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当番ノート 第46期
ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオの長編アニメーション映画『ピノキオ』に、プレジャー・アイランドという遊園地で好き勝手に遊びまくった子どもたちが人身売買にあう場面がある。しかも、どういう訳かロバにされてしまうのだ。子どもが「ママの元に帰りたい」と泣き叫ぶなか蹴飛ばされ、ピノキオと行動を共にしていたランプウィックが「ママーー!!」と絶叫しながらロバに姿を変えるシーンは、未だにわたしのトラ…
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当番ノート 第46期
ここにもの書く2か月で何か変わるだろうか、と期待していたけれど実際はそんなことは無く、相変わらずうだうだと働いているというのが正しい。 先日、会社で秋の歓迎会があった。 私の働いている会社では、一年を通して履歴書が送られてきて ぱらぱらと新しい人が入社してくる。そのため半期に一回、親睦を兼ねた歓迎会が行われる。 1人、同い年の人が入ってきて、彼女が夢を持って会社に入ってきた人だったので 特に何も考…
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当番ノート 第46期
ここでのエッセイも今回で最後、何を書こうか、とても迷った。2ヶ月間、自分自身について書いてみて思ったのは、わたしはまだ、わたし自身のことがよくわからないということ。 自分の思う自分とは、他人のまなざしを積み重ね、それによって自己像が少しずつ、ほんの少しずつ鮮明になっていくもの。優しい、気難しい、面白い、社交的、そういった気質は他人との比較のうえで生じてくる。誰とも比べず、他人の目を気にせず、内面化…
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当番ノート 第46期
8回目の投稿です。「トルコで出会った女性たち」シリーズ最終章です。トルコで出会った印象的な女性たちとそれにまつわる私の記憶を書いています。1回目の投稿「ハティジェ」の冒頭にてこのシリーズの説明を詳しく書いておりますので、一体何について書かれているのか混乱された方はどうぞそちらをご確認ください。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー…
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当番ノート 第46期
深夜0時が過ぎようとしていた。私は眠気で目の玉がひっくり返りそうになりながら、都内の居酒屋で彼女の話を聞き続けていた。トピックは、「パートナーについて」だ。 「こんなこともあって……」 「うんうん……」 この類の話は、(酒が入ると余計に)終わりがみえない。それでもこういうとき、私にできることはただひとつ「聞く」だけなのだ。 * 私にもパートナーがいる。出会ってから10年、結婚してからは8年目。子ど…
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当番ノート 第46期
すごい発見をした。 仕事で注意されたとき治すべきなのは仕事のやり方であって性格ではないと。 例え「あなたのその態度が良くない、改めた方がいい」と言われてもそれは決して私の人間性を変えろと言われているのではなく、 仕事に対する態度のことを言われているのだと。 仕事の仕方を変えればいいのか。 皆こうやって働いてんですね。 うろこ。 * まあいつも通りなのだけど、 私の雑な仕事の仕方(やりっぱなし。すぐ…
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当番ノート 第46期
身体が追いつかない。先週起こった出来事からの影響はとてつもなく、家にいると、なにもやりたくない状態に沈んだまま。見たくもないテレビをつけっぱなしにして、見たくもないSNSを眺めたりして、寝たくもないけれど、強いていうならそれが楽だから横になる。 このままでは、駄目だと、水を飲みたくなったときに、ベットからソファーに移動する。足元に置いてあるPCをただ開く、Twitterで最近公開した記事の感想を眺…
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当番ノート 第46期
わたしの仕事は駆け出し研究者。対象はファッション。趣味はないと思う、生活の大半は執筆やそのために必要な文献に当てていて、残った時間は直接的には自分の研究には関係ないけれど勉強のために本を読んでいる。その時間を確保するためにテレビは持たず、映画や音楽も研究に関わらないとあまり見ない。Netflixでみるのもジェンダーやファッションに関わるものが大半。土日も研究会や講演の聴講に行くことが増えるものの平…
