ある午前の雨が降りそうで降らない。 暗鬱な赤裸。眼球の裏側。
これはコマ落ちではない。運動場。数羽の鴉。無から有へ個体が成長する精神分裂のパロディ。小さなウィンドウはバランスを守り続けようとウエイトを積む。そして、どんな微細な動きも吸収する。
思えそうで思いつかない矢印。環状線が揺らぐ。ミクロコスモス。空に眼が浮かんで、偶発的に複数のイメージを濡らした。真剣にぐれている昔人達はページを飛ばされ、積まれたノートの回収を待っている。とはいえ、うまくいくかどうかはわからない。だから、幸福そうなふりを要求した。
帰する所、雨だった。回転扉に椅子はない。逐う。階段を上り、揺れる橋を渡る。小さな道は意味を知っていた。答えを求めない小さな道。静かに行き止まりを示した。可能世界。
偽造された汽車は回り続け、回答のない通信は、子供たちへと受継がれる。右を向けば左の重要性を求め、○へ進む。そのような性質は情報の統合化を無視し、独自の欲求を示す。それは過去へ戻る。あるいは、ここを離れることと同じであった。