Serait ce possible?

第4期(2012年8月-9月)

朝、あの人は目を覚ます。

いつものように一日が始まる。

あの人は一緒にいるその人と一緒に旅した思い出の旅行の記憶が全くない。
確かに行ったあの場所。
たくさんの写真の中で、あの人はその人と笑顔でいる。
まばゆいほどの太陽と共に。

他にもある。失った記憶。
あの人の歴史の一部をぽっかりと。

まちがいなくあの時間はあの人と共にあった。

不思議なものでそれは地震によってできた地割れのように
あの人にとってぽっかりと
空間ができてしまっている。
 

一部がぽっかりとないのだ。

あの人は今日も元気だ。
その人も元気だ。

あの人は記憶を失ったのか?それとも意識の深い奥底で眠っているのか?

取り戻せるのならば取り戻してあげたい。

どこかに鍵穴があって、鍵さえあれば記憶のドアを開けれるのだろうか?

Serait ce possible?
それは可能なのだろうか?

そんなあの人を想って踊りました。

心を込めて。