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do farmers in the dark(17)

Do farmers in the dark

cover

表題:草を持つ人、食べる人、異次元に隠されたエビ天、オマールエビ

 

こんばんは!今回もあいも変わらず、自分の展示のお知らせをしたいだけのいつもの日記みたいな文章になっています。すみません。

まさ

またも休日の事

 

何の努力もせず毎日、毎秒できるだけ気分良く過ごしたかった。どうしたらいいか。楽しいと感じる事柄のレベルをどんどん下げ続けるんだ。そして苦難には立ち向かわず、やむなき小さなストレスはどうでもいいと思い徹底的に無視する。そして退屈な状態を楽しむんだ。どうやって?できる限り平穏な気持ちになりただ楽しいと思えばいいよ。するとどうなるか。ひどくつまらない、ぼんやりした木偶の坊が出来上がる。記憶力も下がるのかな?危機管理はできない。常時ニヤついている。知り合いの顔を見るだけで笑いがこみ上げてくるよ。知り合いの顔を見るという事はかなり楽しい事柄なので。そんな人とはまともな会話は出来ないだろう。その人はひどいものを食い、ひどい住まいにすみ、ひどい身なりで、読みもしない新聞紙や広告を大切にするだろう。そしてその大切な新聞紙や広告をゴミ箱に捨てるだろう。捨てたはずの新聞紙や広告はどうしてなのか必ずゴミ箱の外にあるだろう。そしてその一旦捨てたはずの新聞紙や広告をさらに大切にし、無くし、また見つけ、捨てて。真心や愛情は、全く無くなってしまうだろう。自分の声は自分の声に聞こえなくなるだろう。そのくせかなり上機嫌だ。なんて事だ!この人は天国にでも住んでいるんだろうか!どうやって飯を食っているんだ!どこか、誰かから保護されているんだろうか?安全な閉鎖空間、シェルター内にいるのか?餌を与えられているのか?いつもいつでも誰か、複数の誰か達の世話になり続けている。

 

ある日僕は何かのパーティに可愛らしい女の子と一緒に行った。時刻は夜、帰り道に酔っ払っていたのかその可愛らしい女の子と手をつないで踊りながら、クルクルクルクルと回転しながら坂道を下って行った。かなり楽しかったが、なぜ手をつないでクルクルと回転しているだけなのにこんなに楽しいのか、楽しそうに笑っているのか少し不安だった。どこに向かっているのかは不明だったけど多分可愛らしい女の子は帰り道を知っているのだと思っていた。

クルクル回って坂道を下るうちに、果樹園のような、赤いリンゴの木がたくさん生えている場所に迷い込んでいた。先ほどは夜だったが、空は明るい夕暮れの空になっていた。赤いリンゴと、夕日がかった黄緑の木々が印象的だった。木々の間に細い道があり分かれ道のようになっているところもあった。その時やっと可愛らしい女の子もどこに向かっているか分からず、道に迷っている事を知った。分かれ道の先に影のような人が見えたので、そちらの道を選んでどんどん進んだ。私たちはクルクル回るのをやめていた。どこか別のところに行きたくて、果樹園のようなところの細い道を走った。
少し開けたところに出た。道はまだ続いていたが左側に墓地が見えた。時刻はまだ夕暮れ。さっきは夜だったけど。まだ明るい、黄色とオレンジ色の空と墓地が印象的だった。僕たちは少し高い所におり、その墓地の先は夕暮れの空しか見えなかったので崖な気がした。