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当番ノート 第46期
7回目の投稿です。「トルコで出会った女性たち」シリーズ第7弾です。トルコで出会った印象的な女性たちとそれにまつわる私の記憶を書いています。1回目の投稿「ハティジェ」の冒頭にてこのシリーズの説明を詳しく書いておりますので、一体何について書かれているのか混乱された方はどうぞそちらをご確認ください。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー…
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当番ノート 第46期
目が合えば、微笑んで「HI!!」って! なんて、たのしいんだ。これは、この国だからだの? 私は、数日前までスリランカにいたのだ。これまで2カ国しか行ったことがないから比較しようもないのだけれど、どの国がどうであれ、こういうコミュニケーションは愉快なものだった。なんていうか、こう、子ども同士が名前も覚えないまま、だれかれかまわず遊んじゃう感じに近い。BGMは『we are the world』だ。 …
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当番ノート 第46期
お昼ごはんというものについて、錯綜中です。 食い意地が張っているほうで、おいしいと思うものを食べたい。 別においしいわけじゃないけど、みたいなものはそもそも食べたくないと思うので おひるごはんは割に重要な問題です。 最初のころはお弁当を持っていっていた。 ご飯のうえに炒め物か煮物を乗っけるだけの簡単なもの。 前日の夜ごはんを多めに作っておいて、朝はつめるだけ。 ご飯におかずの味が染みておいしい。 …
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当番ノート 第46期
さて、ここでエッセイを書くのも残り3回となった。何を書いていこうかと考えたとき、自分自身が普段からよく尋ねられることを書いておくのもいいかなと思った。それが、子どものときから成績がよかったのか?なんで東大受験しようと思ったのか?友人にも子どもの親になった人たちも増え、勉強法や教育法を聞かれることも多くなってきた。 しかしながら、最初に断っておきたい。おそらく、私の経験はなんの参考にもならないだろう…
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当番ノート 第46期
6回目の投稿です。「トルコで出会った女性たち」シリーズ第6弾です。トルコで出会った印象的な女性たちとそれにまつわる私の記憶を書いています。1回目の投稿「ハティジェ」の冒頭にてこのシリーズの説明を詳しく書いておりますので、一体何について書かれているのか混乱された方はどうぞそちらをご確認ください。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー…
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当番ノート 第46期
人生や価値観が変わるほどの何かに出会うって、どんな感じなのだろう。いや、というのもネ、「海外に行くと人生が変わる」なんてだれがいったのか(だれもいってないか)知らんけど、今、私は2度目の海外旅行中であり、「Sri Lankaなう」なのだ。前回、海外に行ったのは12年前に行ったロンドンくらいで、その時はさほど「人生が変わる」ような出来事はなかった(気がする)。そもそも人生が変わる出会いの瞬間って、わ…
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当番ノート 第46期
正直なところ就活はちゃんとやった方がいいと思った。 これは別にスーツ着ろとか合同説明会にいけとか エントリーシートを鬼のように書けとか言ってんじゃない。 ただ、自分が何を大事にして生きていきたくて、 どんなものに共感して社会でどんなことがしたくて だからこの会社のこことリンクしたとか こんなところが自分の考えと同じだと思ったとか そういうことは自分の中で納得していた方がいいんだろうなと思う。 私み…
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当番ノート 第46期
もう身体中熱いから休ませて。 ねえ聞いてる? なげやりにバックスペース押したり、自信なさげに叩いたりすること多くない?私のこといつからシャットダウンしてないと思う? そう、私も覚えてない。おがげ様で処理速度遅くてさげぽよ。 ねえねえ、1つのメッセージを返すのに100点満点探してて疲れない? あちこちから情報集めて、正しそうなものを並べ、でもどこかしっくりこなくて、エンターキー押すのは億劫で、勇気振…
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当番ノート 第46期
