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2F/当番ノート

それではまたどこかで

当番ノート 第50期

4月頭から二ヶ月に渡った連載も今回が最後。1週間ごとにその時に感じていることを書いていたように思います。箸休め的に楽しんでもらえていたら幸いです。




振り返って見るとこの二ヶ月は住んでいるフランスはコロナ一色でした(多分日本も同じでしょうが)。5月11日に外出禁止令が解除されるまではスーパーに行くのさえ許可証を印刷してサインしなければならないほどの厳重さでもちろん遠出は禁止。私権がここまで制限される事態は数年前の同時多発テロでもなかったので、ある意味とても貴重な経験となりました。


国境も閉じられていて、フランス・ドイツ間に再び国境コントロールが設けられるなんて不思議な感覚でした。ブレクジットでイギリスのEU離脱が決まってこのタイミングでコロナ。子供の時はずっと疑いなく信じていたEUの統合とは逆に分裂していく欧州を見せつけられて行くような瞬間でした。良くも悪くも今は世界が変わって行くターニングポイントだと思います。ただ、いくら変わろうと自由を尊重する精神が生き続けることを願っています。

観光客のいないパリで、ノートルダムの再建工事もまた再開される。陽光だけは毎年平等に美しい。


私自身のことで言えばとりあえず展示がことごとく中止or延期になりました。パリ、東京、京都の個展と大規模なグループ展。ちょうど集中して展示を開催して行くタイミングだったので、その全てが影響を受けたのはなかなかショックでした。でも意外?に回復も逆に早くて作品を深める時間をもらったように思います。世界がどうなろうと制作をしなければならないと改めて気づかされる日々でした。あと作品を整理したりHPを充実させることができたのはとっても良かった。いきていればまた明日が来ます。

加えて言うならこの連載中の4月に誕生日を迎えたことが気持ちの変化の上では大きい。30代最後の年になり自分に残された時間を考え始めないといけない段階になって来ました。まあ全く時間がない。このことだけは確か。やり遂げたいな。いろいろ飽きっぽい自分ですが作品作りだけは続けて来たのでやはり本当に好きなのでしょう。これからまた深めていきたいと思います。重要なのはラディカルであること。

そんな感じでしょうか。

またいつかどこかで会いましょう。
それまでお元気で。


澄 毅

澄 毅

写真で作品をつくっています。
文章を書いたり、ドローイング的なことも好きです。
1981年に京都と大阪の境で生まれ、12年東京に住んでからパリに在住。
2012年に写真集「空に泳ぐ」(リブロアルテ)を出版。
2019年には二番目の写真集として「指と星」(リブロアルテ)を出版
マイペースな時と締め切りに追われる繰り返しに平穏を感じています。

Reviewed by
鈴木 悠平

自由に外出できなくなったり、予定していた展示が中止になったり、思うようにいかないことも少なくない。だけど、世界がどうなろうと変わらないものは確かにある。光が私たちを導いてくれる。

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