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当番ノート 第19期
【第9話 花とヤバい女の子】 ◼︎このはなのさくやひめ 「木の花、とりわけ桜の花のように美しい」という名前の女の子がいる。 日本神話に登場するこのはなのさくやひめは、夫 瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)と契り、たった一夜で身ごもる。「たった一夜で身ごもるのはおかしい」と不貞を疑う夫に対し、彼女は身の潔白を証明するために家に火をつけた。「あなたとの子供であれば縁起が良いのだから、絶体絶命の状況でも無事に生…
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当番ノート 第19期
連載最終回です。 連載全9回で追うテーマをきちんと決めて連載を始めれば良かったと今は思っています。 私は一年前に、大学に出す卒業論文として『ジェイ・ギリガンについて語るときに僕の語ること』と題した、エッセイのような論文を書きました。ジェイ・ギリガンというのはアメリカのジャグラーで、アヴァンギャルドな、「考えるジャグラー」です。既存のジャグリングの型を疑い、壊し、新しいジャグリングを実際にやってのけ…
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当番ノート 第19期
hunatabiという名前の理由について。 手間をかけてつくる。 好奇心で日常を見つめる。 もうひとつ。 途中経過が好き。 完成(目的地)前の作品達の様子が、とてもとても好きなのです。 m.hunatabiの布は”ろうけつ染め”という技法で染めています。そこに、時々シルクスクリーンを併用したり、しなかったりします。 ろうけつ染めは1度では染め上がらず、色を置いて、ロウを置い…
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当番ノート 第19期
一年間のはじまりを感じるきっかけはいろいろあります。 元旦、節分、春一番、4月、、、 この時期、お茶畑はにわか忙しく騒ぎ立て、 日に日にお茶の芽はふくらんできます。 秋に根っこから栄養を枝にたっぷりたくわえて 春には葉にエネルギー送り、萌木色の新芽を一斉に伸ばすのです。 ぼくにはこの時期が一年間のはじまり。 農家になってこの時期を経験したのはまだ6回。 そして、これからも1年に1回ずつの新茶シーズ…
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当番ノート 第19期
色々ある日々。 色々ある絵。 色と色。 色とりどり。 最近、ワークショップなどで普段絵の具をあまり使わない人々が楽しそうに描くのを見ていると すごく意外な色あいのものを合わせていくのに目を見張る。 私が使わない、使えない色達。 それはまた美しく、発見したような気分になるのです。 色は本当に自由。 色んな色につたない思いを馳せてみましたが書いて、暫くはその色のことを考えていたり、 次に広げる絵の色を…
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当番ノート 第19期
(学生時代の作品より) 沢山の年齢の女性と会って、お話を伺って見えてきたことがあります。 10代〜20代は未経験な事だらけで、早く大人になりたいと、もどかしさに苦しんでいて、けれど肉体のもつ若さのパワーが武器だと、気付いていなかったり、気付いている娘はある意味凶悪だったり笑。 30代からは生きてきた背景が身体の内側から溢れる空気や美しさ、エレガンスに影響するのではないかと思うのです。40代は30代…
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当番ノート 第19期
【第8話 体とヤバい女の子】 ◾︎ろくろ首 およつ(列国怪談聞書帖) 十返舎一九の『列国怪談聞書帖』に登場する女の子 およつは首がのびる。 彼女は愛しあって駆け落ちした恋人に、金のために殺された。恋人の名は回信という。 回信は駆け落ちの途中で金と未来が惜しくなって彼女を殺した。ひとり楽しく暮らす回信は旅先で宿屋の娘と懇ろになる。ピロー・トークの最中、にわかに娘の首がのび、およつの顔に変わる。およつ…
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当番ノート 第19期
外国語を勉強するのが好きです。 今まで、色々な言語を勉強してきました。 一番最初に出会ったのは英語で、中学、高校と6年間勉強しました。 時々、『ENGLISH JOURNAL』とか、ちょっと楽しい英語雑誌を買ってきたり、字幕で映画をたくさん見たりしながら、適当に覚えていきました。 大してしゃべれもしないのに英語で授業をする大学の学部に飛び込み、未だにそんなに上手くはないですけれども、英語…
