管理人だより
こんにちは。アパートメント管理人室です。 このたび、住人さんの作品を販売する期間限定のショップをオープンしました!作品は以下、minneのページからご覧になれます。 https://minne.com/@apartment-s アパートメントではリニューアル時から、住人さんの活動をもっと知ってもらうための機会を作りたいと考えていました。今回のマルシェはそのひとつ。普段アパートメントのページ上で見て…
鍵を開けて 詩人が「しょぼい喫茶店」に立った日々のこと
「しょぼい喫茶店」での営業について書いてみよう、と思ったときと今とでは、ずいぶん世の中が様変わりしてしまった。こういうふうに書くのさえ、今さら言い尽くされたことだと感じるほどだ。当たりまえのように毎週店をあけ、肉体ごと集まってくる人を肉体ごと待っていた日々が嘘のように、今や会うことはおたがいにとってリスキーなものになった。 さいきん、会うことへの郷愁のようなものがあちこちに漂っているのを感じる。ビ…
当番ノート 第51期
黒下さんとの出会いは、夜の帰り道だった。 近頃の私の楽しみは、このコラムの第二話に登場する渡辺さんのいるスーパーよりも、少し離れたところにある高級な食材や輸入品が多く並ぶスーパーへ行き、いつもより質のいい食材や変わった野菜、果物を買うこと。 散歩ついでに少し遠回りしながら上機嫌で一直線の道を歩いていると、公園の隣にある凹型にくぼんだゴミ捨て置き場から視線を感じた。 暗い中、目を凝らしながら進むと、…
長期滞在者
4ヶ月ぶりにマイクを握って司会をした場所は、ライブハウスだった。 2020年7月4日。埼玉県にあるライブハウス、浦和ナルシスからYouTubeを使って、13時から17時までの生放送を行った。タイトルは「バンギャがライブハウスを借りてみた」。バンギャルの哉美さんが特別給付金10万円全て使って、音楽、バンド、ライブハウスでできることとして、ライブハウス、浦和ナルシスで曲をかけて、ステージには照明をあて…
長期滞在者
職場(西宮)から自転車で寄り道して帰る定番ルートの一つに、武庫川沿いを北に伊丹方面まで遡上して尼宝線から尼崎へ帰ってくるコースがあって、その途中に時友という地名がある。 一部建て替えがはじまった古い市営団地があり、人口減で寂れてきた商店街があり、町全体が贔屓目にも華やいでいるとはいいがたい場所だが、いつもそこを通過するたびにバス停や商店街の看板の「時友」の文字、この地名がなぜか気になってしかたがな…
当番ノート 第51期
姉と二人暮らしをしている家に、妹が遊びに来ました。「彼氏とは2週間前に別れたよ。今日は新しく出会ったサークルの先輩とデートをしてきた」と言うのです。 小学生の頃から部活一筋だった妹は、この1年半、一途な恋愛を楽しんでいました。多感な思春期、部活に打ち込んだ反動か、とにかく勢いが凄まじくすべての行動の意味が彼につながっていました。「意外とあっさり別れたな」と横目に見ながら、自分の18歳の頃を思い出し…
当番ノート 第51期
「ちょっと上がってお茶でもしていかない。」 お寺を散策した帰り、ふらっと立ち寄った陶器屋さんの店主のおばあさんに声をかけられた。 このご時世で観光客は少なく、お客さんは私しかいなかった。 立ち話をしながら、最近私が近くに引っ越してきたばかりだと言うと、それじゃあとおばあさんが誘ってくれたのだった。 店の上がり口のすぐ先が平家の住まいになっていて、やや大きなダイニングテーブルが部屋の真ん中にあり、 …
長期滞在者
コロナとの共存生活が長くなると、時々人にあっても、なんとなく暗い話題が増えてくる。 特に僕たちの周辺はフリーランスが多いから、出口の見えない状態が長引くとなんとなく暗い気持ちになる。ただの風邪だ!と豪語してコロナに感染したどこかの国の大統領は論外としても、何十億年の地球の営みという大局的な見地からすれば、この星はちょっと風邪を引いたくらいのものかもしれぬ。そのうち必ず治ると信じて、意識的に目先を変…
当番ノート 第51期
初めて客人を部屋に招く時、嬉しい反面、少し緊張もする。 最寄り駅から家までを横並びで歩きながら、「この人は、私の部屋を見てどう思うだろう?」そんな他者評価が気になってそわそわしてしまう。 プライベート空間に招き入れるわけだし、正直、心を許した人しか入れたくない。大人になって、本当に付き合いたい友人が選べるようになった今だから、友人のほとんどが心許せる人物だと思っている。だから、来て欲しくない人はそ…
Mais ou Menos
まちゃんへ 7月になって、まちゃんが復職したこと、すごいことだと思ってます。 久しぶりに会社の人とやりとりしたり、案件の対応をしたり… リモートワークの様子を見ていて、すごいなぁと思いました。 6月の下旬頃は、自分も早く仕事復帰しなきゃ…!と焦ってしんどくなってたところもあるんやけど、今はまちゃんのことを家でサポートしつつ、自分の体調やメンタルが良い状態をキープできるように、毎日過ごしていこうと思…
当番ノート 第51期
このコラムの最初に書いた、山田さんの働くコンビニ。あまりにも頻繁に通っているせいで、山田さん以外にも、いつも出会うあの人のことを覚えてしまっている。 コンビニに行くと、必ずガードレールにもたれかかりスマホをいじっている青年の存在。時間を置いてコンビニの前を通っても、まだそこにいるので、たぶん3時間くらい滞在しているのではないだろうか。 私は、彼をミスターチェンマイと呼んでいる。 小太りではっきりと…
スケッチブック
6月1日 家の空間が違う。たとえば、バンドのメンバーがひとりおやすみ、ってこういう感じなんだろうな。ひとり分の音、気配がない昼間。夕方並んで歩いていると「お昼ご飯がすっごく美味しかったの!」 としおは言った。私たちが頑張って作っていたお昼は…? と、思わず拗ねそうになったけれど、楽しくてよかった。保育園、再開の日。 6月2日 昨日とても遅ればせながら、アメリカで起きていることの記事を読んだ。そして…