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当番ノート 第26期
その彼は1人ユニットだが、3人を表す名前を付けていた。僕はその彼をよく知らないので、それが本名だと思っていた。「大橋鳥夫」と。即座に友人から完全否定された。鳥夫は「大橋トリオ」だったのだ。元々は3人組だったのか?とか、最初から1人でなぜトリオという名前を付けたのか、そもそも由来は何なのか?とか、もちろん調べる気は起こらない。自分はこのまま彼の音楽を聞かずに死んでいくのだろうか。 相川七瀬の「恋心」…
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当番ノート 第26期
どうやってここへ来て なぜここに居て どうやって生きていくんだろう からっぽで何もなくて何も見えない 人との繋がりや社会の中では 自分が居てはいけないような息苦しさと不安を感じ 正しく健やかな人をみては 自分の愚かさが露になる ニュースは世界の理不尽さや悪意や混乱を伝え それが自分の中に育とうとする 失う恐怖と悲しみは私を飲み込み怪物になって 自分を守るために 言葉をナイフに変えて振りかざす 静謐…
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当番ノート 第26期
たからさがし。2回目の旅は熊本のお隣、大分だった。 なんで大分に行ったかというと、 山田崇さんに会うため。 ヤマダタカシさんって誰なのかというと、 わたしたちも会ったことはなかった。 たまたまネットで見つけた動画のなかで 山田さんは自分が取り組んでいる商店街活性化について プレゼンテーションをしていた。 そのアツい思いと面白さが気になって気になって仕方なくなって、 ”この人にもまちづくりについて話…
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当番ノート 第26期
NHKで金曜の夜に放送されているドキュメント72時間という番組がある。 ある場所を72時間観察し続け、そこに出入りする人たちを取材し、人間ドラマを切り出す30分の番組。極寒の地、商店街の銭湯、バスターミナル、学生寮、駄菓子屋、ケバブ屋、薬局、登山口、コインロッカー、八百屋などどこでも撮る。学生時代に見た回がとても面白くそれ以降見ていたのだが、この番組の放送後に決まって連絡をとり合う友人がいた。「今…
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当番ノート 第26期
けん玉について綴ってきた最終回としては遅すぎる感もあるのですが、けん玉の魅力について書いていきたいと思います。 けん玉ってしたら何かいいことあるの?まずはけん玉を触ってみましょう。けん玉触ってみたら、大きな皿にすら載らなくて悔しくなってちょっとの間やってしまいます。 そんなことを言っても、始めるきっかけ、モチベーションがないので、なかなか触ろうと思わないということでしょう。というわけで、けん玉の利…
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当番ノート 第26期
※ビートたけしになったつもりでお読みください ①たて笛が異様に長い奴がいる では授業を始めます!なんて取り出したらあれ、なんつってね。蛇使いみたいなやつ持ってきちゃって。そいつも一生懸命周りに合わせて吹くんだけどやたら高い音しか出なくて、先生も「うーん」なんて頭抱えちゃって。どういうことだ!って問いただしたら「これ実はお父さんのお下がりなんです」って、よく聞いたらそいつの親父が東京コミックショーだ…
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当番ノート 第26期
ときどき ことばの贈り物をいただくことがある 素朴なやさしいことばの花束にうれしくなって 私も同じように花束を拵えようとするけれど 数本の萎れかけた花のようなものになってしまってり くしゃくしゃのティッシュのようなものになってしまったりする 状況や関係性や性格などによって 意味が変わってしまうことが怖くて 適切な言葉というものに自信がなくて どう伝えればいいかと考えてるうちに 自分の言葉からどんど…
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当番ノート 第26期
私たちは「たからさがし。」を通じて、 沢山のことを感じて、経験して。 変われたな~って思う部分はとても多い。 それでも、私たちが大切にしていきたいこと、 「たからさがし。」を通じて実現していきたいことの軸は変わっていない。 「きらびやかな街並み、溢れかえる人の多さ、整えられた便利さ」 そんなモノより、私たちが大切にしたいのは、 「自然そのものの輝き、一人一人のキラキラした笑顔、 便利でなくたってそ…
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当番ノート 第26期
南千住駅に初めて降りたったのは7年前か。 東京にアパートを借りていながら、金をかけずに旅の気分を味わいたいと安宿を探して東京を歩き回る中で辿り着いた。そして、その後も足繁く通うようになった。数回訪れただけでは味わえない、多くの顔を持った街だったから魅力を感じた。 街の雰囲気は駅を境目としてはっきりと異なる。駅の北東側は隅田川沿いに高層マンションが建ち並ぶ再開発地区。保育園や老人ホームを併設した高層…