しばらく墓地を左側に道をまっすぐ進んでいくとコンクリートの塀が立ちふさがり、行き止まりになっていた。でも都合よく、人が通れそうな穴がコンクリートの塀の下の方に空いていたのでそこを通過しようとしたら、塀の右側に普通に小さな錆びたドアが付いている事に気付いた。そのドアを開けて私たちは塀を通り抜けた。
すると今度は広い広場に出た。何かの跡地のような汚れたコンクリートの地面の広場で、後ろにある先ほど通過したコンクリート塀のようなものが広場のを囲んでいたが、左側にはコンクリート塀が無く、崖になっていた。前方にあるコンクリート塀には、大きな時計があった。大きな時計は何時かの時刻を指していたはずだが、どうせ壊れているだろうと思ってその時計は何となく見ただけで時刻をちゃんと見なかった。この広場をちょっとウロウロしてみたが他には特に何もなさそうだった。
とにかくどこか先に進まないといけなかった。前方の時計のそばに人間が通れそうな暗い穴が空いていた。右側のコンクリートの塀には先ほど通った背後にあるコンクリート塀と同じような錆びたドアが付いていた。塀のない左側、崖になっているところは下へ降りるハシゴが付いていた。これ以上果樹園みたいな森には迷いたくないし、と思ったので、ハシゴで崖の下に行こうと思った。
女の子が先にそのハシゴに足をかけ下っていった。僕も続いてハシゴで下った。そして塀を降りると、大きな緑色の建物が行く手を阻んでいた。なんとハシゴで降りた崖のすぐ1メートル先に大きなグリーンの建物があり、都合よくドアがあった。右手にも左手にも迂回できそうな感じは無くて、そのドアに入るしか無かった。空がチラリと見えたが、昼のような青空だった。女の子が先にドアに入り、私はその後ドアを開け、大きな緑色の建物の中に入った。

中に入ると、そこは病院のような、何かの施設のようなところだった。病室のようなドアが、病院のようにいくつも並び、ただし病院と違うところが、壁や床の色彩が彩度の高いグリーンと灰色で、彩度が高いにも関わらず薄暗かった。狭い通路にドアが等間隔で並んでおり、割と恰幅がよくなおかつ少し前かがみで、目と鼻と口の無い、しかしシワがある顔の人間が数人その通路を歩いていた。往復しているようだった。そしてそれを見張っている看護人的な、同じく目と鼻と口と耳がないがシワはある顔の人が2人ほどいた。なぜ看護人的に感じたかだけど、先ほどの数人はTシャツと、スウェットのズボンを履いていたけど、この2人はもっと職員的な、ナース、または施設職員のような服を着ていたからだ。
とても恐ろしい場所だった。ここにいる全員の思考は0で、意識とかは無いように見え、それなのに動作だけはあった。看護されていると思われる数人の人はただ廊下を往復するという機能のみを有して、それをずっと同じスピードでやっている。看護人的な2人は歩かず、首を左から右へ、右から左へ、ゆっくり動かすという機能のみを有して、ずっと同じスピードで首を動かしている。とても恐ろしかった。ただ人らしきものが規定の速度で規定の運動をずっと永遠にしているんだ。
看護人的な人も、実際に看護しているわけではなく、服装の違いと、左から右へ、右から左へ首を動かす動作が、ただ看護人的なだけだった。
恐ろしさの感じ方の種類としては、昼寝して夕方に目が覚めた時、記憶が混乱しているというかうまく定着しておらず、自分がどのような人間なのか、なぜこの部屋に住んでいるのか、今どのような時代なのか現状把握が出来ない時の恐ろしさの感じに似ていた。
でもこの等間隔で動く人のようなものの光景は、今の自分の思考回路、習慣が辿り着く場所だと思った。今の自分はとんでもなく恐ろしくて寂しいこの場所を積極的に目指してしまっている、精神的な色んな不都合をパスするためにこういうのに憧れているような気分になってたけどこれほど恐ろしいと思わなかった。今の考え方、習慣を改めないといけないと思った。
そういえば女の子の姿が見当たらない。もうこの建物を出たのかなあ。長居するようなところでは無いので、出ているといいのだけど。とにかく私はこの建物を今すぐ出ることにした。女の子がどこにいようと関係無かった。だって、だってそういえば一言も女の子とは会話してなかったのだから。
意外にも出口らしきドアはすぐ目の前にあり、出口を探すまでもなく開けるだけでよかった。そして無事に恐ろしいグリーンの施設を出た。

外は黄土色の大地が広がっており、空は昼の空で晴天だった。黄土色の大地は緩やかな下り坂になっており、遠くに線路と踏切が見えた。さらに線路の向こうにはビル群が見えた。線路は閉じており、赤いランプが点滅し電車が通っていた。女の子は線路の近くにいた。
電車はこの数秒の間に通り過ぎず、結構長い電車なのか、ずっと線路は閉まっており電車はやっぱりとんでも長く長い電車なのかずっと走っていた。もしかして踏切はずっと開かないの??

