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3F/長期滞在者&more

家日記 2021年1月

長期滞在者

年明け。

どこにも行けないという制約のなかでも、はじめて体験できることが幾つかあった。お雑煮を作ったり、お屠蘇を飲んだり。

我慢の日々だけれど、辛いとこぼすだけにはなりたくない。
昨年の1月の家日記を読み返したら、今と変わらず、側にいる人たちに助けられていたんだと気づく。一層、この場所を大切にしたいと思う。

1月1日(金)
元旦。朝起きて、お雑煮を作る。実家のお雑煮には人参、大根、銀杏、お餅、三つ葉が入っていて、味付けは鰹だし。

今井君と昴君三人で、お雑煮を食べる。こんなふうにこの家でお雑煮を食べながら元旦を過ごすのは初めて。

1月2日(土)
今井君はひとり地方へ。純君は南から帰ってきた。今年は誰も実家に帰らず、不思議だ。

1月3日(日)
れいちゃんが恋人の実家から帰ってきた。楽しめたようで何より。そして明日から仕事初めだという純君は、早速夜遅く帰ることになるかもしれないとのこと。新年早々大変そうだ…。

1月4日(月)
本屋へ。本屋に行くと、特に買うものがなくてもほっとする。

夜に、お屠蘇をみんなで飲んだ。実はお屠蘇を飲むのは初めて。

1月5日(火)
今週の木曜は出社するのか、しないのか。ニュースを見ながらも、そういえば何があっても出社しないといけない用事があったのを思い出す。

1月6日(水)
珍しく全員が居間に揃う夜。昴君の実家が送ってくれたりんごをたくさん剥いて食べる。感染症のニュースで落ち着かない日々。家は安心して過ごせる場所にしたい。

れいちゃんが頭皮をマッサージするグッズを買っていて、今井くんもシャンプーを変えようかななんて話している。私も過労気味のときに髪の毛が細くなったりしわしわになったりしたので、ゆっくり寝て、しっかり栄養とるんだよ……と老婆心ながら伝える。

1月7日(木)
出社。通勤電車の混み具合は変わらないように見える。

1月8日(金)
今井くんの部屋から「だからダウンロードしたら云々」とずっと声が聞こえてくる。どうやらお父さんが新しいパソコンをセットアップしているのを電話でサポートしているらしい。今井くん、本当に両親思いで、私はすごいなあと思う。れいちゃんも偉いなあと頷いている。

1月9日(土)
ブレーカーが落ちて家が真っ暗闇に。この家は油断するとブレーカーが落ちる。住人も慣れてきているので、「きっとエアコンを2台同時につけたからかな…」と原因の推測も早い。

1月10日(日)
私の実家は横浜なのだけれど、市が成人式をやるというニュースを見て気持ちが沈んでしまう。両親は大丈夫だろうか。もう1年近く会えていない。

1月11日(月)
髪を切る。美容師の人と世間話するのは良い息抜き。そういえば人間関係もコロナになってから大して広がっていない。オリンピック本当にやるのかな?難しいよね、と言い合う。

1月12日(火)
凍えるような気温、悪天候。今がチャンスだと思い、深大寺へ。境内は片手で数えられるほどしか参拝客がいなかったので、一安心。厄年の張り紙を見て、ふと前厄であることに気づく。

1月13日(水)
昨日、今日と年末働いた分の振替休日だった。休みの終わりにカレーを作る。せっかくなのでお米はバスマティライスで。バスマティライスは1人あたり100gくらいかな、と思って炊いてしまうとやや多かった。

1月14日(木)
連休明けの仕事。昨日に続きカレー風味のものが食べたくなって、買ってきた肉やら野菜にカレーパウダーをかけてカレースープにする。寒いとき、疲れたときのスパイスは体にぐんとしみこむ。

