。
イコールで結び会うことなんてない。
それでもどこかで会いたいと
かすかなことばをならべたりする。
そのことばをまた、ことばでつないでいく。
あなたに、あなたに、つないでいく。
すこしでも、ちかづけるように。
いちばんちかくへ、いけるように。
そうして、あ、。
瞬きの間に
ひとはいつしかすれちがう。
それでも、あ、。
瞬きの間を
すれあえるだけ、うまれるひかり。
今週は、いつかの10月20日に、ことばを継いでみました。
「ことば」というかたちあるもの
たしかそうなものに失望していた時代があって
多分それは、過信していたからなんだと、いまはおもいます。
「すれちがい」は別れのことばのようだけど
たしかにそれは出会っているよね、って
失望の中、気づいた瞬間
からだのなかに火花が散ったみたいな気持ちになりました。
だからいまは
あのときの失望の瞬間にだってひかりをみています。