当番ノート 第26期
体と心を持って 自分が 生きている ということに 違和感を持つようになったのは いつからだろう 自分が存在していることが こんなにも 心許ない 私は私のことが うまくわからなくて 自分が誰なのか 説明ができなくて 伝えられない だから 訊かれることがなんだか 苦しくなって 逃げ出したくなる 健やかな正しさというものが 怖い 年齢 性別 容姿 国籍 家族 社会 そういうものから 切り離して 私…
当番ノート 第26期
今年から使い始めた「ほぼ日手帳」 ちょっと前だけど、2月8日のコトバ。 平了さん「田口君のヒッチハイク ON THE ROAD」から ―ヒッチハイクで人の車に乗せてもらうってことは その人にちょっと迷惑をかけるということ。 その、「ちょっと迷惑をかける」ってじつは大きいことだと思うんです。― 確かに、確かに、その通りだなっておもった。 自分から人を頼って(いうならば迷惑をかけて)、 自分が行きたい…
当番ノート 第26期
私が住む兵庫県に「にほんの里100選」選出の里山があることを知り、川西市黒川まで足を運んだ。 電車を2度乗り継ぎ約1時間、能勢電鉄妙見口駅に着いた。 駅を降りると、そこには微笑ましい景色が広がっていた。 街中のように頭上何メートルも先に看板があるわけでなく、必要な情報は斜め下に落ちていた。 歩き続けるにつれ、壮大な自然を目の前に心を鷲掴みにされる感覚とは別の感覚を覚えた。 人々が手を…
当番ノート 第26期
こんにちは、シンガポールでけん玉をやっている松尾です。 前回はシンガポールの子供たちのけん玉がうますぎて、意気消沈しているところでした。 もともとけん玉をシンガポールに広めるつもりでいたのに、既に広まっている。しかも、15年やっている俺よりもうまい!さて、どうしたものか。 9月中旬頃から、Haze(霧)が立ち込めるようになりました。スマトラ島で森林を焼いた時の灰がシンガポールまで飛んでくるのです。…
当番ノート 第26期
お化けと河童と石ころが冒険をする絵本。お化けが頑張る1冊目の終りで河童が「次回は拙者が頑張りますぞ」と言う。河童が張り切る2冊目の終りでは石ころが「今度はオイラの活躍をお楽しみに」と言う。ちょっときっちり役割分担をし過ぎではないか。それぞれの見せ場など無くたって、お化けと河童と石ころという時点でもう、十二分に「それぞれ」だ。3冊目は読んでいないが、その絵本がイヤになってしまったというわけではない。…
当番ノート 第26期
遠くがあることを知ったのは 広大な自然のある土地を テレビで見たときだったかもしれない 部屋に寝転び目を閉じて 風の音だけをききながら その映像を頭の中で広げ 自分がその土地にいる想像をし 何度も遊んだ 物語があることを知ったのは 新学期に教科書をもらったときだったかもしれない 新しい教科書の物語がある部分を 授業ではじまる前に全て読んだ 私は図書室へ通うようになり 誰かと話したり学んだりする…
当番ノート 第26期
「なにもないよ」 「田舎だよ」 そう、聞いていた。 だからこそ、(と言ったら失礼かもしれないけれど) 鳥取と島根が最初の旅の目的地となった。 ただ何となく、《まちづくり》や《地域》に興味があった。 ただ何となく、日本のことを知りたくなった。 ただ何となく、旅に出たかった。 はじめの大きな一歩は「たからさがし。」と名前をつけたこと。 自分たちが知りたいことを、やりたいことを、 カタチにするために…
当番ノート 第26期
先日、劇作家協会主催の「せりふを読んでみよう」というイベントに参加した。 イベントは、とある戯曲の一部を若手俳優が演じ、講師の劇作家が俳優たちにせりふの読み方を指導していくものであった。 言葉の「発語」、そして発せられた「言葉への反応」という一連のやりとりについて深く考えさせられたのと同時に、 言葉をこれほど大事に思ったことはあったであろうかと振り返るきっかけともなった。 これまでの人生で交わした…
当番ノート 第26期
こんにちは、松尾健司と言います。 けん玉をやっています、シンガポールで。 どうしてけん玉なのか、どうしてシンガポールなのか。簡単に言うと、 せっかくシンガポールに交換留学に行くことになったし、自分の得意なけん玉を活かしてやろう! ということです。 けん玉を始めたのは小学1年生の時で、小学4年生で4段を取得しました。もうかれこれ15年やっています。 「けん玉愛がすごいね」と思う方もいらっしゃるかもし…
当番ノート 第26期
92年の同窓会で祖父は「SAY YES」を歌った。正確には歌ったかどうかわからなくて、カラオケの順番が回ってきたときに祖父が「おれはSAY YESを歌うぞ」と言い、大正6年生まれの同窓から「お前、そんな若い曲を歌うのか」とか「なんだその曲は知らないぞ」と反応された、という話を後日聞いただけだ。祖父の家に行った時に口ずさんでいるのを聴いたことは確かにあって、「愛には愛で~、っか」とややおどけた調子だ…
当番ノート 第26期
指先から光がはいってきて もう冷たくなかったとき 手のひらで背中をあたためるような太陽だったとき 冬が終わり春が近づくのを感じた 予感や期待を孕んで膨らむ 木の芽や花のつぼみたち まだ開かないでもう少し と思う間に 一斉にはじける おはようたくさんの歌 おはようたくさんの色 おはようたくさんの光 おはようたくさんの香り さわがしくあふれ出す 美しく柔らかで愛おしい 尊いもの 私はかがやきの前で立…
当番ノート 第26期
いつもの通勤電車に乗る。 異国の言葉が聞こえる。 観光中の外国人だった。 私にとっては日常の当たり前のこの景色を 彼らはどう捉えているのだろうか。 今何を感じているのだろうか。 たからさがし。の私たちが 異国の地に行ったときは その憧れの世界にワクワクが止まらなくて。 何を見てもキラキラ輝いてみえた。 心も満たされた気がした。 けどね、気づいたことがあった。 まあ良く言われることではあるのだけど、…