ボツがボツであるために
「欲しいような、いらないような…」
ハズレ(いらないもの)をアップデートした作品を、ハズレの上位互換品と命名して制作している私ですが、
その制作過程でいくつものボツ案が生まれています。
「ボツ案とはいえ、形にしたらそれなりに面白いのでは?」
「私がボツにしているだけで、意外とボツじゃなかったりするのでは?」
という考えで始まったのが、この週刊ボツです。
今回は「はんこのボツ案」
週ボツ 第4号の今回は、
「忍者のハンコ」が完成するまでに思いついていた、はんこのボツ案公開!
ちなみに説明しておくと、忍者のハンコは
・かすれ・ブレによって忍者が忍法を使っているようにみえる
・うまく押せなくても成立するはんこ
です。あるあるネタを使った作品だったからなのか、なぜか反応がよかった。
我ながら、「欲しいような、いらないような…」
週ボツ、今回もネタ帳に書いてあった走り書きのボツ案を、それなりに見せられる形にしてお届けします。
ボツ!だるまのはんこ
見ての通り、だるまのはんこ。
はんこって紙に押すことが多いのかなと思うんですが、「ボールペンとか鉛筆で描き足すことができる絵が面白いんじゃないかな〜」と思って考えたアイデア。だるまなので、目を入れることができるというもの。
たとえばスケジュール帳の大事な日にポンっと押して「うまくいきますように」と願いながらボールペンで左目を入れる。で、うまくいったら右目を入れる…みたいな使い方を想定。
悪くないけど…そのままというか、ひねりもないのでちょっと微妙かな。ボツです。
ボツ!ハテナのはんこ
クリアパーツを仕込んで、クエスチョンマークみたいな形のはんこ。
はんこのイヤ〜なあるあるに、「まっすぐ押せずに傾いてしまう」があると思います。
なので「傾きが強くても成立するはんこってなにかな〜」と考えているときに「クエスチョンマークって、傾くとよりクエスチョン感が強くなるな〜」と思って。首を傾げるというジェスチャーとリンクするからなのかしら。
あとはんこって、なんか「決定!」のときに押すイメージありますよね。だから、わからないとか納得できないときに「わかんないです!」って恥じることなくポンッと押せるはんこってなんかいいなと思って。
ということでみなさんお気づきの通り、脱ボツです!
脱ボツ三回目ともなると、珍しいことでもなくなってきましたね。
ボツ!スイカのはんこ
これは…なかなかヒドい。笑
赤くて丸いもの=スイカの断面 ってところから思いついたものです。
基本、インクは一色なので種の部分は白くなるんですが、スイカって白い種もあるし、好きなところを鉛筆で塗りつぶして黒い種にすることもできるから、なんかいけるかもな〜と。
でも「なんでスイカ…?」って言われても説明できないし、こうやって実際に作ってみると、なかなかの微妙さ。
スイカ食べました記念でスケジュール帳にポンって押す使い方しか思いつかない…ボツです。
「はい、ボツ!」とは言うものの
連載用に3つのボツ案(1つは脱ボツ)を形にしてみましたが、ネタ帳には他に
・サ印 →サイン波のはんこ
・UFOのはんこ→UFO型でミステリーサークルが出現する
・霜降り朱肉→お肉みたいな形の朱肉(霜降り部分でデザインにムラができる)
みたいなことが書かれていました。
「テレビってつまんないよね」って声が周りでも聞こえ始めた時に、なんだかそれで「だよね、つまんないよね」って言うのもつまらないので、私は「テレビって面白いな〜!」という気持ちでテレビを観ることにしました。元々テレビっ子だということはありますが、そうすることによって、もっとテレビの良さとか面白さに気づいていく。だから世間的にそういう否定的な声が大きくなった時は、その対象を深く知るチャンスだな〜と思ったりします。
忍者のハンコを作った時も「はんこは不要」みたいな意見をよく見かける時期でした。「はんこってたしかに…」と色々思うところもあります。だけど「みんながいらないと言っているものを、面白くできたらな〜」っていう気持ちがあったからこそ生まれたアイデアだったかなと思います。
様々な制約の中で、どうにか面白くできないかな?と工夫している作品は、やっぱり魅力的だなと思います。
★いま いませんのボツが読めるのはアパートメントだけ!次回もおたのしみに。