…
ないてもないても まだいたむ
ふいてもふいても ちがにじむ
ひとりできった くすりゆび
こばやしのぞみ 8さい
(当時の日記より)
…
子供の頃の私はひどく臆病だった。
「のぞみちゃんはおもしろいね」って言われるとほっとしていた。
いつも
あとひとことを
あとひとときを
急いでくしゃくしゃに固く固く丸めて
そのちいさな塊を飲み込んでは
乱雑に見えない場所へと追いやって
うずたかく積み上げていた。
どうしていいのかわからなくておどけては
自分を保ったつもりでいた
自分自身を 時には周りも 見失いながら。
あの頃のことを思い出そうとすると
内臓をきゅるきゅる摑まれたような心持ちになる。
…
ふと転がり出してきたこの塊のせい
…
絵を描くようになってから
絵を通して人と触れ合う方法を知ってから
わたしはもう一度自分を探し直す方法を知って
いくぶんかは取り戻したように思う。
でも今も瞬間瞬間のコトしか信じることは出来ない。
言の葉(端)でもって、拙いながらも心を通わせたコト
確かに受け取りあったというあのトキのまなざし
トキやコトがモノになった瞬間から
それは最初に在った形を歪めて(よくも悪くも)変化していく。
すべてのモノは変わり続けるもので
私もあなたもあのトキの私とあなたではないし、そのトキは永遠に戻ることはない。
これは 逆に
どのようにうつり変わっても信じる ということなのかな。
もしかしたら
まだ、よくわからない。
…
今 ちいさなわたしのかなしみを
おおきなわたしはあたためることができる。
塊を融かしきることはできないけれど
塊をほぐして 皺をのばす。
そしてこのトキを 此処に書き留める。
記憶 と 経験
まとわりつく空しさに希望を見出して
.
.
空性(くうせい・くうしょう)
タイセツナモノハ ミエナイモノバカリ
.
.
– – – – –
グループ展に小作品を数点出展します。
『ミクロサロン2013』
2013.12.7 (Sat) – 12.28 (Sat)
国内外問わず新世代からキャリアを積んだベテラン作家まで、
東京画廊+BTAPの取り扱うアーティストたちの小品が一挙に展示されます。
◎オープニングパーティー
2013年12月7日(Sat)|13:00 –
酒肴を調え立食パーティーの形式を取り、出展作家が(もちろん私も)多数在廊します。
入場はご自由ですので気兼ねなくぜひお越し下さい。
東京画廊+BTAP
〒104-0061 東京都中央区銀座8-10-5 第4秀和ビル7階
Tel: 03-3571-1808 Fax: 03-3571-7689
開廊時間:火~金11:00am – 7:00pm 土 11:00am – 5:00pm
休廊日:日・月・祝
年末のお忙しい時期ですが、ご高覧いただけたら幸いです。
とてもとてもしあわせです。
よろしくお願いいたします。
古林
希望