染色 その2

第31期(2017年2月-3月)

染色を始めたころ、科学染料ではない植物性の染料は動物性の布(絹やウール)と相性がよいということを知り、では布ではなく、皮は同じ方法で染められるのか、染めたらどうなるだろうとずっと気になっていました。皮は紛れもなく動物性なのですから、草木染めと相性はよいはず。思いつくとやってみたくてウズウズするのですが、染めるための皮がないし。。。ということでしばらくお預けになっていたのですが。。。
ふと皮製のリュックを持っていたことを思い出しました。一昔前の女の子用ランドセルのような光沢のある真っ赤に飽きてきていたので、これを染め直してみたらどうかと。
sac_rouge
この赤い色は皮を染めてあるわけではなく、表面に塗装をしてあるらしいことがわかりました。この塗装をどうやって落とそうかと考え、ふと漂白剤に浸ければいいんじゃないかと思いました。ちゃんと調べた方法ではなく思いつきだし、リュックをダメにしてしまう可能性もあるのですが、やってみたくなるといてもたってもいられなくなり、まず一部分で試してみることにしました。肩紐を半日ほど漂白剤に浸け、歯ブラシで表面をこするとちょっと怖いくらい表面の塗装がズルっと剥がれました。そこで調子に乗って本体も漂白剤に浸けました。
 
 
 
sac_mouille
写真は数日かけて漂白剤で表面の塗装を全て落としたものです。まだ濡れている状態です。皮の色は元の赤い色がほんの少し残って、動物的な生々しい感じになりました。ぬるま湯で何度も洗い、漂白剤のヌルヌルを落としました。
それにしても皮はこんなに変わってしまったのに、チャックの布部分は最初よりほんの少し色が抜けてオレンジ色になっただけだし、ステッチの色の赤は全く褪せず。不思議です。
 
 
 
sac_avant_teinture
完全に乾くと一段明るい色になりました。光沢は全くなくなり、固いスウェードのようなガサガサした手触りになりました。
 
 
 
ficelle
漂白剤に浸け過ぎて傷んだのか、肩紐がボロボロになってしまったので切り取ってそれを試し染めに使うことにしました。果たして布と同じ方法で染まるのかどうか。
 
 

 
真っ白の布とは違い、地色のある皮を染めるので、今まで染めた材料の中でもとくにはっきり色の出る玉葱の皮とターメリックを試してみることに決めました。
まず染め液の準備からです。
oignon_dans_la_marmite
玉葱の皮をお湯でグツグツ煮ます。
 
 
 
bouteille_oignon
玉葱の皮よりずっと色の濃い紅茶色の染め液がとれました。左右色が違いますが、両方玉葱の皮でとったエキスです。右が一番出汁、左は二番出汁なのです。

ターメリックの染め液は沸騰した湯に料理用のターメリックを入れてかき混ぜて作りました。
 
 
 
染める手順は布のときと同じにしました。
肩紐を何本かに切り、それぞれ玉葱の皮、ターメリックの染め液に浸けます。
ficelles_mouilles
布と違うのは、上の写真のように染め液に漬けたあと、皮が黒っぽくなって一見染まっているのかどうかわからなくなってしまうところです。完全に乾燥するまでただ濡れて変色しただけなのかどうかが、わからないのです。
左二本が染め液から出したところ、右の一本は染めていない乾いた皮です。
 
 
 
ficelles_teintes
完全に乾かすとはっきり色が区別できるようになり、ちゃんと染まっていることがわかりました!
上の写真は左から二本染色なし、玉葱の皮染め+明礬の色止め、玉葱の皮+木酢酸鉄、ターメリック染め+明礬、ターメリック+木酢酸鉄です。
(ターメリックは染め液の温度が高すぎて革が縮んでしまいました。)
 
 
 
ターメリックと明礬の組み合わせでできた黄色が一番気に入ったので、リュック本体はその組み合わせで染めました。
sac_ jaune
上が染めて乾燥させたリュック本体です。染めているときはターメリックの匂いが台所中に充満していましたが、乾かしてしまうとそれほど気になりません。元の赤いリュックからは想像もつかないくらい違う色になりました。ガサガサした風合いも、色むらも残ったのですが、それが元の既成品の雰囲気とはまったく違って気に入りました。
皮もいろんな液につけられてずいぶんくたびれていると思うので、これからオイルをすりこんで手入れするつもりです。

皮は布と同じ方法で染色できることがわかったので、いずれ肩紐も皮を同じ色に染めて付け替えたいと思っています。