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当番ノート 第19期
イエローとグレーの間の色の名前かと思ったら、 そういう花があった。 原産はインド。彼方の道。 実も花も葉も染料になる。 motoco oki
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当番ノート 第19期
畑の住人たちにはうれしい 雨の多い春先になりました。 あんなに寒かった冬もおわったと思ったら あっという間に春のよそおい。 お茶畑では根っこからぐんぐんと水を吸い上げて 秋から冬にたっぷり枝にためた栄養をエネルギーに ちいさな新芽を大きくひらかせようとしています。 お茶の新芽の収穫まで、あと1ヶ月半。 ここからあっという間の成長です。 日に日に大きくなる芽をみて、また1年がすぎたなと感じるのです。…
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当番ノート 第19期
家族と長い事過ごした尻尾がくるりと揺れる犬。 今でも茶色いかたまりを見ると、彼を思い出す。 日差しの中で丸まって眠る犬の毛の一本一本が明るい茶色。 なんて男前なんだと思っていた。 何処かの海で拾って来た流木の木目の色。 その上に乗せる色は何だろう。 そのままでも十分美しいのだけど、その木目の茶色い筋をたどる様に 絵の具を置く。 ラオスに行った人の話を聞いた。 ナイトマーケットで一心不乱に人形を作っ…
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当番ノート 第19期
いつも実体験を元に書いています。 今回はつい最近、ようやく父離れをしたお話です。 女性の皆さん、お父さんの匂いが嫌になったのはいつ頃ですか? 私の記憶では12、13歳ごろだったような気がします。 そして同時に、多感で片思いを沢山していた時期だったことを思い出します。 思春期の少女がお父さんの匂いや言動が嫌になる、というのはよく聞く話ですが 思春期の少年がお母さんの匂いが嫌になる、はあまり聞かないよ…
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当番ノート 第19期
【第7話 嘘とヤバい女の子】 ■磯良(雨月物語) 上田秋成の《雨月物語》の中の一話「吉備津の釜」には好きな男に騙されて死に、好きな男を騙して殺す女の子が登場する。 彼女は名前を磯良(いそら)という。 彼女の夫 正太郎は何度も恋に浮かれて浮気をし、見かねた両親に座敷牢に入れられる。 正太郎は愛人と別れるために要ると嘘をついて磯良に金を工面させ、その金を持って愛人と逃避行の旅に出る。 磯良は焦がれて死…
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当番ノート 第19期
私自身は、時々パフォーマンスをして、雑誌編集なんてしているだけで「創作」などとごたいそうな事を言えるようなものはしていないですが、やっぱり胸の内に秘めた「これが作りてえ」という欲があります。 それを辿ってみると、どうも自分が物心ついてから5年以内くらいにした事をもとに、 それを延々と反復しているように思えてきます。 昔幼稚園生だったころ、私は、ぬいぐるみで遊ぶのが大好きだった。 5個上の兄がいて、…
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当番ノート 第19期
mm cafeとは グラフィックデザイナー、音楽家 井関麻理子と、 テキスタイルデザイナー 大木 元子 による、 季節のごはん会。 12月 3月 7月 10月 5月の+草木染めの会 ごはんは素晴らしい。ごはんがあれば、会いたい人たちが集まってくれる。 好きな人たちとのごはんは、全部体にいい。 mm cafe 美味しいごはんをゆるりと。 motoco oki
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当番ノート 第19期
ぼくは毎週土曜日になると 早朝から野菜などを収穫し、お茶を仕上げ、パッケージして 看板やPOPも車に積み込み、朝市の準備をする。 風情ある昔ながらの景観が保存された、東海道島田宿にある川越街道の 荷縄屋という場所で4年ほど前から朝市をやっているのだ。 かつては宿場町で、街道にはかなりのにぎわいがあったと聞く。 何十年かたち、時代の移り変わりとともに街道のにぎわいはなくなった。 地域の景観を生かして…
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当番ノート 第19期