こういったエッセイを書くならば、定番のトピックのひとつが異国での経験について書き記すことだろう。今日、海外旅行など何も特別なものではないかもしれないが、おそらく人並み程度には渡航経験はあると思う。 初めての海外旅行は小学校1年生のとき、父の単身赴任先のドイツからスイス、オーストリアへ。6年生のときには、両親がおそらく一生に一度と決めてハネムーンで訪れたはずのフランスへ家族で再訪した。中学校、高校で…
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当番ノート 第46期
5回目の投稿です。「トルコで出会った女性たち」シリーズ第5弾です。トルコで出会った印象的な女性たちとそれにまつわる私の記憶を書いています。1回目の投稿「ハティジェ」の冒頭にてこのシリーズの説明を詳しく書いておりますので、一体何について書かれているのか混乱された方はどうぞそちらをご確認ください。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー…
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当番ノート 第46期
2011年の東日本大震災で母方の祖父母が眠るお墓は津波で流されてしまった。たしか3・4年くらい前に手を入れてもらえたけれど、周囲には未だに瓦礫となった墓石があちこちに積み上がっている。 まぁ、正直なところその間、“お墓が流されてしまったこと”に関していえば、なんとも思わなかったのだけど。 そもそも祖父母とは、数えられるくらいしか会ったことがない。ふたりと過ごした時間の記憶はほんの少しで、どれもやさ…
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当番ノート 第46期
2週間ほど前から、映画館に行きたくて仕方がない。 真っ暗な空間で、目の前の画面に思い切り集中したい。 誰かのストーリーに感動したい。心動かされたい。 もしくは不安にさせられたい、宙ぶらりんな気持ちにしてほしい。 そう思って今日、友人と映画館に行った。 偶然、私が観たかった映画を観ようと誘ってくれたのだった。ラッキー。 行ったのは近くの映画館。私がブラジル留学中にできた。 家から自転車で10分くらい…
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当番ノート 第46期
当時のあなたは、この文章を見つける余裕はないかもしれない。それでも人づてに届く可能性を0%にしないためにおくります。 朝、ベッドから起き上がれなくなったとき、ひとりでなんとかしようとせず、職場に連絡を入れ、産業医のもとへ行ったこと、偉いです。でも頭の中は「大したことないと判断してもらって、復帰して、迷惑を掛けたぶんを早急に取り戻さなきゃ」でいっぱいになっていませんか。 仕事にも家庭にも迷惑を掛けて…
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当番ノート 第46期
約3年前、猫を飼い始めた。わたし自身、当時は犬派だったが、当時のパートナーの希望で猫の兄妹2匹を迎え入れた。 小さい頃は、柴犬を飼っていた。わたしが生まれるよりも前から飼われていた“雅歌”という犬で、母がとてもとても可愛がっていたのを覚えている。それでも動物とは生活圏を分けるべきだという考えがあって、その犬はいつも屋外の犬小屋にいた。 そう思うと、ずっと家の中にいる猫との暮らしは、自分のなかにある…
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当番ノート 第46期
4回目の投稿です。「トルコで出会った女性たち」シリーズ第4弾です。トルコで出会った印象的な女性たちとそれにまつわる私の記憶を書いています。1回目の投稿「ハティジェ」の冒頭にてこのシリーズの説明を詳しく書いておりますので、一体何について書かれているのか混乱された方はどうぞそちらをご確認ください。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー…
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当番ノート 第46期
2019年8月16日(金)、取材のために車で山梨県へ向かっていた。 「車が好きでさ、 あ、好き、といってもここ最近の話で語れることは少ないんだけど。それに、十数年前に取得した運転免許はほとんど使う機会がなかったし、『車にお金をかける人の気が知れない』くらいに思っていたしさ。 でもね、こうやって長距離移動をする機会が増えると、アクセルを踏み込んだ時の加速がたまらねぇって気づいたんだよ! 運転中に大き…
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当番ノート 第46期