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当番ノート 第26期
日本から帰ってきて一週間になります。恐らくジュースが恋しくなってくる頃です。大学ではフレッシュジュースがかなり安く売られています。シンガポールの最後の日は大好きなアボカドミルクシェイクを大学の食堂で飲みました。トロピカルフルーツのジュースはとても美味しいですね。 さて、先週までKendama Club EnとKendama Fest! Japan X SGのことを中心に書いてきました。今週は敢えて…
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当番ノート 第26期
米米CLUBの「君がいるだけで」という当時の大ヒット曲を、遠足のバスの中でみんなで歌おうということになった。クラスで誰かCDを持ってる人はいないか?という話になった時、沼尾くんが手を挙げ、歌詞をコピーして配ることになった。遠足係だったぼくは彼から歌詞カードを受け取ったが、どう見ても彼の手書きだった。CDではなく、おそらくダビングされたカセットを持っていただけで、耳コピで歌詞を書いてきたのだ。サビの…
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当番ノート 第26期
あたたかさを知ったのは 犬を抱きしめたときだった 捨て猫や捨て犬を2度拾い 怒られて また凝りもせず犬をもらってきて それから13年間そばにいてくれた友達だった 静かに静かに寄り添ってくれた 君のあたたかさは私を優しく撫でてくれた まいにち まいにち 河川敷をいっしょに散歩した 風が気持ちよかったね 君は太陽と土のにおいがしていた それから私の腕のなかで最後に眠った こころのどこかで 美しく無垢な…
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当番ノート 第26期
「たからって何?」 「たからの基準って何?」 “たからさがし。”なんて名乗るとこんな質問はしょっちゅうあって、いつも2人で顔見合わせて苦笑いしながら答えを探した。 「人とか食べ物とか建物とかその土地にしかないものとか、、、」 「背景があるものとか誰かの大切なものとか、、、」 うまく答えなきゃとは思っていた。 でもうまく答えれたことなんて一度もない。 旅をしながら、わたしたち…
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当番ノート 第26期
旅にどっぷりハマっていた時期があった。 大学にいる間もバイトしている間も、次に旅立つ時のことしか考えられないような。 ただ、いくら旅のことを想像していても、いざ旅に出れば想像とはまったく異なるものになったりする。 そして、何か大きな経験をした日よりも何もしなかった日の方が覚えていたりする。 観光名所を見て回った日よりもただ宿の周りを歩いていた日の方が。 予定を詰めて歩き回った大都市よりも特に何もせ…
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当番ノート 第26期
シンガポールの留学も終わり、予定では今日日本に戻っている予定です。風邪をひかないように気を付けないと。 先週の続き、Kendama Fest! Japan X SGの様子を書いていきます。座談会からですね。 指導会で場が暖まってきたところで、次は座談会です。座談会では、橋詰七段、Hansさん、Wenがけん玉について話します。けん玉との出会い、けん玉の魅力、けん玉の将来などについて、20分程度話して…
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当番ノート 第26期
まだ輸入盤店という存在を知らない頃、外資系の大型CDショップに足繁く通っては、Pop Bizというシールが貼ってある輸入盤を探して買っていた。当時はレーベルという存在すらよく分かっていなかったので、このシールを目当てに買っていけば当たるだろうという、新しい音楽を探す1つの手がかりとなっていた。Pop Bizはレーベルであり、インディ系のロック&ポップのレコードをディストリビューションしてい…
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当番ノート 第26期
「幸福だ」と思ったことが一度もなくて でも「不幸だ」と思ったこともない それがなんなのかずっとよくわからないでいる 誰かが「幸福」について話したり「幸せだ」と言う時 その人が満たされている状態だということを感じることができる でも私は「満たされる」ということがよくわからない 心が乱れておらず落ち着いた状態のことを心地よいと私は感じるけれど 私にはそれが一番「幸福」に近いように思う 揺れる草や葉の音…
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当番ノート 第26期