1月15日(金)
れいちゃんが今の職場のコロナ対策に不安を感じるらしい。話を聞いてみると、手洗いだったり消毒だったり、詰めが甘い様子が伝わってくる。早く安心して仕事できる環境になるといいのだが……。昴君も今井くんも、中小企業ってそういうところが多いのかなとため息をついている。

1月16日(土)
サウナに行ってきたという純君。さっぱりした様子で何より。どうやら上野近辺のサウナを巡っているらしい。

1月17日(日)
れいちゃんの仕事の悩みが良い方向に向かいそうと聞いて安堵する。仕事のストレスは少ないに越したことはない。自分だけでなく、この家で苦労してきた人たちのことを思い出してつくづくそう思う。

1月18日(月)
昴君の作ったさばカレーの匂いが家を満たす。なぜ誰かがカレーを食べていると自分も食べたくなってしまうのか…。

1月19日(火)
注文していたみかん10kgが届いた。美味しい!みんなでたくさん食べようと声をかける。さっそく一つ食べたら美味しくて、もう一つおかわりする。

1月20日(水)
調子が出ないという今井くん。本当ならこういうとき、旅に出て新しい景色を見て、美味しいものを食べるとリフレッシュできるのにな。私はみかんを勧めることしかできない。

1月21日(木)
みかんが届いてから一日に最低2個は食べるようになった。

20時過ぎに仕事が終わった純君、店が閉まっているのでコンビニで夕食を調達。夜遅くまで仕事している人は家に帰るまで何も食べられない生活はかなり問題だと思う。

1月22日(金)
近所のコンビニで店員が感染症にかかり一時閉店していた、と今井くんから知らされる。無事であってほしい。

1月23日(土)
れいちゃん、めずらしくこたつで寝落ちしているので声をかける。そういえば純君はもう随分と寝落ちしなくなったな。

1月24日(日)
近所のケーキ屋が授業員に陽性者がいたとのことで一時閉店していた。物理的にすぐそこにまで迫っている。

1月25日(月)
めずらしく一日中寝込んでしまう。熱はないし、味覚や嗅覚の異常もないのだけれど、念の為部屋でひとりごはんを食べ、接触を避ける。

1月26日(火)
体調がマシになったので仕事復帰。純君は夜遅くに帰ってきた気配。お疲れ様です……。

1月27日(水)
倦怠感があるので病院に行ったら防護服で診られて驚く。どうやら熱がなくても倦怠感や頭痛のある人は疑ってかかるらしい。一応薬をもらって、治らなかったら検査を受けるよう言われる。ううむ…。

先日買った10kgのみかんがだいぶ少なくなってきた。食後に2個食べていると、昴君は3個食べていた。

1月28日(木)
体はもう復活した様子。昴君とカレーを作る。ただしあまり無理はしないほうがよいだろうということで週末の予定はキャンセル。おとなしく過ごそう。

1月29日(金)
アクアパッツァを作って食べる。最近は美味しいものを食べる時間が本当に大切。純君はお弁当を買って帰ってきた。20時以降の飲食閉店、なんとかならないものだろうか。

1月30日(土)
Clubhouseというアプリで話してみようという話になり、前に住んでいた住人たちで「居間」を作る。話題はどれくらい外出してるか、最近の料理について。他の人が気軽に参加を申請できるアプリなんだということがわかる。

1月31日(日)
気づくと10kgあったはずのみかんが最後の1個に。あっという間の消費された。家のみんなの健康をこっそり祈る。

浅井 真理子

浅井 真理子

もの書き。
エッセイを書いています。

Reviewed by
黒井 岬

我が家でも「こんなにみかんを食べていたら手が黄色くなってしまう!」などと言いながら毎日のように食している。旬の果物はたらふく食べたくなってしまうな。
今年採れたものを、現在の自分の味覚で味わえるのは本当に今ここだけなのだよな、というようなことを最近思う。
感染症の蔓延に見舞われて、あらゆる「いつも通り」を、いろんな人がいろんな場で逸していることも思う。

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