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Do farmers in the dark(44)

Do farmers in the dark

尖り山の前で額こすり

今回の投稿では、一人称の俺(オレ)を積極的に使ってみました。現実の日々でも不屈の意志で俺(オレ)という一人称を起きてから寝るまで「俺、俺、俺、俺、俺….」と、正確に小刻みに使っていきたいのですが、モジモジしているので出来ません。こんなにモジモジしている自分が、俺という一人称を使うのはなんだか恥ずかしいのです。不屈の意志を持った事も無いです。

どうしてモジモジしているかというと、ありとあらゆる事に自信が持てないのです。

しかしありとあらゆる事に自信が持てないことで困る事が無いので、自信を持とうとは思えないのです。そんなふうなのでいつもモジモジしているのですが、モジモジしていても困ることが無いので、モジモジしない事が出来ないのです。

そんなこんなで、モジモジに相対する人、人々の気持ちや気苦労や迷惑などお構いなしに、自分勝手に日がな一日、年がら年中、四季うらうらモジモジモジモジクネクネくねくねしているのですが、とにかく俺という一人称に、俺は憧れがあります!!!!

(ごめんなさい書いている内容はいつもと同じで塩がうまいとか今まで何回も書いている事をまた書いています。)

俺のモグモグ生活と、砂利ジャリ砂利ジャリ

俺はマクドナルドのフライドポテトが大好きだ。と同時に、俺は歩くのも大好きだ。だから、歩きながらフライドポテトをよくモグモグしているよ。とても贅沢で最高な時間だ。

俺はフライドポテトを紙袋に隠す。そしてその紙袋をさらにビニール袋で隠す。なるべくフライドポテト丸出しにしたくないんだ。オレは常に人目を気にしている。

どうして俺は人目を気にするのか。人は人の事を見まくっているからだよ。誰もお前さんの事を見ていない、そんなはずは無い。思った以上に、思った以上に誰もが誰かを見ている。オレがお前さんを見ている。お前さんがオレを見ている。街中の人にお前さんはコンマ数秒見られているしお前さんも街中の人をコンマ数秒見る事がある。誰もが知っているように人間は風景の中で真っ先に人間に注目するように頭にプログラム的な何かを仕込まれている。

そしてなりよりも、俺は人目をちゃんと気にしてる人間だということを、殊更にアピールしたいんだ。

そういう事なので、俺は人目を気にして、またはいかにも人目を気にしているふうに見えるよう、フライドポテトがなるべく見えないようにそっとビニール袋に入った紙袋に手を入れ、視線は真っ直ぐ前を向いたまま、ガサゴソ、モグモグ、テクテクしているよ。

俺を見たすれ違う人達は、袋に手を突っ込んでいると思うか、マクドナルドの袋に手を突っ込んでいると思うか、今ポテト齧ったと思うか、あれは十中八九フライドポテトを食べているな、と思うか、何かモグモグしている人がる、とかそんな事を思うだろう。しかしその行いの全貌を見る通行人はいない。俺がフライドポテトを丸出しにしてないからな。口に運ぶその瞬間にも手のひらでポテトを丸出しにしないようにしているから。

なんて言っていいのか、とにかくフライドポテトの塩味(えんみ)がやばい。湿潤なポテト内部の、ポテトの柔らかさがやばい。ポテトの程よい糖分が、脂のコクがやばい、甘味が塩味(しおあじ)を引き立て、塩味(しおあじ)がまた甘味を引き立てる、まるで果てしなき快楽の迷宮に見せかけた虹色の蟻地獄に迷い込んだようなその主に塩味(しおあじ)、に俺の無数の味蕾は今にも弾け散りそうに喜ぶし、あとその情報を受け取った脳のどこかしらの領域は黄金色の光を纏いキラキラのエフェクトを出す。

とにかく、塩がうまいと思う。塩はとんでもなくうまいと思う。俺の腎臓に不当な仕事を与えないように過剰摂取だけは重々気をつけないとなんだけど塩は本当にうまい。モグモグが、止まらないんだ。袋からポテトを取り出すスピードがどんどん早くなる。俺は今やもう、ポテトを紙袋からこっそり出したり隠したりせず、晴れた夕暮れの少し暗い青空の下のよくある街なかのコンクリートの歩道の上で、フライドポテト丸出しにしてモグモグしていた。そして歩いてもいた。俺はポテトLサイズを持っている俺自身を誇りに思った。湿ったフライドポテトを持っている事が、たくさん食べたけれどもLサイズだからまだ半分くらいポテトが残っている事がとても誇らしかった。