たからさがし。を始めて1年と8ヶ月 社会人になって1年と1ヶ月 仕事をしながら、たからさがし。をする生活を始めて1年1ヶ月。 翌日仕事なのに夜中までさゆりんとスカイプ会議したり、 休みの日はあちこち「たからさがし。」行ったり、 HP作ったり、こうして通勤中に記事書いたり。 どっちが本業?て思うこともしばしば。 もちろんたからさがし。での収入はないから仕事とは言えないけど、 趣味って一言で言いたくな…
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当番ノート 第26期
地元を舞台にした5時間を超える長編映画を地元の小さな映画館で見た。 4人の女性がそれぞれの生き方を選んでいくその映画には、多くの印象的なシーンがあった。 その中でも、主人公の1人が「子どもは思っているよりも大人で、大人は思っているよりも子どもだ」と中学生の息子に語りかけるシーンが特に脳裏に焼きついた。 いつの時代も子どもは大人に学び、また大人は子どもから学び取っている。 3年前。東北で半年間、子ど…
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当番ノート 第26期
やっと、半年間準備してきた、Kendama Fest! Japan X SGが終わりました。シンガポールはここ最近、午前快晴、午後土砂降りの天気が続いていたので、午後の天気が心配でした。それでも、無事何とか雨が降ることもなく、多くの方に来て頂きました。 まずは、御礼を言わせて下さい。ゲストの方、協賛会社、来場者、支えてくれた方々、そしてチームのメンバーなしには、成功どころか、成り立ち得ないものでし…
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当番ノート 第26期
弁論部はぼくと先輩の2人だけだ。いつからか、大会前になると先輩から毎晩のように電話がかかってくるようになった。彼女は決まって「落ち込んでない?」とか「とにかくリラックスしなきゃ」と言い、大会に向けての意気込みなどまったくない自分は電話口でいつも困った。そのうち彼女は自分が今いかに忙しく充実しているか、弁論部のほかに実はバンドもやっているという話を始めた。形の大きなメガネで級長風イメージの彼女の、そ…
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当番ノート 第26期
あなたはどんなひと と訊かれたら 写真を撮るのが好き ということくらいしか答えられない フォトグラファーと名乗るのに違和感があるし 写真家でもないし 写真愛好家でもない 写真で 誰かに何かできるとも どうにかなりたいとも思っていない 人と向き合って撮ったり 誰かの為に撮ったりする事はうまくできない 私は私のためにしか写真を撮れず それは私を記録する手段なんだろう だからたとえば 絵を描くことも文…
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当番ノート 第26期
あたりまえに大切にしてた日常がある。 たからさがし。では、繰り返す日々でも、そこにしかない”たから”や誰かの大切なものを見つけて、繋げて、活動してきた。 どこに行っても、感動するものはたくさんあって でも、だからこそ、私たちの始まりの場所、熊本の良さは何度も実感してきた。 大好きで、心地よくて、キラキラしてる、わたしたちの大切な場所。 熊本地震から2週間がたった。 2週間よ…
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当番ノート 第26期
人が溢れているからだろうか、東京では喜劇に出くわすことが多い。 新宿、渋谷、池袋、上野、北千住、高田馬場、中野、新橋、高円寺。 人工と自然、ビルと横丁、先端と古典、除菌と汚物、宝石と石ころ、人間と鼠。 いろんなものが隣り合わせになった、ごった煮の街。 こうした街で暮らしていると、「いったいあれはなんだったのだろう」と思う光景に出くわすことがある。 唖然とするよりも前に、笑わずにはいら…
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当番ノート 第26期
早いもので、もう4回目になりました。クラブ主催のイベント、Kendama Fest! Japan X SGも3日後です。 12月にはインドに1か月行っていました。北インドはこの時期、結構寒いんですね。ショールを買って着ていましたが、シンガポールにいると感じ得ない「外に居て寒い」という感覚を久しぶりに味わいました。タージマハルでけん玉を没収されそうになりましたが、中で遊ばないから頼むと懇願して何とか…
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当番ノート 第26期
高校1年生のとき。ドイツのインディ・レーベルから出たコンピレーションの日本盤が、なぜか地元の山野楽器に入荷され、何気なく試聴してその場で電流が走った。自分が聴きたかったのはこういう音楽だ!と感激し、その日本盤を出しているレーベルに感想文を送った。その後、いろいろな縁が巡ってそのレーベルオーナーと電話で話す機会が訪れた。当時の自分はもっと色々な音楽を聞きたかったので、インディ系の音楽を扱っているレコ…
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当番ノート 第26期
