お直しカフェ
こんにちは。元気ですか。 あんまりにも久しぶりなので、この半年にちまちま進めたお直しの振り返りからいってみたいと思います。 ・靴下のダーニング 軍足のお直し。透けて大きな穴になっていたので、太めの毛糸で広範囲にダーニング。家族が増えて、穴が空いた靴下が出てくるペースもぐんと上がった。女性がファッションを兼ねて大事に選んで履く靴下と、男性が作業着の一部みたいに必要不可欠なものとして履いてる靴下じゃ、…
当番ノート 第56期
この「Air」は、「エアー」じゃなくて「アリア」である。さて、エヴァにちなんでタイトルを付け続けているが、今回ばかりは特に何の意味もない。何も考えずに、タイトルだけを決めてしまった。後付け、コジツケ、なんとか。アリア、すなわち「G線上のアリア」である。G、すなわち「Ground」である。「地上のアリア」である。早速、何を言っているのだろうか。 少々血迷っているが、グラウンド上のアリアなので、無理や…
当番ノート 第56期
僕の中にあるのは、凪子の思い出なのです。 凪子はときどき、写真を撮ります。彼女は使い捨てのフィルムカメラを持っていて(要するに、それが僕なのですが)、そのカメラをいつも持ち歩いているのです。使い捨てカメラはすごいです。フィルムというだけで味が出るので、凪子のようなド素人が撮影しても、それなりに趣のある素敵な写真になってしまうのです。例えば、日陰だったり、逆光だったり、室内だったりで被写体を撮る…
当番ノート 第56期
4月から、ベランダに沢山日が差し込むようになった。寒い間押し黙っていた植木達がぐっと伸びをして思い思いに伸び始め、柔らかい新芽がにょきにょき顔を出している。病気になってから植木を育てることが趣味になった。多肉植物、サボテン、エアープランツ、バナナの苗、ハーブ、ビカクシダ(熱帯のシダの一種で葉っぱがかっこいい)、オージープランツ(オーストラリアや南アフリカ産の植物。ドライフラワーにアレンジしやすい)…
当番ノート 第56期
緊急事態宣言下。ゴールデンウィークらしいが、金色にしては随分とくすんでいる。仕方ないけど、外には出づらい。きっと、地面も賑わってないはず。 地面は、人の動きに合わせて変化することが多いから、こうして外出が制限されると変化が途切れる。しかし、一方で前回書いたように雨風の影響を受けて自然に変化する地面もある。人の動きが制限される状況だからこそ見える地面もある。それを見付けに散歩に出るのもまた一興である…
当番ノート 第56期
5 凪子のブラジャー わたしは凪子の胸を締め付ける。凪子の、大きくも小さくもない胸を。そう。凪子の胸は大きくも小さくもない。エロいとか、デカいとかいうわけでもなく、言うなれば、カワイイ、という感じだろうか。凪子の胸はCカップで、真っ白で、やわらかい。総じてカワイイ。 凪子の胸を締め付けているとき、わたしは、凪子を守っている気分になる。彼女は世の中のいろいろなものから狙われていて(特に、男か…
当番ノート 第56期
モネは、私が手をひらひらさせるといつも嬉しそうにしっぽを振り、手の下にやってくる。そのまま腰やお尻、首を撫でていると、体をくねくねさせ、猫のように私の足に体を擦り付けてくる。いい子、いい子、可愛いね、と言いながら、座り込んで背中を撫でてやると、モネは私に背中を向けて足の間に座りこみ、背中のマッサージを要求する。そのまま念入りに首から背中にかけて、皮膚を軽くつまむように撫でてあげていると、目をとろん…
長期滞在者
先日香川県の地方都市に出張した。 高松から電車で1時間半ほどするそのエリアにはビジネスホテルが無く、民宿に泊まることにした。宿は寺院の裏手にあり、主にお遍路さんの際に利用される宿であった。その宿では、まるで1年分の疲れを洗い流せたかのような落ち着いた時間を過ごすことができた。 無事出張を終えた後、帰りに高松で一泊し、男木島で昼寝をし、夕方のフェリー便で実家の神戸まで帰った。 その後、神戸の実家で1…
当番ノート 第56期
毎朝、起きたら「知っている天井」がある。一方で、下に広がっているのは「知らない地面」。知らない、というか、毎日変わり続ける「地面」がある。今日の地面も、明日の地面も、私たちはまだ知らない。 そんな地面に現れる、私たちの想像できる範囲を逸脱した「使徒」の存在。地面に”襲来”する「使徒」こそが今回のテーマである。 ハイ、また何を言っているのか全然分からないので丁〜寧〜に掘り下げる。いつもス…
長期滞在者
四十路を迎えたら、和装で日々を過ごしたい。 ――いつごろからから、私はぼんやりと夢に見ていた。 なぜ四十路なのか。20代の私には和装がとても敷居が高いものに思えた。30代の一時期、アルバイト先で習った記憶を頼りに着付け、和服を普段着にしていたのだが、身心の健康を喪失したことによりフェイドアウト。そして11年前、まだ乳児であった息子と共に、神奈川県から帰郷した当時の私が35歳、「まあ40を迎えるころ…
当番ノート 第56期
4 凪子のコンタクト 僕の見ている世界は、要するに、凪子が見ている世界だ。それ以上でも、それ以下でもない。だって僕は、凪子のコンタクトなのだから。凪子が朝、僕を目に入れて、夜、外すまで、僕はずっと、凪子の世界を見ている。 凪子は美しいけれど、彼女の見ている世界は、何もかも美しいわけではない。汚いものもたくさん見る。道端に吐き捨ててあるガムだったり、裏路地を埋め尽くすゴミだったり、そのゴミに…
当番ノート 第56期
今日は朝から雨が降っている。私は雨の日がとても苦手だ。重くどんよりした空気が体の中に入り込み、体がだるくて仕方がない。まるで自分が、緩く絞った水の滴る雑巾になったよう。体の痛みや頭痛もいつもの3割増し。カーテンからちらりと見える灰色の空は私の気分も曇らせて、頭がいつもよりずっと働かない。今、この行まで書くのにも、何度も何度も書いたり消したりを繰り返している。 この病を患ってから、雨の日に限らず、い…