するといったい全体何が起こったのか突然、口の中でジャリジャリ、ジャリジャリ!と砂利の音がした。味も、砂利の味がする。

俺は小学生の頃に時折り小学校のグラウンドに砂利を食わされていた事を思い出した。グラウンドは事あるごとによく俺の口に上手に砂利を運んでくれたんだ。だから砂利の味は良く知っていたよ。わずかな藻のような薫香の他には特徴も無くかなり淡白な味だな。

しかしそれは砂利では無かった。それは俺の歯だった。俺の歯の一部が欠けて、俺は俺の歯を食っていたんだよ。つまり俺の歯は、俺の歯を噛み砕いていたんだ。その味は砂利と殆ど同じ、藻のような薫香がほのかに感じられる淡白な味だった。しかし欠けた歯は、砂利よりはいくぶん柔らかかったんだ。

歯が欠ける事、または歯が抜ける事、そしてその歯を食う事は誰にだって時折ある事だ。落ち込む必要はない。みんながみんなきっと何年かに一回はアッ私今歯を食べちゃったぁ、という具合に欠けた歯や抜けた歯を食ってるよ。落ち込む必要無いんだ。

そして俺はまたフライドポテトを食べ始め歩き始めたと思った瞬間、ふと、焼肉のあまりにも美味そうな煙の匂いが漂っていた。焼肉がものすごく食べたいけど、今日は我慢したよ。贅沢だもんね。俺の体は焼肉がもたらす強力無比なエネルギーを絶対に絶対に無駄にするだろう。そのあと俺は家に帰り、茹でたトウモロコシをとってもおいしくいただきました。

ちくわ状のちくわか何かが頭にセットされているけれども、その重みで後ろに倒れそうだけども、いつも私の背後にいてくれる得体の知れない妖精の体が支えてくれるから大丈夫で、得体の知れない妖精の顔はどこにあるのかというと星のような形をしていていつも私の前方で微笑んでくれていて、でもやっぱりしかしながらどうしても稲穂と、稲穂めいた髪型をして猫背で素早く動く人がうらやましくて頭に浮かぶよ。

ここ何年かの俺

ここ何年かの俺はあまりに都合が良い事が起こりすぎていて心配になるレベルだよ。

気づくと俺のアパートの下に自販機が出来ていて、いつでもジュース・コーヒー・むぎ茶、が買えるようになっていたし、気づくと至る所に便座が設置されており俺がいつお腹を壊してもギリギリ間一髪、すんでのところで間に合う状況になっていたし、であまりに都合が良すぎるんだよ。

この前なんて酷かったよ。俺は娘とショッピングをしていたのだが、娘は歩き疲れていた様子だったんだ。そして天気も良く、暑かった。娘には悪いが、率直に言って俺の娘は、とてもソフトクリームを食べたそうに見えた。そのような目で娘の事を見る事は失礼だろうか。失礼だろうな。しかし俺もとてもソフトクリームが食べたかったんだよ。暑くてヘトヘトな気もするし、暑くてもヘトヘトでないような気もした。最近俺は俺が疲れているのかどうかがよく分からない。実際疲れる事はしてないからだ。それはいい事なのか悪い事なのかも分からない。実のところソフトクリームを食べたい気もするし、食べたく無い気もした。でもソフトクリームは冷たくて、美味しいし甘いだろうから、俺は自分がソフトクリームを食べたいと思う事に決め実際に食べたいと強く思ったんだ。すると都合良く前方斜め右にマクドナルドがあり、何故か俺はクレジットカードを持っており、なぜかそのクレジットカードは限度額を超えておらず、なぜか娘はタッチパネルの操作に長けており操作をしてくれ気付いた時には俺はクレジットカードを差し込むだけで良く、番号もすぐ呼ばれるわ席も3階の角が空いているわであれよあれよと事が進み、俺と娘はいつのまにかソフトクリームをペロペロ舐めている。と言う事があったんだ。都合が良すぎる。

