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3F/長期滞在者&more

「私が自分の想いを信じようと思う時に必ず聴いている、勇気が湧き上がる歌を。」【Keala Settle & The Greatest Showman Ensemble「This Is Me」(2017年10月6日リリース)】

長期滞在者

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2018年に入って新作映画を観る回数が激増している。

現在私がラジオDJを担当している、練馬放送インターネットラジオでの番組『Voice of Heart』。
この番組では、練馬にある南田中図書館から毎月テーマに沿って、
おすすめの一冊を紹介する「ねりほん」のコーナーに加え、
昨年10月から、T・ジョイSEIBU大泉で公開されている映画をピックアップするコーナー「Movie Buff」がスタートした。
音楽、本、そして、映画が加わり、
『Voice of Heart』は、心に響くエンターテイメントを紹介するプログラムとして、毎週30分番組を届けている。

Fm yokohama、FM-FUJIと、これまで担当してきたラジオ番組でも新作映画のコーナーを担当することは多く、
遂に練馬放送でも映画をレギュラーで紹介できることがとても嬉しかった。

両親が映画好きという影響で、小さい頃から映画館でたくさんの映画を観てきた。
大学生の頃には、新宿の映画館でアルバイトもしていた。
ラジオDJの仕事をするようになってからは、映画の舞台挨拶の司会など、映画に関わる仕事も数多く経験してきた。
映画は私の人生の大切な構成要素だ。

私は手帳に、毎年観たエンターテイメントをペンの色を変えて書き込んでいる。
ライブは赤、映画は青、舞台はピンクで書いているのだが、
今のところ、圧倒的に青い文字が多い。
番組で映画紹介のコーナーを担当するようになると、頻繁に試写に行くことも増えるというのが大きな要因だが、
そうなってくると自分のアンテナもどんどん映画に反応してくるので、時間があれば映画館に行ってしまう。
今年は今までにないくらいの本数の映画を観る年になれば、それはとても楽しい1年間になるだろう。

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2018年1月19日、小室哲哉が突然の引退を発表した。
このアパートメントでも2015年12月21日公開の記事で、小室哲哉への尊敬の念を記したが、
そんな私にとって、ラジオDJとなって1番インタビューをしてみたいと夢を抱いていたミュージシャンが小室哲哉だった。
記者会見の生中継を見ながら、自分の大好きな音楽家がこんな形で引退を発表していることが、
悲しくてたまらなかった。
引退ということは、もう私の夢は叶えられないのだろうかと、
人生と共に長年大事にしてきた夢が終わってしまったと思うほどのショッキングな出来事だった。
同時に、自分にとっての音楽への愛も引き裂かれたような気持ちになってしまった。

なんでこんなことに。こんなの絶対間違っている。
何もかも整理できない心境のまま、ふらふらとした足取りで、
その日予定していた『グレイテスト・ショーマン』の試写会場に行った。

映画が始まって数秒で、私はこの映画に惹き込まれた。
冒頭から響く楽曲「The Greatest Show」の高らかな音に鳥肌が立った。
なんだこれは!? 
その1曲目から、このミュージカル映画の音楽はただ事ではないぞと思った。

ベンジ・パセック&ジャスティン・ポールの2人が手掛ける、映画で歌われる楽曲の何もかもが素晴らしかった。
この映画の音楽を聴いていて、
ズタズタになっていた自分の中にある音楽を好きな心に、力が蘇ってくることを感じずにはいられなかった。
「音楽を好きでいて本当に良かった」という気持ちが全身を駆け巡っていた。

中でも「This Is Me」の歌を聞いた瞬間に湧き上がってきた感動は忘れられない。

差別や偏見を受けてきたパフォーマーたちが立ち上がり歌う「This Is Me」。
『グレイテスト・ショーマン』というエンターテイメント映画の中で、歌声が伝えるそのメッセージに、
私は強く勇気づけられた。

“This Is Me”
これが私です。

何でこんな目で見られなければいけないんだと思ってきたことは山ほどある。

女性ということで、悔しい思いをし、堪えてきたことがある。
結婚はしていないと言うと、かわいそうにという顔をされる。
ヴィジュアル系バンドが好きと言ったら、イヤな顔をされた。
世界平和について話したら、何を言っているのと嘲笑われる。

今、この時点で葛藤していることは本当にたくさんある。
だけど、「This Is Me」を聴いた時に、もうそういうのは終わりにしようと思った。

このままだと私の人生は「これが私です」と明確に意志を提示する時間よりも、
周りの視線に押し込められた苦しみの時間ばかりが長くなってしまう。

私はこれが好きだ。
私がこれがしたい。
私はこう思うんだ。

これが私です。

今私は、自分の想いを信じようと思う時、世間に立ち向かう勇気が必要な時、この場所から前進しようと思う時、
必ず「This Is Me」を聴いている。

映画『グレイテスト・ショーマン』のサウンドトラックアルバムは、全米、全英でアルバム・チャートの1位に輝いている。
キアラ・セトルの湧き上がる熱情がダイレクトに伝わってくるその歌声に、
どれだけの多くの人が勇気づけられていることだろう。

今、この瞬間、この音楽が味方になっている人が、世界中にたくさんいる。
そう思える楽曲だということも、私の力となっている。

この曲に背中を押された人たちが、「これが私です」と立ち上がった時、
そこにある世界はきっと必ず輝くと、まっすぐに信じることが出来る曲なんて、そうそう出会えない。

さぁ、立ち上がろう。
これが私だ!

【ラジオDJ武村貴世子の曲紹介】(“♪イントロ〜10秒に乗せて)

映画『グレイテスト・ショーマン』から。私が自分の想いを信じようと思う時に必ず聴いている、勇気が湧き上がる歌を。
Keala Settle & The Greatest Showman Ensemble「This Is Me」

武村貴世子

武村貴世子

ラジオDJ、MC、ライター。
これまで、FM802、Fm yokohama、FM-FUJIなどで番組を担当。

ラジオ番組、司会、ライター、トーク&アナウンス講師はもちろん、
朗読と音楽のコラボレーションライブも展開中。

国連UNHCR協会 国連難民サポーターとして、
難民支援を始め、世界や社会への関心が深く、社会貢献活動にも積極的に取り組む。

また、タロット・リーディングの学びも深め、
フリーランスでその活動の幅を広げ続けている。

Reviewed by
宮本 英実

導かれるような出会いが日常に溢れている。それが自分の「転機」になるかどうかは捉え方だと思う。出会いによって現れる微妙な感情の変化を、受け止めることができるかどうか。「This is me」(これが私です)と言うのは、そんなに簡単なことではないのだけれど、この曲を聞いていると、あまりの力強さに、いつのまにか心がグイグイと前に引っ張られていくような気がした。この曲を受け止め、自分を受け止め、武村さんが駆け上がっていく絵が浮かんだ。

武村さんの文章も、この曲も、最後にかけてグッと強さを増す。「This is me」を聞きながら、武村さんの文章を読んでみると、心強さが増した。

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