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2F/当番ノート

Porte Alegre

当番ノート 第4期

旅は続く。

ブエノスアイレスの次はブラジル、ポルトアレグレにやってきた。
南ブラジル最大の都市で大きな港町である。都市名は「陽気な港町」という意味。
18世紀中ごろにポルトガル人が移住したのが起源でのちにヨーロッパからの移民を中心に発展。
公用語はポルトガル語。ありがとうはオブリガーダ。
深夜でも鳥たちが歌っている。雨の中でも。
公園の緑がとても美しい。やはりアマゾンがある国なんだな。

到着した日は天気がとてもよく暑かった。暑い。
そして港沿いを散歩。
ここの夕日は世界でも有数の美しい場所だそうで、独立記念日であるこの日は多くの人が訪れている。
海沿いを歩く。

歩いているとみんな木のコップのようなものを持っている。銀色のストローのようなもので飲んでいる。
よくよく見てみると緑の茶葉が山盛りに添えてあり、銀色の保温ポットを片手にお湯を注いでいた。
南米ではよくマテ茶を飲んでいると前回書いたが、ここの人たちは大きな保温ポットを持ち歩き
マテ茶を飲んでいるのだ!しかもポットとコップを素敵に入れられるバッグまで売っている。
コップは市場でたくさん売っていたから私でも買えるが、どうやって茶葉を壁のように盛り飲めるのか??

のちに聞いてみると飲む際にかなりの量の茶葉を使用する。
伝統的な飲み方は茶器に容量の1/2ないし3/4程度の茶葉を直接入れ、水または摂氏70~80度程度のお湯を注ぐ。
ここに先端に茶漉しがついた専用のストローを差し込み抽出液を飲む。
容器はヒョウタン製のものはマテ、クイアまたはポロンゴなどといい、木製や角製のものはグァンパ(グァンポ)と呼ばれる。

今では、ティーポットで淹れて抽出液のみをカップに注いで飲む場合も多いがティーバッグも普及している。
しかし、マテ茶の淹れ方としては伝統的な方法が最も理にかなっているそうだ。
飲む時に茶葉の一部を食べることになり、マテ茶の栄養成分を最も効率よく取り込むことが可能となっている。
マルセイユでもマテ茶は手に入るのでやり方を観察中。
なんでも南米ではこのマテ茶を多数の人と回し飲みするのが伝統である。
一煎めは自分で飲む。二煎目からは順番に参加者に回していき、それぞれが満足するまで何杯でも回し続ける。

ビタミンやミネラルの含有量が極めて高く、飲むサラダとも言われている。
このため、コーヒーや茶と同様の嗜好品ではあるが、単なる嗜好品を超えて、
野菜の栽培が難しい南米の一部の地域では重要な栄養摂取源の一つとなっている。

たいていツアーでは食費を現金でもらう。なので普段食事は自由なのだがこのポルトアレグレでは食事はフェスティバルが用意してくれていて、毎回の食事はブラジル文化を感じられるレストランに連れて行ってくれる。フェスティバルに協賛しているレストランなのだそうだが、これはとてもよいシステム。ミュージシャンがいて演奏したり、ボサノバをライブで歌っていたり。メニューは大体決められていて、毎回のように、肉、肉、肉。ステーキか鶏肉。魚はあまり取れないようで塩漬けされた魚のフライ。。普段もそんなに肉を食べないのに、このツアーでは毎日のように肉だ。とてもおいしいのだがさすがに苦しい。ブラジル料理は特に塩味がとても強い。だからどうしても身体に不調が表れる。
なので私もマテ茶を飲む。マテ茶の味は日本の緑茶のように渋みがあって美味。ヨーロッパ人は渋いお茶が苦手なので砂糖を入れる。私は渋みが大好きなのでマテ茶は最高。


とても美しい夕日を見た後、ホテルからは遠かったのでタクシーではなくバスにチャレンジしたが、独立記念日はバスが無料ということもありちょっと人々はパニック状態。しかもどの番号のバスがホテルの近くまで行くのかも知らなかったので、待っている人に聞いてみた。すると私たちがいたバス停ではないことが判明。その人たちは4人で家族の様だ。正しいバス停まで一緒に行ってくれるとの事。そしてバスに一緒に乗ってくれてホテルまで歩いて送ってくれたのだ。かなり遠かったのにもかかわらず笑顔で困っている私たちにとても親切にしてくれた。言葉もわからないけど通じるんだな。笑顔。とても素敵な笑顔。なんて優しい人たちなんだろう。。やはり治安が悪く「女の子だけのグループだと危険だから、次はしっかり気をつけてね」と。このように助けてくれた人たち。もう会うことはないい。だから次は私が困っている人に出会ったら助けるんだ。心に触れた瞬間だった。

ここポルトアレグレではブラジル人のアンドレがカンパニーについて通訳してくれている。
今はパリに住んでいる。彼はとってもエレガントで紳士。彼のおかげでブラジル文化を学べている。
どんな問題が起こっても彼はいつでも穏やかに対処する。そして笑顔で応援してくれる。
だから一緒にいる私たちも安心できる。彼の在り方から学べることたくさん。
ありがとう。アンドレ。またパリで会おうね。

旅はハプニングがつき物。次に予定されていた他の街の公演が中止になった。残念である。
気を取り直して舞台に臨む。
ポルトアレグレでの2回公演はスタンディングオベーションで終わった。
最初は暑かったが、雷と雨で気温がぐっとさがり冬に戻る。
食事や気温の変化に伴い、案の定ダンサーズは風邪をひいている。今のところ私は大丈夫。
しかし、風邪がうつるのは時間の問題かも。

マテ茶だ!

本番前の楽屋でのひとコマ。
鏡遊び。
リラックスするために踊ったりしています。

パソコンの都合で編集ができませんでした。。。
もっと勉強しなくちゃ。パソコン。

このあとは最後の街、サンパウロだ。

木下 佳子

木下 佳子

ダンサー。

フランスはマルセイユ国立バレエ団で踊っています。

竹のように強く凛とまっすぐに、時にはしなやかに。

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