会社の先輩たちがとても気にかけてくれるので、日々驚いている。 10月から新しい業務がはじまる。 それが決まったときから周りの先輩たちが 「これについては彼に聞くといい」 「こっちは彼女が詳しい」 「これ、役に立ちそうなリンク集」 「朝、ちょっと早くきてレクチャーするよ」 「昔の資料だけど、貸すから読みな」 と、もう色々な方面からサポートしようとしてくれる。 最初はなんだか驚いて面食らってしまった。…
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当番ノート 第46期
経験にしがみついてはいないか。 大学に入学してから、10年間、なんかしらの形で演劇に携わってきた。演劇学科のある大学に入り、一限の授業に出席する難しさを知り、必修科目を再履修する友人をイケてると思い、入ったきた後輩たちへの母性に芽生え、5年生を迎える彼らの学費に思いを馳せた。違う違う。 大学に入った途端、高校時代を捧げた彼女に振られて、その腹いせに劇団を立ち上げた。目の前にあるなんかすごいことがそ…
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当番ノート 第46期
最近、Netflixで『華麗なるメイクダウン!?』という番組を観ている。“Fashion Disaster(はちゃめちゃファッション)”だと言われる強烈なスタイルの人々をトーンダウンさせるというコンセプトで、ゴス、ロリータ、露出過度や塗りすぎの日焼けクリームといった様々なスタイルから変身させる。 ファッションにこだわるということは時に、自分を持っているかのように語られる。自己表現は大事だ、個性的な…
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当番ノート 第46期
3回目の投稿です。「トルコで出会った女性たち」シリーズ第3弾です。トルコで出会った印象的な女性たちとそれにまつわる私の記憶を書いています。1回目の投稿「ハティジェ」の冒頭にてこのシリーズの説明を詳しく書いておりますので、一体何について書かれているのか混乱された方はどうぞそちらをご確認ください。 前回、アーニャとオクサーナについて書くことを予告いたしましたが、だだ長くなる恐れがあるのでアーニ…
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当番ノート 第46期
数年前に子どもにせがまれ、海に行くことになった。 記憶している限り、水着なんて小学校以来着ていない。なぜなら、自己認識としてのわたしは、容姿も中身も松本零士先生の漫画『男おいどん』の「大山昇太(おいどん)」なのだ。かわいらしい水着を着て良いのは、ヒロインだけ。悩んだ末にいつかのアニメ『それいけ!アンパンマン』で、ジャムおじさんが着ていたようなラッシュガードを買ったのだった。 子どもたちと全力で遊び…
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当番ノート 第46期
小さなころ、いや、 ひょっとしたら高校になるころまで 仕事といえば家族や 親戚のおじさんおばさんたちのものしか 認識していなかった。 幼稚園のせんせい バスのうんてんしゅさん お習字のせんせい おもちゃ屋のおねえさん 工事のかいしゃのひと 大学に入ってからは 自営業の知り合いが多く 踊り手、歌い手 鍼灸師、整体師、 フードコーディネーター カメラマン、 そんな仕事もあるのだなと認識するようになった…
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当番ノート 第46期
家賃3万円、ワンルームのアパートに暮らしていた。週4〜5日街頭でチラシ配布のバイトをしながら生活費を稼ぎ、大学院に通い、演劇コンクールに応募して、作品を立ち上げる。貯金はなく、もやし炒めとサバ缶、コンビニで買えるひじきや切り干し大根をローテションしながら、奨学金返済に怯えていた。 それでも、世に突きつけたい問いを演劇作品として立ち上げながら、コンテンポラリーダンスに向き合っている彼女と理想の稽古場…
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当番ノート 第46期
わたしは大ぶりのキラキラ輝くピアスが好きだ。自分を格上げしてくれる気がする。格上げって何なんだとも思うけれど、確実に気分は上がる。 でも、たまに大ぶりなアクセサリーが急にダサく見え、華奢なアクセサリーが似合う上品な人に憧れたりもする。気取りすぎない、さりげなさに。 毎日毎日つけていたピアスが、急にしっくり来なくなった気がして使わなくなる。こう書き記してみると、それはなんだか悲しいことのように思える…
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当番ノート 第46期
2回目の投稿です。「トルコで出会った女性たち」シリーズ第2弾です。トルコで出会った印象的な女性たちとそれにまつわる私の記憶を書いています。前回の投稿「ハティジェ」の冒頭にてこのシリーズの説明を詳しく書いておりますので、一体何について書かれているのか混乱された方はどうぞそちらをご確認ください。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー…