そしてどういうわけか俺の足は都合良く俺を必要な場所に運んでくれていた。家、会社、家、会社、公園、喫煙所などへ。

俺は俺の住む世界をユートピアか、ユートピアに見せかけた巧みに偽装された終末世界だと思ったね。何もかもが都合がいい。ふと、俺は、俺自身は人々にとって都合の良い存在になれているか、または人々が都合の良い世界を作り上げる活動に参加できているか気になった。俺は世界を都合良くする事になにも参加していなかった。何かそれをやる事はあまりに自分にとって危険な事が起こる気がしているからだ。俺は人様に対して都合の悪い事をしていた。都合の悪い発言、都合の悪い行いばかりしている。それについて俺はいつもやっちまったと思い目に少し涙を溜めて、言葉にならない小さな奇声つまりうめき声、をあげ、俺はなんてダメなやつなんだと思いながら、タバコを吸いコーヒーを飲みうまいご飯を大盛りで頂き、あろう事かビールもスルスル飲んだ。タバコを吸う機会を逃さなかったしコーヒーを飲む機会を逃さなかったしご飯を頂く機会を逃さなかったし、ご飯をおかわりする機会を逃さなかったしご飯を大盛りにする機会を逃さなかったしお酒を飲むタイミングを逃さなかった。あろう事かご飯のみでは飽き足らず、パンまで食べていた。

…どうにかして都合のいい人になりたい。都合の悪い人間にはなりたく無い。しかし俺をよく知っている人間だったらこう言うだろうね。そんな事言う前にすぐにやれと。急に縦揺れもしくは縦揺れの踊りをするのをやめろ事あるごとに奇声を発するなトイレを洗い食器を洗いご飯を作り洗濯をして歯磨きをちゃんとして口臭をおさえて手を洗って飲み切ったペットボトルを冷蔵庫に入れるなとにもかくにも今すぐパンツ履けと。

ごめんね。やる気はあるんだよ。やる気はある。それらを心から絶対にやりたいと思っている。やる気はあるんだ。明日から絶対にやるよ。

えぐれて無い頭部を抱えているえぐれ面のロボにあいさつするリュックを背負った人、たんぽぽの綿毛

心は絶対に壊れない

どことなくセンチメンタルな事を言ってしまうのだけど、日常生活において心は絶対に壊れないし、痛いとかもないし、傷がつくこともないです。まるで漂う水のようで、空に舞う粒子か空そのものであるかのようです。

すると心がどこにあるのか分からなくなります。自分の声が他人の声に聞こえます。自分の声が動物の声に聞こえます。

心を固定化させるのは様々なものから様々な方法で与えられる肉体的なストレス、肉体的な痛みなどです。自分の声がはっきりと自分の声に聞こえます。

そのような時、漂っていた心はありありと姿を表し物体的になり傷ついたりひびが入ったりします。あるいはすごく感動したりします。

心を固定化させるのは他者への信頼や信用や世界つまり置かれている環境そのものに対する信用です。

他者や環境、または言葉を信用や信頼してなければ、なんらかへの信心が無ければ憎しみを持つ事ですら全く難しくなります。でも愛は持てると思うよ。信用を前提としない方がれっきとした愛になると思う。愛はまるで役立たずの利益にならない存在を無条件に大事にする事だから。

と思うのだけど、やっぱり心って何?と感じるのは俺が空気読めないからだろうね。みんなが心という概念を使ってうまいこと色々説明してくれてるのに心って何と今さら言い出し、心について語る事が既に空気読めてないよ。空気読みたい!

小学生の頃いたなあそんなやつ…既知の言葉や下ネタにいちいちもしもし、はてさてと同級生に問い合わせするやつ…その全てその集合体が俺だ。その集合体が、俺なんですよ。

その集合体である事に強い自負を感じているからまた言うのだけど、心は単なる漢字だよ。単語だ。言葉や漢字や実態のない概念に対して、楽しむならいいけど、良くしたり改善を促すならいいけど楽しまない方向に改善しない方向に反応したり人が作った言葉や概念をもとに考えを進めてしまうと日々を棒に振ってしまう事がよくあるよね。

とにもかくにも俺は今だに、今でもなお、今さら、俺たちは正確にいえば住所不明出自不明の上も下も右も左も分からないミステリアス極まりない存在であると言う事を心に刻みながら生活しているよ。あぁまた心という曖昧な言葉を使ってしまった。脳の呼び出し可能な記憶領域にタグ付けして保存したと言わなくてはならないのに。ちくしょう説明がすごく面倒だ!!

心はどこにあるの?

木澤 洋一

木澤 洋一

ふと思いついた事や気持ちいい事や、昼間に倒れてしまいたいような気持ちを絵にしています。

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