去年くらいから黒を絵の中で使う事が増えた。 そしてその黒のインクをよくひっくり返す。 机に、床に、紙に、ぐんぐん染みて行く真黒な穴。 そんなに世の中はっきり黒や白で収まらない。 穴の夢、昔よく見ていた。 穴がたくさん開いていたり、穴の中で眠ったり。 写真をフィルムで撮っていた頃、モノクロフィルムが好きだった。 今みたいにパシャパシャと撮れないから、光を見て慎重にシャッターを切った。 木漏れ日や雲の…
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当番ノート 第19期
先日渋谷区役所の前で、同性愛パートナーシップ条例反対の運動を見かけて、留学していた頃を思い出しました。 私がパリに留学していた2012年にもフランスでは同性婚への活発な動きがあったのです。 2013年の五月に正式に合法化となりフランスは同性婚を認める14番目の国となりました。 同性婚に関する意見交換は同性同士の恋愛や結婚概念から枠を越えて、異性間でも養子縁組制度や、そもそもの結婚制度のありかた、家…
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当番ノート 第19期
【第6話 顔とヤバい女の子】 ◾︎鉢かづき姫 (ああ、もっと美人に生まれたかった!) 美醜は一般的に女性の永遠の悩みとされている。美醜とは何か。 鉢かづき姫は、頭に被せられた鉢が取れなくなり、顔が見えないと気味悪がられ行く先々でいじめられた女の子です。彼女は鉢をかぶったまま成長し、下働きをしていた家の男と恋に落ちた。 好きな人との結婚を男の両親に認めてもらうため、美しい兄嫁たちと対決することになっ…
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当番ノート 第19期
夜行バスに乗って京都に行ってきた。 5年前に行ったのが最後だが、京都のどこがいいのかは肌感覚で覚えている。 こここそ本来「みやこ」と呼ぶべきところなのだという感覚。「日本史」の大部分を背負っている感じがするところ。 江戸はもともとただの小さな漁村だったということと比べると、東京が持つ歴史の浅さが少し残念である。 でも横浜はまた別だぞ。横浜はいいところですよ。 ぜひ「桜木町」に一度は来てくださいね。…
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当番ノート 第19期
良い風が吹いたら、明日は雨。 雨は恵み。風は喝采。雨上がりの空と雲の祝福。 motoco oki
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当番ノート 第19期
ぼくのお茶畑がある川根という地域は 山あいの、いわゆる田舎です。 暦は春といっても、まだまだ冷え込むこの頃。 この時期は、春といっていいのか、まだ冬でいいのかと悩むほど。 感じるのは 春と冬のあいだ だということ。 冬のあいだ、きつい霜にあたって黄色っぽく変化したお茶っ葉が だんだんと濃いグリーンに戻ってきます。 畑には菜の花が満開になり、ブンブンとみつばちの羽音が。 ダイコンや白菜、ほうれんそう…
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当番ノート 第19期
新緑。 春が近づいて、緑の勢いが増す新緑の季節。 道端にしゃがむと小さな芽が出ていた。芽の側には少し育った葉。 その側にもう少し育ったもの、そして枯れた草。 ぐるりと廻る世界の片隅。 私の住んでいる山手にはたくさんの階段がある。 年月の経った石段の割れ目からひょこひょこと草が生えているのがとても好きだ。 誰かの家から飛んで来たのか、アジアンタムやハーブの類いも時々見かける。 石壁の隙間はパラダイス…
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当番ノート 第19期
数年前、まだ学生だったころ「嫉妬」「本能」「憂い」という3つそれぞれを作品テーマにしたことがあった。 この3つは単体ではなく本能に集約されるのだな、と今頃になって気がついたお話。 よく語られるテーマでもある、女の情緒不安に関して。 圧倒的な孤独に蝕まれる日がある。 おんなという生き物は本当に不思議な生き物で、突然そんな曇った日が訪れる。 理由なんて特にないのですが 「あ、私、いまなんだかとっても寂…
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当番ノート 第19期
【第5話 力とヤバい女の子】 ◾︎いざなみのみこと 日本書紀に登場するいざなみのみことは、日本で最も愛憎の力を持った女性の一人です。彼女は死後、夫であるいざなぎのみことが自分の腐敗した体を見たことに怒りくるい、夫とふたりで作った国を指して「お前の国のひとを毎日1000人ころす」と言う。彼女は作ることができ、壊すことができる。 日本の神話において、彼女は夫とふたりで島や神をたくさん作ったとされる。ラ…
