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Do farmers in the dark(31)

Do farmers in the dark

トゲトゲシティを歩く(針の下は安全)

今回は展示の告知になってしまってすみません。8月2日(火)〜8月7日(日)にキチジョウジギャラリーにて展示をします。もし良かったら是非!詳細です↓

木澤洋一作品展
トゲトゲシティを歩く(針の下は安全)

日時:8/2(火)〜8/7(日)
11:00-19:00 ※最終日17:00まで

場所:キチジョウジギャラリー
〒181-0001 東京都三鷹市井の頭3-32-16
セブンスターマンション105

JR中央線/吉祥寺駅徒歩9分 京王井の頭線/井の頭公園駅徒歩1分

最近は親知らずを抜いてもらったり虫歯を削ってもらったりで歯医者によく行っています。ではよろしくお願いします!

*以前から自分の文章の中で、同じ話の中で私と僕という2つの代名詞が使われているのですが、どちらも自分自身の事で、私か僕どっちで書いた方がいいのか迷っているのでどっちも使ってしまっています

アルバイトをしたい

何年も前、当時私はアルバイトをしたかった。前のアルバイト先が2つも無くなったからだ。

何故か雇ってくれるところが無かった。なぜだろう。黒いTシャツを着ていたからだろうか。痩せていたからだろうか。頭を短く刈り込んでおり、あろうことか黒縁のメガネをかけ、何の変哲もないジーンズを履くという、なかば変態的なファッションをしていた。そのせいで採用担当にことごとく不審がられたと思う。ちなみに今現在も何の変哲もないジーンズを毎日履くという変態的なファッションを続けている。

今思えば、もっと筋肉があり、白いTシャツかワイシャツを着ていれば採用してくれていたと思うよ。

そして求人誌に目を通していると、豆腐の引き売りのアルバイトがとてもいいなと思った。時給が高かったし、豆腐をたくさん売ればもっと時給が上がるからだ。僕は心意気さえあれば豆腐を破茶滅茶にたくさん売ることができるはずだ筈だと思っていた。

さてこれからアルバイト応募の電話をするというところで私は過大なストレスによって一旦タウンペー○のページの角に折り目をつけ、昼寝を翌朝までした後、意を決して電話をかけ、働かせて欲しい旨を伝えた(多くの人と同様、私は以前から人と話すのが苦手なんだ。シャイだし、私の心は非常にちっぽけなジャージ素材のポッケのようだからな。驚いた事にすでにこの時私の年齢は20を超えていた。仕方ない、幼い頃から家族といるか1人で歩いているか自転車を漕いでいる時間が多かったから、話す事や共有する事に慣れてないんだよ。今からでもいつも誰かとしゃべっていればあっという間に電話かけるくらいは問題では無くなるだろう。ただそれを今まで何年もしてないだけだ。)

そして履歴書を持参し、築地のとある雑居ビルに来て欲しいという事を伝えられた。

無事面接に遅れずに行く事が出来て私は勧められるがまま、僕を面接するある一人の中年男性の向かいの椅子に座っていた。ある一人の中年男性はメガネを掛け白髪でおおよそケンタッ○ーフライドチキンの○ーネルサンダースとおおよそ同じサイズの体つきだった。

中年男性は簡単に業務内容を説明してくれ、いくつか私に確認してくれた。

「朝が早い仕事だけど遅れずに来れそう?」

と中年男性は言った。僕は

「頑張って早起きしまス!」

と言った。

「豆腐を売るのは大変体力がいるし、道も覚えないといけないけど出来そう?」

と中年男性は言う。僕はニヤリとして

「大丈夫デス。僕ならきっと売れますネ。」

と言った。

そして、中年男性はどこから出して来たのかおもむろにパックに入っていた気がする豆腐を出し、どこからか出してきた包丁で(その包丁は細長い高そうな包丁だった気もするし、プラスチックの包丁だったような気もする)半分に切って小皿に乗せ、いつのまにか箸も用意され、中年男性の手によって中年男性と私の目の前に半切れの豆腐が置かれた。どこから豆腐や包丁が出てきたのか不思議とても不思議だった。その部屋にはテーブルと椅子以外何もないような印象だったが、部屋の隅に冷蔵庫があったような、無かったような気がする。

「豆腐を食べてみよう。」

と中年男性は言った。僕と中年男性は半切れの豆腐を食べた。

「おいしいかな?」

と中年男性。僕は「う~ん…なんだか味が濃い気がして…なかなかとても…うまいっス」

「とても滑らかですねぇ…」

と言った。その豆腐は他の豆腐より僅かに滑らかで、他の豆腐より僅かに味が濃く、とてもウマかった。その時私はお腹がペコペコだったので、豆腐を半切れではなく一丁食べたかったなあと思っていた。