 

「父ちゃん!起きないとダメですよ!」

 

もうすぐ4才になる娘が、僕を見下ろしていた。夢を見ていたようだ。面白い夢だったなあ。

「アウゥ!おはよう!」

と僕は言った。

「起きないとダメですよ!」

「アイィィ~。ごめんなさいィィ~。眠たいからもうちょい寝させてェェェェ。お願いイィィィィ~」

と言い、僕は目を閉じた。娘が離れていく足音が聞こえた。どうやら僕を起こすのを諦めてくれたようだ。

眠りについた。また夢を見ていた。夢の中で僕は黄金や地位や名声を求めてダンジョンを攻略しようとしていた。ダンジョンはゲームでやるとそこまで怖くは無いけど、実際やるとなるとすんげい怖かった。ゲームでやるよりかなり薄暗かった。とにかく穴があったので死んだ。僕は生き返った。次はもう少しダンジョンを下の階まで進んだが、今度は毒の床を踏んで、緩やかに毒に侵され死んだ。再度生き返りダンジョンに挑戦したが、奇形の怪物がフロアを埋め尽くすほどおったため、とにかく死んだ。
再度生き返り、今度は町の酒場で同じくダンジョンを攻略している人に話を聞き、裏技で一気にダンジョンの最下層あたりまでワープする方法を聞いて実践した。
ダンジョンの最下層はとっても辛かった。穴も、毒も、奇形の怪物もいなかったが、ただ狭かった。少し固めの砂があり、それをスコップで脇にどかすと、床と階段が現れ、先に進めるシステムになっていた。次の階に進むと、先ほどの階よりも少し狭くなっていた。一階降りるに少し狭くなるようだった。同じくスコップで砂をどかして階段を出現させ、何階か下に降りた。すると、ついにスコップを動かすために腕を稼働させるわずかな隙間もない階に来てしまった。僕はぴったりと立方体の部屋にに腰を曲げ挟まっていた。スコップはなんとか持ってきたが、全く腕が動かない。ダンジョンはさらに続きがあるのか、それともここが最終階なのか、黄金はどこにあるのか、何も分からなかった。壁に90Fと書いてあった。とにかく体が動かせないのが非常にストレスで恐ろしかったので、ダンジョンを出ることにした。なんとか体を折り曲げ階段を這って登り前の階に戻った。でもまだすごく狭い。ここからダンジョンを脱出しようとするとまた狭いところを砂にまみれて、体をねじって登っていかなくてはならない。すごく辛かった。しばらく砂にまみれて、狭い部屋で動けなかった。餓死しそうだった。帰り道のワープの方法は知らなかったので、頑張って上の階に登ったとしてもまた毒かなんか奇形の怪物かにやられてしまうだろう。すごく嫌だった。本当に嫌だった。

「父ちゃん!起きないとダメですよ!ご飯を食べるよ!」

娘の声だ。目が覚めた。
「オウぅぅ~。すいませぇぇ~ん。起こしてくれて、ありがとう!」

面白い夢だったなあ。
おいしいおいしいご飯と、それにおいしいおいしいお茶漬けの粉と、甘くて栄養のあるバナナと、それらを食べた。
出かけられるように着替えて、タバコを吸わせてもらい娘と出かけた。晴天、気温は低かったけど、太陽光線が暖かかった。

娘にどこに行きたいか聞くと、
「自転車の公園と、あとその途中にあるブランコの無い公園行きたい」
と言った。自転車や三輪車を貸し出してくれてコースを走れる公園があり、前にも書いたかもしれないが娘はその施設が好きだった。それとその途中に小さな別の公園があった。

僕は
「では自転車の公園に1番最初に行って、次にその隣の鉄棒しか無い公園にいこう。そこで一服させて欲しい。それでその後ブランコの無い公園に行こう。」
と言った。

少し遠いのでバスに乗って行った。バスの中はとても暖かくて、なんか子供達が合唱しているすごくいい歌がかかっていた。より楽しい気分になろうと思ったので僕は音楽に合わせ首を縦に揺らした。横目で娘を見たが、娘は首を縦に揺らしはしてなかった。娘はしっかりと座席に座り、落ち着いた表情で、

「いい歌だねえ」

と言っていた。

娘があそこの道を曲がると思うよとか教えてくれるので、僕はよく知っているねえ。すごいなあなどと言った。とても晴れていた。とってもいい日だなあと思った。そして自転車の公園についた。するとなにやら施設のゲートの鉄柵が閉まっており、張り紙が貼ってあった。

29~3日まで休みです

 