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当番ノート 第19期
▲森と湖。 寒いので冬の話を書きたかった。 しかしあんまり最近冬の空気の中で面白いことをしていないのだ。 それで、もうしばらく前のことになるが、冬っぽい澄んだ空気を擁した、夏のフィンランドの思い出を載せようと思う。 昔書いたものに大幅に加筆、修正したものです。 ——————————…
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当番ノート 第19期
うつろう 風景を装う様に、身に纏う うつろう はファッションデザイナー栗須朋子さんが立ち上げた、ストールのブランドです。 その中で草木染めのラインを展開していて、 その染めを任せて頂いています。 草木染めは化学染料と違って、色も何もかも不安定な方が良い。 作り手があやつれない部分があった方が、それらしいと思うのです。 衣服に今一度たくまざる多様性とばらつき、そして。 木々の葉の様に、全て違うストー…
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当番ノート 第19期
赤い色。赤い実。赤い空。 赤色の服を定期的に身に纏いたくなる。 普段、青色の服を選ぶことが多いのだけど、 一定期間を置いてふと赤い色のものを強烈に欲する時が何故かあるのです。 赤で一番に思い浮かぶ映画は、セルゲイ・パラジャーノフの「ざくろの色」だ。 刺激的な赤色がたくさん出てくる。 赤い服を着た少年を挟んで赤く赤く染められていく糸。 置かれた石榴から流れる赤い色。 血のような赤い色。 あれを初めて…
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当番ノート 第19期
幼心に 女は一生 おんな なんだ、と。 勘づいていた様に思います。 実は私は10代のころに2人の女性とお付き合いした事があります。 恋愛関係のお付き合いです。 初恋も初めての恋人も男の子なので、後天的なバイセクシュアルです。 女性を恋愛対象にみることは極めて少ないタイプなので、バイセクシュアルとしての気質は薄いのかもしれませんが、恋した女性達は私にとって新鮮な人間でした。 新しい世界を案内してくれ…
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当番ノート 第19期
【第4話 罪とヤバい女の子】 ◾︎八百屋お七 井原西鶴の「好色五人女」にも登場する八百屋お七は、恋人に会いたい一心で町に火をつけ、火あぶりにされた女の子です。 彼女は火事がきっかけで出会った恋人にもう一度会いたいと焦がれ、もう一度火事になれば会うことができると考えた。その足跡は羽よりも軽く、熱風にくるくると巻き上げられる。 罪な女はなぜ魅力的なのだろう。 八百屋お七は手を替え品を替え、時代を超え、…
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当番ノート 第19期
ゼンハオ君という友達がいます。 もう先の文章に書いたような気がしますが、2011年から2012年にかけてイタリアに留学していました。 その間に、休みを利用してイギリスにも行った。 ジャグリングフェスティバルがあったからです。 BJC(ブリティッシュ・ジャグリング・コンベンション)という名前で、やっぱりここでもテント暮らし。EJCと同じです。 ▲テントの群れ 会場までは、ロンドンから電車で約二時間。…
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当番ノート 第19期
朝顔。 花の模様は星にみえる。 栄光の朝、だなんて、良い英名を頂いたこと。 motoco oki
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当番ノート 第19期
農家の仕事として 山に木を植え、お茶畑を管理して、畑に種をまき、土を耕す。 多くの人がこれらの風景を見て、自然の風景が素敵だと喜びます。 もともとある自然に、人の手が加わりひとつの自然をつくりあげる。 畑には肥料をまくこともあるし、トラクターなど機械が入ることもある。 不自然のかたまりのようでもあるが 実は自然を生かして、自然に寄り添うように手を加えているだけ。 長い月日がたって、自然に寄り添うよ…
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当番ノート 第19期