その後、今日はありがとうございましたとの事で、私は一生懸命に豆腐を売るのでよろしくお願いします!と言いその場を去った。

面接の結果は不採用だった。どうしてなのか結果を連絡してくれたある一人の女性に聞いたが、教える事が出来ないと言われた。そういうものなのかな、何かのマナー的な何かで答える事が出来ないのかなと思って私はそれ以上聞けなかった。今思えば、未だになぜ、豆腐をあえて引いて売るのかよく分かっていないような人間が豆腐を売らなくて本当に良かったと思う。その時時刻は夕暮れで家の近くの踏切の前にいた。

その後その土地で、アルバイトの採用、不採用の電話を受ける際はいつも踏切の前で電話を受けていたような気がする。

その後もあまり雇ってくれるところが無かったが、ついにある警備会社が私を雇ってくれ、交通誘導のアルバイトができる事になった。

そこは優しい男性ばかりの職場、そこでは青空をよく見ており、よくオーライと言って、缶コーヒーを良くおごってもらい、私の名前で携帯か何かの契約をして欲しいと難易度の高い事を言った先輩は貸したお金を少し多めに返してくれたり、真面目な人は私に腹を立て私のそばの三角コーンを派手に蹴り飛ばした後にやはり缶コーヒーをおごってくれたり、あるおじいさんは若いからもっと違う仕事しないとダメだよと言ってくれたりした。

その後また別の仕事を当時世話になってばかりいた友達に紹介してもらって、とてもいい仕事だったので何年も何年もそこにいて、エアコンが効いていて建物の中だったので記憶のひっかかりが無いままに、すごく早く時間が過ぎてしまった。

草が少しある場所

また夢の話

この世界では、神は全身良くしなる刃物のような虫のような存在であり、ふと座敷の奥の押し入れに現れたりする。この日も新生児のいる夫婦の座敷に現れたんだ。そしてそこに居合わせた大馬鹿者の客人はそれつまり神を退治しようとし、よく神を知る夫人の静止をはらいのけ小型ハンディミサイルを放った。その客人は神の良くしなる刃物で切り刻まれ絶命。座敷はボロボロになっている。その客人が未だ切り刻まれている間、素早く座敷を抜けて夫婦は家の裏に逃げた。

すると夫婦はある事に気づく。

客人を切り刻んだはずみで新生児の右手首も切られており、新生児の右手は無く、どこかにいってしまっていた。

婦人の旦那は非常にうろたえた様子で大丈夫か?と婦人に問うと、婦人は大丈夫だと。この世界では子供が神に斬られてどちらかの手を無くす事なんて良くある事で、手だけで済んで良かったと。そして厚手の布を新生児の手首に巻き付け縛った。旦那も、そうだね、本当に手だけで済んで良かったと言った。

旦那も婦人も手はあるし五体満足だった。そのことから旦那はほんの一瞬、この世界とこの世界に住む自分達自身についてとても不可解に思った。なんで私たちの手は今の今まで切り落とされて無かったのか。その次の瞬間には旦那はまた婦人に、ほんとに大事に至らなくて、手だけで良かったと言った。

そしてすぐそこにいる神と婦人は交渉をする。その交渉方法については旦那は良く分からない。婦人はどう神に要求を伝えるのだろう。あまり神の事を考えた事が無かったから分からない。どうかお許しください、危害を加えないで下さいと婦人は旦那にはよく分からない計り知れない方法で神に伝えた。願いは叶ったようで、神はまた座敷の奥の押し入れにすっぽりはまって微動だにしなくなった。そして夫婦は押入れを閉める。また後日押入れを開けると神はそこにいるかもしれないし、いないかもしれない。

そして場面は変わり、何かとてもでかい綺麗なハイテクの建造物の中に旦那はいた。ゴールドを基調にしたピカピカで流線系のデザインでとても広く、さまざまな機械の回路が素晴らしいデザインで張り巡らされていた。そしてそこでは先程のいわゆる神、を絶滅させるべく、兵器の開発などが行われていた。旦那はそこで働いているようだ。旦那はその光景を見てとても不安に思う。なぜ不安に思ったのかというと、神を絶滅させようと目論むその仕事仲間のノリが全体的に軽すぎるからだ。綺麗な流線系の建造物、ゴールドの色調、回路が恐ろしく、神も恐ろしいが神を絶滅させるのも怖かった。自分がここで働いているのが怖かった。仕事仲間の軽いノリが怖かった。とにかく今も神がいるかもしれない押入れのある早く座敷、子供が生まれる前に戻りたいと思った。

ヒィ〜恐ろしい神様の夢だったと思い目が覚める。怖い神とゴールドの回路の話だったなあと思った。そして虎とライオンなど恐ろしい野生動物がなんでこの夢に出てこないのかも気になった。

桃園(ひどく悲しい)
おはよう
木澤 洋一

木澤 洋一

ふと思いついた事や気持ちいい事や、昼間に倒れてしまいたいような気持ちを絵にしています。

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