本日は29日だった。やってしまった!でもそうだよなあ。と思いながら、娘の表情を見た。悲しそうな顔をしていた。前もこの場所に来て、時間外で閉まっていた事があった。前も自分は娘を悲しそうな顔にさせた。また、やってしまったんだ。よく調べもせずはるばるバスに乗りやって来てしまった。僕は娘にまた来ようと言った。悲しかったけど、クヨクヨは出来なかった。ここ数年クヨクヨ出来なくなってしまっていたんだ。それとも実は毎日、常時クヨクヨしてるもんだから自分がクヨクヨしてるかどうか分からなくなっているんだろうか。僕はただぼんやりした。
アイスの自販機があった。娘はアイスクリームが食べたいと言っていた。その自販機のアイスは10種類はあったが全部すごく甘いアイスだと言うことを知っていた。
僕は娘に襲いかかる過剰な糖分を恐れて、アイスは買えないと言った。しかし自分は砂糖の入った缶コーヒーを買った。その後鉄棒しかない公園に行き、一服させてもらった。そして今度はブランコの無い公園に行くために、娘と手を繋いで歩いて行った。
ブランコの無い公園に行くために、川べりの歩道を歩いていた。傍には木が並んでいて娘は枝を集めていた。僕はその枝いいねぇ~、その枝いいなぁ〜と言った。とにかくその枝はよかったんだ。

 

とにかく歩いていた。娘は笑っていて、コンクリートや木々、娘、娘の髪、僕に太陽光線が降り注ぎ、素晴らしく良い日だと思ったが、そう思っただけ、ただそう考えただった。それ以上何も無かった。体全身が多幸感に包まれる事も無かった。すごく気持ちよくなってもないし、脳がジンジン、ジワジワする事もなかった。ブルブル震えだす事も無かった。内側から光り輝くエネルギーが発生する事も無かった。
太陽光線が、すばらしくて、すごくいい日だと思う。その先、別の事に考えが持っていけなかった。思考レベルが著しく低かった。他の人はもっと思考レベルの高い事を考えている。太陽光線が素晴らしい事は誰でも1番最初に考える事だ。他の人はその思考を次のステップ、2段階目の思考に持って行っている。どこに行こうかなとか、どんなご飯を食べようか、誰と会いたいとか会いたくないかなど。そのうえどんどん考えを積み上げてさらに3段階、4段階とどんどん組み合わせ複雑な事を考えている。
僕は永遠に1段階目の太陽光線がなんかあったかくて良いというところでストップしていた。
そして道を間違えた。気づけば目的のブランコの無い公園を通り過ぎてしまっていた。
娘に謝り、道を間違えたからちょっと戻ってもいいかと尋ねると、もうお腹が減ったのでご飯が食べたいと言った。
その後レストランに行って帰って寝た。

そんなふうな1日で今文章に書くとひどい行いばかり。そして恐ろしいことになぜか僕は今の今まで、この日はとっても素晴らしく良い日だったと思っていたんだ。

怪

いつもやってしまうんだけど、側面の四角い箱の背後から小さな爪を持つ滑稽な爪付きの怪物が襲ってくる際に、どうしても何もない正面を向き、空気にファイティングポーズを取ってしまう。なのでこの後僕は爪で引っかかれる。後、ズボン履いてなかったので、ズボンは履いてればよかった。

 

鱗粉

気味の悪い鱗粉を撒くモビールを買って部屋に飾って、早速その下に入って、鱗粉を浴びる事について

 

1月6日より展示をします。もし良かったらよろしくお願いします!

展示1

展示2

地図

【展示期間】
2020年1月6日~1月31日 ※土、日、祝定休日

営業時間   12:00~24:00

●最終日31日19時~クロージングパーティをやります。ほんとに誰でもお越し下さい●

★飲食店のためワンオーダーお願いします★

【場所】アートスナック 番狂せ

〒160-0007

東京都新宿区荒木町3 ソシアルアラキビル1

月曜~金曜 12:00~24:00(土日祝定休)

東京メトロ丸ノ内線 四谷三丁目(4番出口)徒歩5分

お店の詳しい情報は、こちらもご覧ください。ツイッターアカウント→@snack_bankuru

【在廊日】期間中毎週火曜、木曜の19時からと、最終日31日の19時から

木澤 洋一

木澤 洋一

ふと思いついた事や気持ちいい事や、昼間に倒れてしまいたいような気持ちを絵にしています。

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