当番ノート 第22期
2ヶ月なんて本当にあっと言う間。 今回で最終回。とても寂しい気分です。 最終回の今日は、「絵を描く」という行為そのものについて考えてみようと思います。 「絵を描く」という言葉は色々な場面に使われているような気がします。例えば「夢を描く」という言葉があるように、未来の姿や物事を想像して絵を思い描いたり、目標なんてなかったとしても明日の仕事の事だったり、あーなったらどうしよう、こうなったらどうしよう、…
当番ノート 第22期
2010年3月25日の卒業式の朝、 小雨が降る中、 僕は早稲田大学、大隈講堂前の広場で傘をさして 立っていました。 34歳になっていました。 3浪2仮面浪人し、入学して中退、復学と、 高校卒業から16年もかかってしまいましたが、なんとか早稲田大学の卒業式にたどりつくことができたのです。 僕は自分の夢を演説しようとしていました。 誰かに求められているわけではありません。 でも卒業式に出席するだけでは…
当番ノート 第22期
コラムもどうやら、今日で最後のようです。 来週が10/1になるため。 私はここでお別れとなる。 最後に何を書こうか考えてた。 まず、これから先のブログは、 http://kokisugita.com/ で書いていくので、たまには観てやってください。 (いちおう、宣伝) あなたは、「それは絶対、不可能だ」と人に言われた時、どうしますか? 1、挑戦しますか? 2、やめますか? 私はどちらかというと、「…
当番ノート 第22期
Bijou:ビジュー、アクセサリー、身につけるもの. 絵画や彫刻において、伝説上・歴史上・神話上の人物と関連づけられた持ち物を「アトリビュート」と呼ぶ。 額に三日月を乗せていたら狩猟と貞潔の女神アルテミス。 天国の鍵を手にしていたらイエスの弟子、聖ペトロ。 大きな袋を持った太鼓腹のおじさんは、唐時代の仏僧布袋。 アトリビュートは西洋美術の用語だけれども、観賞者が画中の人物を特定するアイテムとして、…
幻覚にカーテンコール
ⅵ 菫色の試供品と冷蔵庫の群棲地 いつの頃だったか、冷蔵庫には怪獣が棲んでいると信じていた。 そいつは、昼間はなんでもないような顔をして野菜室の隅に潜んでいる。 夜になり、家主が寝てしまうと紫色の歯をむき出しにして、うなり声に似た不気味な歌をうたうのだ。 何がきっかけでそんな風に思い込んだのか、私は毎晩ベッドで「かいじゅうが起きる、かいじゅうが起きる」と泣いていた。 今は紫の歯の怪獣なん…
当番ノート 第22期
– – – – – – – – – – – ◆前回までのあらすじ バーの片隅でわたしは作中のわたしの架空の姉に説明する。地震があったことについて、どうして書くのか。書くしかないからか。書くしかなくたって怖かったのだということ。なにが怖かったのか。 – – – – – – – – – – – 止まらなくなってわたしは作中のわたしと架空の姉に話し続ける。どんどんグラスを開けていく。『ロッキー・ホラー…
当番ノート 第22期
たとえあの子が消えても、私がその子の代わりに愛されることはなかったのだろう。 とにかく嫌いなものが多いと非常に生き辛い。 思春期の私といえば今に比べて「嫌い」が多く、また周りも等しくそうだっただろう。いろんなものや人を、容易に許せない。顔が、声が、態度が、話し方が、先生に褒められるあの子の得意顔が、彼の染めた髪が、規則に従順な彼女の長いスカートが、彼の好きな彼女が、みんな「嫌い」塗れである。他者に…
当番ノート 第22期
#7 夢の解釈について(2) 〈 私はある植物について論文を書いた。その著書が私の前にある。私はちょうど、一枚の折込みの色彩図をめくっているところである。植物標本集からとってきたような、乾燥した植物の標本が、一冊ごとにとじこまれている。 〉 これはフロイトが自身の見た夢として報告したものだ。この夢を見た日の朝、彼は「シクラメン科植物」というタイトルの、この夢の論文に関係するらしい書物を見たという。…
長期滞在者
二十年以上前の話、二十四、五歳頃のこと。必要があって初めてカメラを買うことになり、当時働いていた中津カンテGのK氏に相談した。K氏はその当時からカンテのメニューや広報物のデザインワークを担当していた人で、写真やカメラのことも詳しかった。 どういうカメラを買ったらいいかまったくわからないド素人の僕にK氏は一から懇切丁寧に教えてくれたのだが、当時僕は「一眼レフ」という言葉すら、聞いたことはあってもどう…
当番ノート 第22期
早いもので、この連載も残すところあと1回となりました。 今回はデジタルでイラストレーションを描いていて思ったもどかしい部分を。 前々回ぐらいに記事を書かせていただきましたが、木鳥worksさんからさそっていただき、谷町6丁目の整体院「草枕」さんの店内の壁に絵を埋め込んでいただきました。その時の発注ですが、壁に埋め込むもの、額の中に入れるものと直接壁に絵を描くものそれぞれを発注いただきました。額や壁…
当番ノート 第22期
1975年、愛知との県境にある、岐阜県の山奥で僕は生まれました。 僕が幼い頃住んでいた家は、小さな山の上にある一軒家で、何代も続いた旧家でした。 藁ぶき屋根に五右衛門風呂、火鉢まであるという、江戸時代のような住まいが僕の原風景です。当時はアスファルトの道路もなく、一番近い店まで歩いて30分かかりました。 母親が嫁いできたばかりの頃、深夜人が近づかない裏の林に幼児がいるのを見かけ、幽霊がでたと…
長期滞在者
ルーニィで個展の相談にお見えになる方の作品を拝見していますと、ここ数年はステートメントを添えて持ってくる人がいます。個人的にはステートメントなんか、あってもなくてもどうでも良くて、口頭でいろいろお話ができればそれで十分なのですが、ポートフォリオレビューが、あちこちで開かれるようになり、その対策として「正しい受け方」みたいなことを教わっている人が多いのだと思います。正しいステートメントの書き方という…