私の苗字には、白の字がはいっている。 白。 余白。 空白。 明明白白。 白は憧れの色です。 余白は憧れの場所です。 余白の美しい絵を見ると溜め息がでてしまう。 自分で描くと隅まで埋めてしまう傾向にありなんとも余白とは向かい合えてないように思えていた数年前。 そもそも溜め息を着いてしまう絵はもう白い部分は余白ではなく空間になっているのだけど。 すごいすごいよ、この白は!と心の中で地団駄踏んでいたりす…
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当番ノート 第19期
[日本舞踊演目/鷺娘をテーマにした学生時代の作品より] おんならしさ、おとこらしさ、の正体とは一体なんでしょう。 時代の変化とともに、このその「らしさ」の姿を変えながら議論は続いています。 仕事をして家族を守る、家庭を守る、子供を育てる、といった社会的な事柄から、 話し方、仕草、趣味にいたるまでその対象は尽きません。 例えば、 女の子はピンク、男の子はブルーというイメージ。 料理の出来ない女の子は…
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当番ノート 第19期
【第3話:命とヤバい女の子】 ◾︎八百比丘尼 花の命は短いけれど、命短し恋せよ乙女といいますね。それでは、命が短くない女の子の恋はどうか。 八尾比丘尼は人魚の肉を食べて、不老不死になってしまった女の子です。彼女は誰よりも長生きし、若く美しい姿であちこちを旅した。そしてあらゆる人と永訣しました。 よもつへぐい、とは非日常との交わりだ。 自分と異なるものを口に入れて、それを受け入れて同化してしまうこと…
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当番ノート 第19期
私がジャグリングを始めた時に魅力だと思ったことはなんなのでしょうか。 私は中学三年生の時にジャグリングを始めましたが、その時きっかけになったのは、クラスにいた、数学のよくできる友人S君でした。彼はもうジャグリングをやっていないと思います。私はS君が器用にボールを操っている姿に憧れたわけです。 自分もやってみたら案の定楽しかった。 ジャグリングの楽しさは、見ること、やること、両方にあります。 最近の…
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当番ノート 第19期
m.hunatabiの布で作った、 フナタビBag 新品の時よりも、使い込んで、その人に馴染んできてからの方が、抜群にかわいくなります。 皆さん、とてもステキ。 庭師の話 落ち葉一枚、砂粒一つ疎かにせず、隅々に心を配り、丁寧に手を施しながらも、自らの気配は消し去る。 motoco oki
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当番ノート 第19期
世の中、ほとんどの人の興味にはひっかからないと思うのだが、 ぼくが『たむらのうえん』を背負うようになったことには 少しだけ理由があります。 幼いころの夢は獣医さん。 大学生のころはファッションデザイナー。 ほぼ全くといっていいほど、農家になる夢は持っていませんでした。 ありきたりなのですが、都会にあこがれ、田舎にないものに惹かれて 地元を離れて東京で暮らすことを楽しんでいました。 きっかけは当時の…
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当番ノート 第19期
子供の頃は、黄色が好きだった。 レモンイエローではなくて少しくすんだ黄色。 高校生の頃は、部屋中が黄色だった。 キリン、オムライス、ミモザ、砂漠、月、 黄色いものは全部好きだった。 日本では、太陽といえば子供の頃から赤色で描かれるけれど外国では黄色で描かれる。 先日、サハラ砂漠に行って来た。 辺り一面、砂の世界。 光と影で、世界が出来ている。 風が吹くと形が変わる。 太陽の色で辺りの世界の色が変わ…
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当番ノート 第19期
(映画「心中天網島」をテーマにした学生時代の作品より) 女性に性衝動の芽生えとはいつ訪れるのでしょうか。 男性では「射精」を第二次性徴で迎えます。 射精行為の目覚めはイコールセックス、ではありません。 女性の第二次性徴で訪れる変化は「生理」です。 これも同じく、イコールセックスではありません。 あくまで生理現象の段階です。 わたくしは心理学者でもなければ研究者でもありませんので、主に実体験に基づい…
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当番ノート 第19期
