冒頭の宣伝で恐縮だがいま展示をしている。
「ボンマルシェ(Le Bon Marché)」というパリで一番古いデパートの二つの建物を繋ぐ橋のスペースにグループで展示させて頂いてる。デーマはパリの左岸。パリはその街の中心をセーヌ川が東から西に流れ、川を下る方向から下流を見た際に観た右側(北)を右岸と呼び、左側(南)を左岸と呼んでいる。ルーブル宮殿やオペラ座、凱旋門といった国家的な建築物を始め、プランタンやギャラリーラファイエットといった主立ったデパートも右岸に集中している。一方でこのボンマルシェがある左岸はどちらかというと庶民的であり、気取らない場所だ。私はパリをよくメトロやバスに乗ってぐるぐるしているが左岸が好きだ。
今回はそんな左岸でテーマに作品を撮り下ろした。
そして展示をして頂いて、先日観に行ってみたがそこで嬉しい発見があった。それは作品のガラスにこの左岸が写り込んでいたことだ。作品自体はどこの場所に展示してもそれ自体が変わることは無いが、この写り込みはそこでしか出会えないもの。左岸をテーマに作成した作品に左岸の風景が写り込んでいることに物語を紡げそうに感じる。
街も人も空気もここでしか感じられないもの。
新しい場所と空気に触れてまた新しい作品をつくっていけそうだ。