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当番ノート 第46期
1軒目の酔いがいくらか覚めてきた頃、わたしは友人ふたりと新宿のどこか(覚えていない)にあるスナックのカウンター席に座っていた。 わたしたちの他に、お客さんは5組程度だった。人生で数回目のスナックだけど、見知らぬお客さん同士が狭い空間のなかでカラオケをしたり、女の子がお酒を注いたりする光景というのは、なんというか、異世界だ。 自分がいる場所よりも、1メートルくらい上の方から見下ろしている気分になって…
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当番ノート 第46期
大学時代の友人たちに会った。 しばらくお昼休みはどうしてる 残業はどのくらいだとか 髪切ろうか迷っててだれそれとどうなったとか 学生の時とは少し違うようで 大体同じような近況報告をした後ふときかれる。 「みほ。本当に仕事しているの?」と。 会ってからさっきまで 散々その話をしていたじゃないか!と苦笑してしまう。 でもそれだけ友人たちには私がまともに「会社勤め」をしていることが信じられないらしい。 …
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当番ノート 第46期
惹きつけられる書き出しを探して、動く親指は油断ならない。自分が味わっていない出来事について、ぽちぽちと打ち、なんだか生活と向き合った気になってしまう。 Uver Eatsの手数料が無料だったとき、マクドナルドをよく食べた。グランベーコンチーズを頼み、口に流し込んだ。 「厚みのある100%ビーフに、2種類のチェダーチーズとスモーキーなベーコンを組み合わせた、リッチな味わいの一品」と商品紹介ページに書…
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当番ノート 第46期
わたしは文章を書くことが苦手なのかもしれない。というと、研究者として執筆を普段から行なっているのに、何を言うと思うだろう。 正確に言うと、自分のことについてじっくりと書き記すことが苦手だと思うのだ。SNS時代、自分の経験を語り、自分にある種のブランド性を付与していく人が影響力を持つ。それを羨ましいとも思いながらも、積極的にできない(と思っている)。 とは言えど、インターネット上には自撮り写真もメン…
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当番ノート 第46期
こんにちは、どるこです。今回から2ヶ月間こちらで投稿させていただける機会をいただきました。1番初めの投稿ですので、私が何について投稿していくのか、及び投稿に関しての設定というか、前提を説明させていただきます。 まず、何について投稿していくかですが、何かテーマを決めると書きやすいといったアドバイスをいただき、私もそれなら面白くできそうだなと思いましたので、この2ヶ月間の投稿は1つのテーマに沿…
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当番ノート 第46期
2019年8月4日日曜日 晴れ。従兄弟の結婚式に参列した。 * 12時00分(挙式開始30分前)。 「信じられない! お父さん、この靴で参列するの!?」と、母が突然声を荒げた。(いつも通り)無遠慮な母の物言いに勃然としていた父の足元を見てみると、グレーのスリッポンスニーカーのようなものを履いている(念のため書いておくと、父は、ちょっとだけ……結婚式の知識がないだけだ)。 「30分あるし、一緒に靴を…
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当番ノート 第46期
8月に入りずっと、肌がぺたぺたとしている。 空気は水を孕んでのろのろと重いし、 日差しは強く体の中も暑く このまま蛙にでもなってしまうんじゃないかと思う。 水族館に行くのが好きだった。 薄暗く長いエスカレーターを降りていくと 空気が徐々にひんやりとしていくのがわかる。 同時に少し生っぽい、潮の匂いを舌に感じる。 家族旅行で行ったちゅらうみ水族館の大きなガラスの水槽や 佐賀のうみたまごの色とりどりの…
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当番ノート 第46期
まだ私は、他人と向き合う準備ができていない。だから誰にも会いたくない。それは目やにがついているからでも、鼻毛が出ているからでも、自分の息が臭いからという理由でもない。 朝、外に出て、呼吸のしづらい暑さに朦朧としながら、仕事に向かう。電車が来る直前に自販機で割高なお茶を買ってしまう。電車にしばらく揺られると寒暖差がつらくて目をつむる。 マンションの一室にあるオフィスに着き、いくつかmtgに参加する。…