誰もいなくなったカーテンの無いへや 踏まれて茶色くなった木蓮の花びら ひとりぼっちの白鳥 部屋のすみで干乾びたみつばち もう使われることのない椅子と机 公園で捨てられたうさぎのぬいぐるみ 孵ることのなかったちいさな卵 割れた蜂蜜の瓶 送らなかった手紙 読まれなかったことば 捨てられて散らばったチューリップの花束 冷めてしまった野菜スープ 夢の中で撮った写真 森に残された動物の真っ白な骨 人が訪れる…
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当番ノート 第26期
たからさがし。の私たちの 一番のアイデンティティは「笑顔」だと自負している。(笑) つぼが浅くて、ちょっとしたことでも笑える私たち。 2人でいれば、周りに飽きられるレベルで、 ずーっと笑ってる。 (ちなみに上の写真は、スマイルフォトグラファーの友達に 笑い過ぎて上手く撮れない!!って言われた時の写真) そういえば、たからさがし。を始める前も 周りに2人の雰囲気って似てるよねっていわれることが多かっ…
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当番ノート 第26期
信じ難い悲劇が起こるなら、 信じ難い奇跡の一つくらい。 何の褒美か。 冬の凍えるような満月の夜。 ある国のトップに、月からお告げが。 月「たった一つだけなら叶えてやりますよ、沈む前に決めてもらえるなら」 トップは、真冬の空のもと街中を歩いていた若者を5人呼び集め、月からのお告げを伝えた。 トップ「お告げを国民に公表しては争いの火種になる。わしには決められな…
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当番ノート 第26期
こんにちは、松尾です。 シンガポールにいると、本当に季節感を感じないものです。日本のFacebookの友達が投稿した紅葉の写真に殊更に秋を感じてしまった11月です。 12月のある日、道路を歩いていると、反対側でスコールが降り始めているのが見えました。対岸の雨!30秒後、スコールがこちら側にも襲いかかってきました。天気の変化を1メートル単位で感じられるとは思いませんでした。 その日食べた、炒果条はペ…
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当番ノート 第26期
ミスター・チルドレンの4thアルバムが出るというニュースを音楽雑誌で知り、そこには「人気爆発確実」みたいなことが書かれていた。雨の降る中、その人気爆発確実のAtomic Heartというアルバムを地元のCDショップで買い、自転車のカゴに入れた。帰宅中、カゴを上から覗き、袋からチラリと見えたCDケースは見たことがない色をしていた。カラーケース初体験だったのだ。紺地に小さなフォントが乗せられただけのミ…
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当番ノート 第26期
体と心を持って 自分が 生きている ということに 違和感を持つようになったのは いつからだろう 自分が存在していることが こんなにも 心許ない 私は私のことが うまくわからなくて 自分が誰なのか 説明ができなくて 伝えられない だから 訊かれることがなんだか 苦しくなって 逃げ出したくなる 健やかな正しさというものが 怖い 年齢 性別 容姿 国籍 家族 社会 そういうものから 切り離して 私…
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当番ノート 第26期
今年から使い始めた「ほぼ日手帳」 ちょっと前だけど、2月8日のコトバ。 平了さん「田口君のヒッチハイク ON THE ROAD」から ―ヒッチハイクで人の車に乗せてもらうってことは その人にちょっと迷惑をかけるということ。 その、「ちょっと迷惑をかける」ってじつは大きいことだと思うんです。― 確かに、確かに、その通りだなっておもった。 自分から人を頼って(いうならば迷惑をかけて)、 自分が行きたい…
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当番ノート 第26期
私が住む兵庫県に「にほんの里100選」選出の里山があることを知り、川西市黒川まで足を運んだ。 電車を2度乗り継ぎ約1時間、能勢電鉄妙見口駅に着いた。 駅を降りると、そこには微笑ましい景色が広がっていた。 街中のように頭上何メートルも先に看板があるわけでなく、必要な情報は斜め下に落ちていた。 歩き続けるにつれ、壮大な自然を目の前に心を鷲掴みにされる感覚とは別の感覚を覚えた。 人々が手を…
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当番ノート 第26期
こんにちは、シンガポールでけん玉をやっている松尾です。 前回はシンガポールの子供たちのけん玉がうますぎて、意気消沈しているところでした。 もともとけん玉をシンガポールに広めるつもりでいたのに、既に広まっている。しかも、15年やっている俺よりもうまい!さて、どうしたものか。 9月中旬頃から、Haze(霧)が立ち込めるようになりました。スマトラ島で森林を焼いた時の灰がシンガポールまで飛んでくるのです。…
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当番ノート 第26期
