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3F/長期滞在者&more

「バンドが夢に向かって闘志を燃やしていく姿」【アルルカン「世界の終わりと夜明け前」(2021年8月25日リリース)】

長期滞在者

20代でラジオDJとしてデビューしてから、いわゆるプロフィール写真というものを撮ってきている。
オーディションやラジオのタイムテーブルなど仕事で使うための写真だが、基本的には、シャツなどを着用した正面から上半身だけを撮影した写真を多く使用している。

2021年10月に久しぶりにこのプロフィール写真を撮影したときに、
最近、私がモノクロ写真の撮影をよくしていることを話すと、ヘアメイクさんからのアイディアで「モノクロの武村貴世子も撮ってみてはどうだろうか?」という提案をいただいた。

20代のときに「あなたの戦闘服はジーンズだよね」と言われたときから、
ここぞというときこそ、ジーンズにTシャツ、スニーカーを選ぶ。
特にラジオの現場や、ロックバンドの取材などは、そのスタイルで挑むことが多い。

ジーンズスタイルの自分の写真を見ていると、
これから私が全力で挑むことになる場面が増えていく予感がした。

2021年11月14日
Zepp Hanedaでアルルカン Presents 「束の世界-SONOSAKAI-」が開催された。

このイベントは発表された瞬間から胸が高鳴った。
私のアパートメントの連載でも今年曲をピックアップしている、lynch.vistlipと常日頃から応援しているバンドがいることはもちろん、DEAERT、RAZOR、キズと現在のヴィジュアル系バンドシーンでは欠かせないバンドが揃っている。何より、主催のアルルカンが今年8月25日にリリースしたシングル「世界の終わりと夜明け前」が好きだったので、まだ一度もライブで聴けていなかったこの曲をこのイベントで聴きたいと強く思った。

そして、このイベントの情報解禁と共に、+1ACTとして、公募でもう1バンドが出演できることが発表された。これに手を挙げたのが、今年の7月の記事で紹介した、私今年が最も夢中になっているバンド、nuriéだった。もしも彼らの出演が決まれば、私にとってはたまらないイベントになるなと思っていたら、nuriéに決まった。アルルカンのメンバーによる、YouTubeでの生配信でどのバンドに決定するかを見守っていた私は、nuriéの決定が告げられた瞬間、こんなことがあるのか! とまさに飛び上がるほど嬉しかった。これが現実なのかと信じられなくて、しばらく興奮のまま部屋の中をぐるぐる回ってしまったほどだった。

当日は、初めて行くライブハウス、Zepp Haneda。
ライブ好きにとって、まだ行ったことがないライブハウスに初めて行くだけでもわくわくする。
ちなみにこの日は、イベントがあまりにも楽しみすぎて、そわそわして電車を乗り間違えた。
そんな自分も久しぶりすぎて、思わず自分で笑ってしまった。

そして、迎えた開演は、1発目がまさかのlynch.。
このアパートメントで最初にlynch.について書いたときに紹介した「EVOKE」から始まり、攻めたてるように曲が続く中、最後の曲が現在のところ彼らの最新アルバムとなる『ULTIMA』のクロージングチューン「EUREKA」。一気に会場をワンマンライブのツアーファイナルのような雰囲気に持っていったところはさすがだった。

つづいてステージに登場したのがnuriéだった。
持ち時間10分という短い時間の中で1曲目に選んだのは、彼らのライブのラストに演奏されることが多い「透明に混ざる。」。この曲から勝負しようと決めたメンバーの意気込みが伝わってくる。

+1ACTの募集にあたり、アルルカンのヴォーカル暁がアルルカンの公式サイトでこう綴っていた。
「ほんの少しのキッカケがバンドの風向きを変えたり
僕自身一つ一つのキッカケに喰らい付いて今ここに居るという心当たりから
出演バンドを一組、募集したいと思います。」

nuriéのヴォーカル、大角龍太郎はステージで「運命を変えに来た」と声で発した。
まさに主催バンドのフロントマンの思いをしっかり受け止めての、何がなんでもこのチャンスに喰らい付くという熱量が感じられた。1曲目に続いて演奏された「生き継ぎ」では、その激情を叩きつけ、リハーサルなしの一発勝負で見事なまでのライブを完遂した。

こうなると、彼らの運命を変えるチャンスを生み出してくれた、アルルカンが今日このステージでどんなライブをするかが楽しみでならなかったのだが、最初から最後まで、理性が吹っ飛ぶようなボルテージの高さにやられた。

その最骨頂となったのが「世界の終わりと夜明け前」の演奏時だった。
曲の演奏の中で「5年以内に武道館に立つことを決めました」という高らかな宣言があった。
震えた。
多くのライブやイベント、フェスが新型コロナウイルスの影響であっという間に延期や中止に追い込まれてしまう日々の中で、彼らは6バンドを招き、自らのアクトを含め、合計7バンドのライブを無事に遂行する主催をした。それがどれだけの覚悟で大変な日々だったか。彼らが立ち上がらなかったら、バンド同士のバチバチのライブ合戦も、これからの未来を切り拓いていく新しいバンドへのチャンスも生まれなかった。
そして、アルルカン自らも、ワンマンライブではなく、このシーンでの重要バンドが集まる中で、今後目指す先を言葉にした姿に、今の彼らの尋常ならぬ生き様を感じずにはいられなかった。

バンドたちのライブを観ていて、身体中に火がついたような興奮と抑えきれない衝動がきたのは、本当に久しぶりの感覚だった。

「いつまでも いつまでも
眩し過ぎる 世界で
いつまでも いつまでも
消えてしまわないように」

それは本当に眩しい世界だった。
同時に、新型コロナウイルスのパンデミックであまりにも多くの思いや夢がかき消されてしまった現実があるからこそ、今日の日のような、人の生きる力が生み出す音楽や胸の高鳴り、そして未来への希望が消えてしまわないことを祈らずにはいられなかった。

「輝きだす 希望の光」

2021年11月14日に輝き出した希望の光は、これからどんな世界を作り上げていくのだろうか。
その世界で、私はどんな表情で生きているだろうか。

この愛しき音楽の世界で出会った人たちと共に、
今よりもさらに「最高だ」と思える瞬間を迎えられる日を必ず現実にする。

私の中にもそんな闘志が生まれた一日となった。
やはり、音楽が生み出す力は偉大だ。

【ラジオDJ武村貴世子の曲紹介】(“♪イントロ〜11秒”に乗せて)
Zepp Hanedaにて6バンドを集めての主催イベントを大成功させたアルルカン。
この曲では、日本武道館に立つ決意を宣言。
バンドが夢に向かって闘志を燃やしていく姿に震えが止まらない圧巻のステージでした。

アルルカン「世界の終わりと夜明け前」

武村貴世子

武村貴世子

ラジオDJ、MC、ライター。
これまで、FM802、Fm yokohama、FM-FUJIなどで番組を担当。

ラジオ番組、イベント司会、トーク&アナウンス講師はもちろん、
朗読と音楽のコラボレーションライブも展開中。

国連UNHCR協会広報委員として、
難民支援を始め、世界や社会への関心が深く、社会貢献活動にも積極的に取り組む。

また、タロット・リーディングの学びも深め、
フリーランスでその活動の幅を広げ続けている。

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