ボツがボツであるために
「欲しいような、いらないような…」
ハズレ(いらないもの)をアップデートした作品を、ハズレの上位互換品と命名して制作している私ですが、
その制作過程でいくつものボツ案が生まれています。
「ボツ案とはいえ、形にしたらそれなりに面白いのでは?」
「私がボツにしているだけで、意外とボツじゃなかったりするのでは?」
という考えで始まったのが、この週刊ボツです。
記念すべき創刊号では、ブックカバーのボツ案を3つ公開しました。
今回は「便箋のボツ案」
週ボツ 第2回の今回は、
「焼き餃子レター」が完成するまでに思いついていた、便箋のボツ案公開!
ちなみに説明しておくと、焼き餃子レターは
・簡潔に伝わりやすい文章の量は、ひとくち餃子くらいの大きさがちょうど良いのでは?
・簡単な折り畳みで立体的になる形は、餃子がベストでは?
というコンセプトから制作しました。
我ながら、「欲しいような、いらないような…」
週ボツ、今回もネタ帳に書いてあった走り書きのボツ案を、それなりに見せられる形にしてお届けします。
ボツ!新聞のラテ欄レター
新聞のラテ欄レター。
テレビ番組の見所を短くまとめてある新聞のラテ欄みたいな手紙が書けたらいいかも…なボツ案。
今は昔ほど新聞に馴染みのない方も多いから、パロディとして伝わらない可能性もあるし、手紙を書く人がラテ欄っぽい文章を書けないと微妙に成立しないので、その仕組みをこちらで作れないとダメかな〜と思ってボツ。グリッドを用意してあげるくらいのことはできるけど。
あれっ…でもなんか…ラテ欄みたいな日記帳だったら時間表示部分も活きてくるし、使えそうな気もしてきた。「衝撃!既読スルーされて二週間が経過!」「渋谷の激安居酒屋で朝まで大満足⁉︎ 出演:◯◯ ほか」とか書いたりして。ボツに向き合ってみると、いろいろと考えちゃうから面白いな〜。
ボツ!焼け焦げたレター
焼け焦げて、一部だけ残った便箋。
「ちょっとしか文章が書けない便箋」と考えると、なんだかマイナスな印象しか浮かんでこないけど、
そこを逆手に取ることで、本当に伝えたい気持ち(=手紙が焼け焦げても、残って欲しい文章)が炙り出されるアイデアになるな!と気づきました。
なので・・そうなんです、ノート用のアイデアとして再利用しました。
まさかの脱ボツ!おめでとう!
最近ちょうど、「ノートでなにか作品を作れないかな〜」と考えていたので、いいタイミングでアイデアに出会えました。この連載のおかげだ。(笑)
これまでの作品の中でも、ベスト3に入るくらい好きな作品ができあがりました。
ボツ!ガムテープレター
プレゼントが入ったダンボールなんかに、ベッ!と貼って使うガムテープの便箋。
ガムテープに罫線をプリントしただけの単純なアイデアですが、「ガムテと手紙でガムテガミ…悪くはないなぁ…」って声に出したりはしました。アイデアとネーミングがビシィ!っとハマると「いける!」と思うんですが、個人的にはちょっと微妙。
でもガムテープにメッセージが書いてあると、なんかグッとくる感じありますよね。
東京に住み始めたばっかりの頃、実家からの仕送りのダンボール箱に「東京でも体に気をつけて頑張って」と書かれたガムテープが貼ってあったから、そう感じるのかな〜。
で、思い出して気がついたんです。
「ガムテープは無地なんだから、余計なことしなくても文字書けるじゃん!」って(笑)
まあでも、罫線があったほうが書きやすいし、「ここに文字を書くのね」ってイメージしてもらいやすくなるよね。
「はい、ボツ!」とは言うものの
連載用に3つのボツ案を形にしてみましたが、ネタ帳には
・迷路の便箋 → 文字を集めながらゴールすると…?
・4マス便箋 → 言いたいことを四字熟語みたいに簡略化
・便箋トファンゴッホ → 具体的なことは何も…
みたいなことが書かれていました。
思いついたものはとりあえず書き出すタイプなので、はじめは具体案がないものだらけです。「じゃあどんな感じになるのか、ちょっとやってみようか」って、漫才の導入みたいにひとりでブツブツ始めたりしてね。
面白いアイデアをスパーン!とたくさん出せる自分であってほしいけど、基本的にはつまらないアイデアをたくさん出して、「少しでも面白くできないかな」ってプロデュースしてる作業に近いです。信じられないと思うのですが、これが本当に楽しくて、やめられないのです。
★いま いませんのボツが読めるのはアパートメントだけ!次回もおたのしみに。