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2F/当番ノート

空海に学ぶ時間。

当番ノート 第22期

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東北から台風直下の九州へ帰ってきました。

外がゴオゴオ、ガタガタとなる音を聞きながら、今日は記事を書いています。

神社での居候の話は、来週ちょうど高千穂の神社にてお篭もりをするので、その際にお話しようかと思います。

そのあたりから、作品への感情や考えの話も一緒に。

今回、東北では山形、福島、宮城とまわっていました。

震災の被害のあった場所もみながら、塩竈に立ち寄り、お寿司屋の若旦那を紹介いただき、お話を伺ったり、神社にお参りしたり。

宮城の蔵元のお酒をいただきながら、どういった形でブランド再開発に至ったのかを聞き、

山形では冷しラーメンや赤湯ラーメンを紹介いただき、コーディネーターが沢山の息抜き場も作ってくださいました。

現地の経営者とも色々とお話できたことは、とても大きく素敵な時間でした。

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その中でも、仙台でのトークライブの後、

真言密教にて長く修行され、住職としても生活されている方が話しかけてくださり、

私がトークを行なった内容が、空海が教えている考えと同じで驚いたと伝えてくださいました。

また、その上で、色々とさらなるアドバイスをしてくださいました。

今でこそ、モノや事は、振動数や周波数があることが分かっています。

すべて振動している。固形のものも。

さらに言うと、身体は電流を帯びていて、それもまた振動している。

思いというものも振動している。

その考えは大学時代、電気電子工学を学んでいたので知った事です。

その考えを踏まえて、私たちが発する『声・文字・メール・言葉』は振動していて、その振動に自分たちの思いが乗る。

書いた文字が1000年も残る作品もあれば、

ゴミ箱に消えて行く作品もある。

発した声が相手を傷つける事もあれば、相手を癒す事もできる。

メールもそう、このブログもそう。

だからこそ、『言葉を伝える』のでなくて、『贈る』ことの大切さを話してきました。

ぜんぶ、『波』があって、一定の直線のものはない。

そうした話をした後に、

その住職さんから、

『君が話した内容にひとつ、付け加えるとしたら、人も命も、時間も波動。

波動というよりも、波導という考えのほうが近い。

ぜんぶ、波で伝達されながら、拡がっていくか、収縮していくか。

その在り方は自由。それを象ったりルールを創るのは方便でしかない。

ぜんぶが波だと思って、すべてのモノやコトと向き合うといい。』

と話して下さいました。

また、もう一つ、教えてくださった事があり、

私たちの世界のミクロもマクロも『マンダラ』で説明がつく事も教えてくれました。

まず、核になる存在があり、その周りに円や四角、色々な方法で外へ拡がっているのがマンダラ。

そのマンダラは、宇宙でもあり、細胞でもある。

原子核も同じように核があり、周りに別のものがくっつき、形ができる。

ミクロからマクロまでの事を1枚の紙で表現しようとしたのがマンダラだそうです。

人間関係もまたマンダラの考えから読み解くと、

自分という核がいて、周りに人がいる。

周りから『自分』をみた時に、

自分のことを”侍”という人がいれば、”バカ”という人がいる。

”書家”という人がいれば、”詩人”や”アーティスト”だと思う人がいる。

”礼儀正しい”と思う人がいれば、”変態”と思う人がいる。

人からみた自分というのは、実に様々で、答えがあるようで、ない。

マンダラのような円の視点を考えた時、表や裏、右や左、上や下があるわけで。

周りから観た自分を気にしていても答えなんて出てこないのかもしれません。

大事なのは、『自分』がどうなのか?

私もどこかで、

人から観た自分を意識してしまい、
ルールや縛り、
常識の中で自分を見失う時期もありました。

改めて、考えさせられ、見直す時間をいただきました。

空海さんの所で学んだ方から聞く内容に感動しながら、

これからの「生き方」に活かしていこうと思った出会いでした。

じつは、個人的に空海さんが好きでして、(筆の神様ですからね)

太宰府・戒壇院には、空海さんが悟りを開く前の30代の仏像があります。

住職がいて、タイミングが合えば、中を拝見できます。

福岡にいらっしゃる際は、観においでください。

杉田廣貴

杉田 廣貴

杉田 廣貴

1983年3月生 / 宮崎県出身。鹿児島大学工学部卒。6歳から剣道。22歳から書や言葉を媒体とした表現の世界に入る。『道』を究めることをライフワークとし、アートやデザインは生き方の一つとして考える。NYを中心にアメリカでの個展も行ない、海外での活動も大切にしつつ、2015年より日本国内での活動を本格化している。

Reviewed by
淺野 彩香

現代は光に満ち、光によって情報が激流にのって伝達されている。

人の流れもすごい。東京駅には1日110万人以上の人が行き来する。
この人の流れと光のまぶしさに目がくらむことも多い。

滅茶苦茶に波が行き交う場所から離れ田舎に行くと、すっと感覚が楽になる。
人とのあいだにお互いの波を感じられるようになる。麻痺していた感覚が動き出す。

砂曼荼羅のように様々なものが振動していて、生きている。

杉田さんはそのような波や曼荼羅を、空海と同じように無意識に感じ伝えられる人なのだと思った。

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