お化けと河童と石ころが冒険をする絵本。お化けが頑張る1冊目の終りで河童が「次回は拙者が頑張りますぞ」と言う。河童が張り切る2冊目の終りでは石ころが「今度はオイラの活躍をお楽しみに」と言う。ちょっときっちり役割分担をし過ぎではないか。それぞれの見せ場など無くたって、お化けと河童と石ころという時点でもう、十二分に「それぞれ」だ。3冊目は読んでいないが、その絵本がイヤになってしまったというわけではない。…
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当番ノート 第26期
遠くがあることを知ったのは 広大な自然のある土地を テレビで見たときだったかもしれない 部屋に寝転び目を閉じて 風の音だけをききながら その映像を頭の中で広げ 自分がその土地にいる想像をし 何度も遊んだ 物語があることを知ったのは 新学期に教科書をもらったときだったかもしれない 新しい教科書の物語がある部分を 授業ではじまる前に全て読んだ 私は図書室へ通うようになり 誰かと話したり学んだりする…
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当番ノート 第26期
「なにもないよ」 「田舎だよ」 そう、聞いていた。 だからこそ、(と言ったら失礼かもしれないけれど) 鳥取と島根が最初の旅の目的地となった。 ただ何となく、《まちづくり》や《地域》に興味があった。 ただ何となく、日本のことを知りたくなった。 ただ何となく、旅に出たかった。 はじめの大きな一歩は「たからさがし。」と名前をつけたこと。 自分たちが知りたいことを、やりたいことを、 カタチにするために…
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当番ノート 第26期
先日、劇作家協会主催の「せりふを読んでみよう」というイベントに参加した。 イベントは、とある戯曲の一部を若手俳優が演じ、講師の劇作家が俳優たちにせりふの読み方を指導していくものであった。 言葉の「発語」、そして発せられた「言葉への反応」という一連のやりとりについて深く考えさせられたのと同時に、 言葉をこれほど大事に思ったことはあったであろうかと振り返るきっかけともなった。 これまでの人生で交わした…
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当番ノート 第26期
こんにちは、松尾健司と言います。 けん玉をやっています、シンガポールで。 どうしてけん玉なのか、どうしてシンガポールなのか。簡単に言うと、 せっかくシンガポールに交換留学に行くことになったし、自分の得意なけん玉を活かしてやろう! ということです。 けん玉を始めたのは小学1年生の時で、小学4年生で4段を取得しました。もうかれこれ15年やっています。 「けん玉愛がすごいね」と思う方もいらっしゃるかもし…
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当番ノート 第26期
92年の同窓会で祖父は「SAY YES」を歌った。正確には歌ったかどうかわからなくて、カラオケの順番が回ってきたときに祖父が「おれはSAY YESを歌うぞ」と言い、大正6年生まれの同窓から「お前、そんな若い曲を歌うのか」とか「なんだその曲は知らないぞ」と反応された、という話を後日聞いただけだ。祖父の家に行った時に口ずさんでいるのを聴いたことは確かにあって、「愛には愛で~、っか」とややおどけた調子だ…
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当番ノート 第26期
指先から光がはいってきて もう冷たくなかったとき 手のひらで背中をあたためるような太陽だったとき 冬が終わり春が近づくのを感じた 予感や期待を孕んで膨らむ 木の芽や花のつぼみたち まだ開かないでもう少し と思う間に 一斉にはじける おはようたくさんの歌 おはようたくさんの色 おはようたくさんの光 おはようたくさんの香り さわがしくあふれ出す 美しく柔らかで愛おしい 尊いもの 私はかがやきの前で立…
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当番ノート 第26期
いつもの通勤電車に乗る。 異国の言葉が聞こえる。 観光中の外国人だった。 私にとっては日常の当たり前のこの景色を 彼らはどう捉えているのだろうか。 今何を感じているのだろうか。 たからさがし。の私たちが 異国の地に行ったときは その憧れの世界にワクワクが止まらなくて。 何を見てもキラキラ輝いてみえた。 心も満たされた気がした。 けどね、気づいたことがあった。 まあ良く言われることではあるのだけど、…
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当番ノート 第26期
高校1年の夏、私はサッカー部を辞めた。 そしてそれを数週間、親に隠していた。 今から思えばちっぽけな問題だが、当時の私にとっては何よりも大きな問題だった。 部活に行ったフリをするというむなしい日々が続いた。 平日は学校帰りに本屋に寄って時間を潰し、休日は試合で遠出をしているフリをしなければならなかった。 試合がある日にはスパイク、ユニフォーム、レガースを部活用のエナメルバッグに詰め、朝早く家を出て…