長期滞在者
とても大事な人が、命に関わる長い長い手術をした。 幸いなことに手術は無事に終わって、病院で付き添っていた私は夜遅くに帰宅し、 疲れ果てた身体をベッドに投げ出すように眠った。 翌朝、私にとって世界で1番優しい人が、飛び降りて死んだという知らせがきた。 11月末から今日に至るまで、あのときのことをまざまざと思い出す1ヶ月だった。 思えばあの日から、私の「死」と向き合う日々が始まったのだと。 2019年…
当番ノート 第48期
前回は休載してしまいました。申し訳ございません。 足らなかったのはフォースでした……。フォースって……? そうです。スター・ウォーズです。スター・ウォーズの「フォース」でございます。 前回語ったスター・ウォーズへの偏愛。そして今回はその愛を証明するときが来たのです。 お前の愛を見せてみろ。 ああわかった見せてやるぜ。 今回は本物の愛とは、真実の愛とは、愛とはなんなのか、愛することのもどかしさとはな…
当番ノート 第48期
新しいラーグを習うときの歓びは、何にも代えがたいものがある。 一つのラーグについて、その動き方をだいたい習得し、ゆっくりなテンポと速いテンポの曲を一つずつやって、曲のなかでラーグを発展させる試みを何度かレッスンを重ねてブラッシュアップする。 「これまでやってきたラーグはだいぶ良くなったね、じゃあ、新しいラーグをはじめようか。」 先生からのこの言葉を聞くとき、私の気持ちがどれほど高ぶるか。 先生は少…
長期滞在者
今年もあと1週間で終わるが、先日これまでアパートメントで書いてきたこれまでの記事を振り返る機会があった。 TOKYO ZINESTER GATHERING(通称ジンギャザ)というZINEのフリマイベントに遊びに行く当日の朝。 何も持たずに行くと、アウェーな感じになってしまうんかなと、自分も何か持参しようと前々から企んでいた。 持参するZINEには、アパートメントで執筆してきた記事からいくつかピック…
長期滞在者
尼崎から大阪梅田まで十キロ、その梅田に向かう道、もしくは梅田からの帰路。 自転車で行く阪急電車沿いのとある駅間。 高架になった線路の下をくぐる架道橋(トンネル状の通路)ごしに見える小さな古いコンクリの建物があり、自転車で通過する間だから見えるのはほんの数秒のことなのだが、毎回その古い建物を見るたびに、強烈な既視感に襲われる。 毎回毎回その建物の一階部分(架道橋越しなので一階部分しか見えない)を見る…
当番ノート 第48期
前回の「ブラフマ・ムフールタ」のコラムの最後に、定形晟さんの『インド宇宙誌』からの引用を載せた。1日は30ムフールタに区切られ、3ムフールタでひとつのまとまりを成し、結果的に昼と夜がそれぞれ5つの部分に分けられるということであった。 このムフールタとの関係性はちょっと調べられきれなかったのだけれど、3時間ずつ、1日(24時間)を8つの「プラハル(サンスクリット語ではプラハラ)」に区切るという考え方…
長期滞在者
ぼくの家には、子供の頃の家族アルバムというものがありません。今のようにカメラが一家に一台、という時代でもなく、小学校くらいの頃は、だいたい近所にカメラ好きのオジさんがいるとか、勤め先が富士フイルムだとかで、時々遊んでいるところを写真に撮ってもらったりしました。少し経ってお裾分けのように2、3枚自分が写っているのをもらったりするのです。そういう写真をぼくの両親はタンスの引き出しに、プリントをそのまま…
Mais ou Menos
今回の往復書簡は、ポルトガルから日本へポストカードを送ったため、住所部分を一部加工させていただいています。お手紙の画像に不自然な空白部分がありますが、その旨ご理解いただけましたら幸いです。 —– —- Pちゃん、 ポルトガル旅行も、もう後半戦。疲れがでてるころですね。 ポルトガル、どこへ行っても歴史を感じるし、ブラジルに与えた影響についても考えてしまいます。ある…
当番ノート 第48期
いよいよ12月20日に公開を控えたシリーズ最終作『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』楽しみですね~。あれ?なに?『スター・ウォーズ』観たことないって?あらま~そんなわけで今回は『スター・ウォーズ』シリーズをわずか5分で解説……ではなくてなんで『スター・ウォーズ』ってこんな話題になんのよ?っていう話です。 ●『スター・ウォーズ』ってなんだ? スター・ウォーズって~のは~スカイウォーカー家の…
それをエンジェルと呼んだ、彼女たち。
冬がやってきた。人々が「師走」と口にするそばから残された時間が零れていって、今にも最後のひと雫が消えてしまうような気持ちがする。慌ただしさで街が活気づくと思い出される短編が、江國香織の『つめたいよるに』の巻頭に収録されている「デューク」だ。 同じく暮れ迫る12月、飼い犬デュークを亡くしたばかりの女性の前に突如現れた見知らぬ男の子との、短いデートのお話。通勤ラッシュの電車のなかで泣いていた女性に男の…
当番ノート 第48期
インドの朝は、特別だ。 私がはじめてインドを訪れたのは2008年の冬、大学3年生のときのことだった。デリー、アーグラー、バナーラスをまわる一週間のツアー。 多くの旅行者と同じように、「インド臭い」「神聖な」ヒンドゥーの聖地、学問の都でもあるバナーラスに魅了され、いや、きっと他の旅行者たちよりも少しばかり魅了されすぎて、バナーラスについて卒論を書いてしまったほどだ(1)。 バナーラスには二泊したんだ…
長期滞在者
絹江ちゃんが無事に旅立ち、れいちゃんが入居。さてどんな生活になるかなと思いきや、今月は体調不良者が続出。急に寒くなったものね。 去年はどんな生活をしていたっけ・・・と去年の家日記を見てみたところ、どうやらこたつ布団はもう出ていたみたい。今年はちょっと遅れ気味。純君がお財布を忘れたエピソードが書いてあったけれど、今月は純君、お財布忘れていません! 写真は昴君が11月10日に渋谷のWWWでライブをした…