【第2話 靴とヤバい女の子】 ◾︎お露(牡丹燈籠) 中国の昔話からインスピレーションを得て、三遊亭圓朝によって落語の演目となった《牡丹燈籠》には、足のある幽霊が登場する。 彼女は名前をお露ちゃんといい、下駄をからんころんと鳴らして男の家に通いつめ、愛しさあまってとりころす。 彼女の想い人新三郎は、毎晩お露ちゃんの下駄の音に怯えていたといいます。 私は幽霊が嫌いです。円山応挙が最初に描いたと言われる…
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当番ノート 第19期
ジャグリングのフェスティバルというのがあって、それはそれは楽しいのです。 この話はもう何度も友達にしてきたし文章にもしてきたから、知り合いの方は「またかい」と思われるかもしれませんが、それでも私はこの話を抜きにはジャグリングへの愛を語れないのです。 そう。愛。至上の愛。Love Supremeです。 逆にこの話を第二回なんかに持ってきちゃって私はこの先何を書くんだ、と思っている。 私の「ジャグリン…
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当番ノート 第19期
Water fabric ウォーターファブリック 世界中の海の水が染み込んでいる布。 素晴らしい出来事は全て、布に染み込ませてとっておきます。 motoco oki
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当番ノート 第19期
たむらのうえんです。 静岡県の真ん中あたりを流れる大井川上流。 川根という田舎で農家をやっています。 おじいちゃんや父親のあとを継いで農家になろうと決めたのは ほんの数年前。 しかたなし跡継ぎというのではなく ぼくの農業をやって、ひとに感動してもらったり 生まれ育った町に貢献できたらかっこいいじゃないか! というスタートでした。 思った以上にめちゃめちゃ大変な仕事だけど 思った以上に喜んでくれる人…
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当番ノート 第19期
青色ばかりだなあ、と自分のつくったモノを見て思う。 無意識で青色の絵具を手にとる。 手も、高い確率で青い絵具がべったりと付いている。 朝弘さんからのお便り頂いて、こちらにやって参りました。 さてアパートメントという名前だから、私は此処に2ヶ月間住人になったということなのでしょうか。 2ヶ月間、住み着きます。お世話になります。 このアトリエでさて何をしようと思い、色について見てみようかと。 一枚目は…
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当番ノート 第19期
初めまして。 この度ご縁あってアパートメントに入居することとなった聖渚(せいな)と申します。 まずは簡単に自己紹介を お仕事はランジェリーデザイナー、けれど自分では「感情の観察者」と名乗ったりもしています。 オリジナルブランドの立ち上げに携わり(私のサイトを参照下さい^^)、現在は複数の方とランジェリー含め女性に向けたセクシャリティに関わるお仕事をさせて頂いています。 日夜女性の感情を掘り下げてみ…
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当番ノート 第19期
はじめまして、はらだ有彩です。 今日から2ヶ月間、ここで記事を書かせていただけることになったのでうれしいです。 私は日本の民話をモチーフにしたテキスタイルを作っています。 ここでは日本の民話に登場するヤバい女の子、ジャパニーズ・デモニッシュ・ガールたちの涙について、想像したいと思います。 かわいくつよい女の子、その涙をどうか拭かせてほしい。 ーーーーー 【第1回:日本のヤバい女の子】 ◾︎清姫(道…
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当番ノート 第19期
ジャグリングの雑誌、ってなんだろう。 青木直哉といいます。書くジャグリングの雑誌:PONTEの編集長をしています。 2014年の9月に大学を卒業しました。専門で勉強していたことは特になく、好きな授業を取って、文章を書いたり、外国語を勉強したり、ジャグリングをして過ごしていました。 卒業後は、アルバイトをしつつ「ジャグリング雑誌」を作って売って、ふにゃふにゃ喜んでいます。 ときどき、パフォーマンスも…
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当番ノート 第19期
m.hunatabi 日常の中の創造の旅 m.hunatabiは私の手染めの布のブランド名です。 この名前にたどりつく前には、”玄米”とか、”朝ごはん”なんて言葉も書き出したりしていて、(私はとにかく食べ物が好きなのです)思い止まって本当に良かったと思っています。 ある時から、私の風景はただの風景ではなく、全てがモチーフとなり得るものになりました。 …