長期滞在者
フランス語で「水面」は “la surface d’eau” という. “surface” は表面、”eau” は水を指す.どちらも女性名詞. 日増しに暑くなってくるので、涼しい水辺が恋しくなる. 19世紀終わり、モネは二人目の妻となるアリスとその娘たちを伴いジヴェルニーに移り住んだ.そこはセーヌ川の支流が多く流…
長期滞在者
最近、どういったわけか、花をよく見つめてしまう。 花はもともと好きだし、道端に咲いているものがあったら写真に撮ったり、花屋で気になったものを買ったりもしていた。 けれどその「好き」具合が、濃くなったように思う。 じいっと見つめてしまう。そしてそんな私に「こんなところに花が咲いてたのね、気づかなかったわ」と話しかけてくれる人までいる。 私は花という存在の優しさに、凛とした佇まいに、エネルギーをもらっ…
長期滞在者
今後仕事で新潟に行くことが増えそうなので、下見を兼ねて、三密を避けながら、土、日を使って新潟を散策した。 振り返ると、仕事以外で新潟に来るのは10年ちょっとぶり。その時は、苗場で毎年開催されているフジロックフェスティバルにアルバイトとして参加した。 大学2年の頃、たまたまフジロックでのバイト募集の広告を見かけて、急いで面接を受けに行き、働けることになった。 後から日程を確認すると、大学の試験と被っ…
長期滞在者
子供の頃見ていたものを大人になって久しぶりに見ると、あれ、こんなに小さかったっけ、と思うことがよくある。幼少の記憶だと、自分の体が大きくなっても記憶の中のそれは当時のスケール感のままである。自分の体が成長した縮尺を、成長後の記憶に反映できていないのだ。 小学生の頃、田舎で見たガガンボ(あの、蚊みたいな形のでかいやつ)がものすごく大きくて、感覚的には体長20cm以上あったような記憶があるのだが、調べ…
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2020年6月4日。練馬放送にて、毎週土曜午前11時30分から放送しているラジオ番組「Voice of Heart」の収録が再開した。前回の収録が4月1日。15歳の頃から音楽に乗ってマイクの前でしゃべるということをやってきて、この30年ほど、2ヶ月以上マイクの前で番組をやってこなかったことは初めてだった。 新型コロナウイルスの影響、そしてその間に父を亡くし、苦しいこと悲しいことが続く中でも、自分の…
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自粛生活で変化する家。 これまでは住人みんなが揃うなんてめずらしかったのに、今では当たり前の光景になった。新しい習慣ができて面白いと思えることもあれば、もやもやすることもある。季節ももやもやしている。 これを書いている2020年6月2日(火)、アメリカの多くの企業がBlackout Tuesdayという取り組みを掲げている。これは昨今起きた悲惨な事件を受けて、レイシズムや不正に対する抗議活動を賛同…
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Fruit. 「フリュイ」と読む.果物を意味する男性名詞. 初夏は果物の本領発揮.情熱的にフルーツを愛する者としては、とにかく嬉しい.最良の食べごろを逃すまいという気概を持って、私はすっかりフルーツハンターと化す. 5月のレモンは爽やかで甘みがあって、手に取らずにはいられない.今年は勢いあまって50個ほど瀬戸内の無農薬レモンを仕入れた. ウィークエンドシトロンを作ったり、蜂蜜や塩に漬けたり、レモン…
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私の「貴世子」という名前は、「絶対に世界の“世”の字を入れる!」と、父がこだわってつけた名前だということは聞いていた。その話をするときの父の顔はいつも楽しそうで明るくて、どこか嬉しそうだった。 海外を旅することが大好きだった父は、私に世界で活躍することを望んでいた。けれども、私は音楽が好きになり、ラジオDJとなり、日本のラジオ番組で仕事をした。 私が世界との関係を強く意識したのは、30歳を過ぎたと…
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5月3日 ゴールデンウィークの予定は真っ白だ。例年と同じく今年も神戸の実家に帰省する予定だったが、おとなしく家にいる。三密空間の極みである夜行バスで寝られない時間を過ごし、身体の痛みに耐えられなくなる一歩手前でサービスエリアに着き、一息ついてトイレで歯を磨いて、発車するまで5分ほど夜の風に当りながらベンチでボーっと過ごすこともできない。朝にバスターミナルに着くと、身体痛いし、中途半端に最後の最後で…
長期滞在者
きっとあなたも、そちらのあなたもそうでしょう?御多分に漏れず僕もそう。いろいろ大変なことになってる。 ・・・・・・ のんきに構えている事態ではなくなって、しかしのんきに見えるかもしれないことに、実は新しくカメラを買った。新しく、といっても9年も前に発売された老兵を中古でだが。 本当はのんきにカメラを買い足すような状況ではないのだが、話は逆で、この状況で写真を続けるために何が必要かを考えて、不要なも…
長期滞在者
この数ヶ月間で確実に生活のルーティーンが変わってしまった。 当たり前のように仕事場に向かい、休みもせいぜい2ヶ月に一度くらい、という生活が20年あまり続いていた。2011年の震災の後だって、ほぼ毎日仕事場に足を運んでいたのだ。zoomをはじめとするオンラインミーティングが急速に普及して、ギャラリーの仕事であってもいつの間にか店頭に出てやるべきものと自宅でやったほうが効率が良い仕事に切り分けるように…
長期滞在者
仕事もせず、通信制の大学の課題以外には「やらなければならないこと」がない日々。一見穏やかな日々に見えるし、私も別にそこまでストレスがあるとは思わない。けれど初めてのことを私(というより私達)は体験しているわけで、正直なところ感染症にかかる以外にも何か異変が生じるんじゃないかと思っている。 少しずつ体には現れていると思う。筋力の低下、睡眠の質の低下。情報収集の仕方や、体の動かし方も変わってきているよ…