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2F/当番ノート

ぽかぽか

当番ノート 第50期

光合成。
高校の時に通っていた河合塾で我慢比べのように西日をずーっと浴びていたのを思い出す。あれが光合成(日向ぼっこ)初体験だったかな。直射日光はなにか挑みかかりたくなる感じがした。当時鬱屈しまくっていた自分にとってあの光と熱に挑みかかりながら血が沸騰して、最後にはのぼせたように熱と一体化する感覚が好きだった。あれからだいたい20年くらい経ち、最近の光合成は午前中になっている。それは今住んでいる家に光が刺すのがお昼過ぎまでだからだ。西日の太陽より午前中の太陽は寛容な感じの陽光で、「包まれてる感」がすごい良い。ポカポカ、pokapoka、ぽかぽか。

人間というのは恒温動物なんだけど、常に体温を高くしないといけない関係でエネルギー消費量が凄まじい。もし真のエコロジスト社会にするなら人間を変温動物に変えるように研究すべきだ。そうすれば少ないエネルギーで済むので自然を傷つけなくて済む、それに朝になったら皆日光浴をしないと動けないのだから当然争いも減る。ポカポカは人に余裕を与える。平和だ。「パクス ロマーナ」「パックス アメリカーナ」より「パックス ポカポカ〜ナ」の方が絶対良い。

そういえば私の幼稚園の時のなりたい職業は「おむすび屋さん」だった。理由はラクそうだから。まあ、現実を知る前の戯言だから許してほしい。それよりも楽をしたいなら変温動物だ。多分おむすび一つで1日大丈夫だろう。ああ、働きたくない。。ポカポカしたい。

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そんな戯言を書いているうちに世界は大変なことになっている。コロナだ。コロナで色々なことが顕在化しているが、その中の一つが政治というのは異議ないだろう。

今回のコロナの様に国境を跨いでふりかかる事態だと、ある国はマスク2枚配布だ、ある国は5000€給付だ、となんだか国別対抗大喜利感が出つつある。そうした中から「自分たちの選んだ人たちは何をできるのか」がすごい可視化されている。まあ、もちろん不満は一杯だ。そんな時、私がよく思い出す言葉が「民主主義の政治は結局、その国の国民のレベルを超えたことはできない」という言葉だ。まあ、そりゃあそうだ。独裁者がすべて決めて、失敗したらそれを責めるというシステムではなく、自分たちで決めて、責任も自分たちで負うというシステムを選んだんだから。手間がかかるが、歴史で色々と痛い目にあって私たちは現在この政体を選んでいる。ならレベルを上げていかないとね一人一人。これしかない(キリッ)

まあ、どうレベルを上げて行くのかが問題だ。私の考えでは、一つの流れに無自覚に乗るのではなく、また「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」で感情論で混濁することのないようするだけで、だいぶんクリアに見えるようになると思う。とにかく今のSNS社会は100パーセント肯定か100パーセント否定になりがちだが、だいたい現実はそうではない。本当に100パーセントにしたかったら独裁しかない。そしてそれは良くはない。

私は今自分の肩書き的には美術家や写真家ということが多いが、ハタチの頃は政治家になりたいと思っていた。まあ、子供の時にVHSに熱心に撮っていた番組が「朝生」だった人間です。弁論大会に出たり、地方選挙の手伝いをしたり、新宿駅とか地方で遊説をしたりもしていた。

結局最終的には自分は政治家向けの人間ではないなと判断したのでこの道には行かなかった。もし行っていたら全く違う人生だったろうな。うーん、でもいま想像しても私はこちらの方が合っている。まあ、理想主義者ですからね。そんな私は日向ぼっこしながら作品を作るのが一番平和。ポカポカポカポカ。

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さて、上記の二つのパラグラフを書いた私はシャワーを浴びた。気持ちいいね〜、暖かくもなる。でも、やはり光合成(日向ぼっこ)を前にすると物足りなさを感じてしまう。そう光がないじゃないか!。シャワーの水の感じも捨てがたいが、やはり光があると良い。そんな光は私にとって作品の重要なテーマともなっている。

私が最初に出した写真集、「空に泳ぐ」。この写真集には光を主体的に用いて制作した作品が沢山収録されている。写真は家族や社会、世界を写すのだけれど、その中のある部分(主に顔の部分)に光を通すことで、見る人それぞれに新しい世界を見出してもらおうと思った作品だ。このコンセプトだけなら、別に光はいらないように感じるが、私には光が必要不可欠だと感じた。それは光にはなにか、癒す力のように、穴をあけられ破損した写真の世界を包んで行く力があるから。その力は美と言い換えても良いかもしれない。それがなければ「痛み」だけが先行して、その先の世界を見いだすことは厳しい。痛みと理だけでは人は前に進めない。美が人を前に進ませるのだ。

もし興味がある方は出版社のリブロアルテさんで購入できる。
そうすると私も嬉しい(儲かるかもしれない)

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光はエライ。改めて私は光のファンになってしまった。


さて、今回はこれくらいにしよう。日も傾いてた。
ちょうど接続が良いので次はこれまでに出した二つの写真集「空に泳ぐ」と「指と星」の話でもしたいと思う。

良い日々を。どうか元気で。

澄 毅

澄 毅

写真で作品をつくっています。
文章を書いたり、ドローイング的なことも好きです。
1981年に京都と大阪の境で生まれ、12年東京に住んでからパリに在住。
2012年に写真集「空に泳ぐ」(リブロアルテ)を出版。
2019年には二番目の写真集として「指と星」(リブロアルテ)を出版
マイペースな時と締め切りに追われる繰り返しに平穏を感じています。

Reviewed by
鈴木 悠平

光。

ポカポカと、私たちをやさしく包み込んでくれる光。
パッと照りつけて、私たちが抱える影の存在に気づかせてくれる光。
スーッと静かに、私たちの往くべき道を指し示してくれる光。

生きることは光とともにあることだ。

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